「低価格エアコン」販売員が本当に買っている3機種と絶対に買わない1機種

―[家電屋さんのトリセツ]―

 皆さん、こんにちは。関東の某家電量販店に、十数年間務めている店員のスズキです。黒物から白物まで、ジャンルを問わずさまざまな商品の販売に携わり、店長も務めたことがある私が日々の生活に役立つ家電の情報をお届けしていきます。

◆「低価格エアコン」のオススメ機種は?

 前回、取り上げた「低価格扇風機」に引き続き、今回も夏にピッタリで財布に優しい家電を取り上げます。

 テーマは「低価格エアコン」で、「販売員が本当に買っている3機種と絶対に買わない1機種」をそれぞれ紹介したいと思います。

◆格安エアコンは性能にほぼ違いなし

 選んだエアコンよりも安い製品はありますが、10万円を大きく下回ってくると性能に大きな違いはありません。

 そうなってきますと、正直、いいも悪いもないので、今回は10万円前後のエアコンの中からセレクトしています。

 畳数目安はいずれも6畳用なので、仕事部屋や寝室、子供部屋などに設置するエアコンをお探しの方は、参考にしていただけるとうれしいです。

◆・パナソニック「エオリア CS-EX221D」

 特にイチオシなのは、フィルター自動お掃除機能付きながら、奥行きがコンパクトなパナソニックのエオリア「CS-EX221D」です。

 ’21年1月に登場した最新モデルで、実勢価格は10万4000円程度になります。

 空気中のさまざまな汚染物質を抑制する「ナノイーX」のおかげで、カビ菌や花粉などの有害物質を抑制してくれます。

◆自動で最適な冷暖房運転を実現

「においケア」モードが搭載されているのも好印象。リモコンのボタンを押すだけで、気になる臭いを室温や状況に合わせてスピード脱臭する優れものです。

 エアリオAIによって、室内の状況を感知して自動で最適な冷暖房運転を行ってくれますし、スマホで操作できるのも便利です。

◆・日立「白くまくん RAS-G220L」

 続いて2位は、日立の白くまくんから「RAS-G220L」を選びました。’21年5月発売と、こちらも最新のモデルで、実勢価格は12万円程度になります。

 各社が搭載しているエアコン本体のお掃除機能ですが、日立は一歩進んでいて、室内機はもちろん、室外機にも自動お掃除機能を搭載しています。

◆シーズン前には自動でクリーニング

 お掃除機能も日立独自のもの。熱交換器を凍らせてたくわえた霜を一気に溶かし、汚れを洗い流す凍結洗浄で、清潔な状態にしながら、ホコリの目詰まりによる性能の低下も抑えています。

 冷房シーズンを迎える前に、内部を自動でしっかりお掃除してくれる「プレシーズンお手入れ」の機能や、汚れにくいステンレスでエアコン内部の風の通り道を清潔に保ってくれる「ステンレス・クリーン」システムも魅力です。

◆・ダイキン「AN22YES」

 3位は、’21年2月に発売されたダイキンのベーシックモデル「AN22YES」で、実勢価格は10万円前後になります。

 低価格モデルゆえに、ダイキンのウリである加湿や換気の機能に加えて、フィルターの自動お掃除機能も搭載されてはいませんが、結露水を利用して熱交換器を洗浄する「水内部クリーン」を備えています。

◆カビやニオイの原因菌を抑制

 さらに、熱交換器や吹き出し口の内部にストリーマーを照射することで、カビやニオイの原因菌を抑制してくれます。

 ダイキンのエアコン室外機は、46℃からマイナス15℃までの外気でも運転できるので、安心して使えるのもうれしいですね。

◆販売員がオススメしない低価格エアコンは?

 一方であまりオススメできないのは、アイリスオーヤマのairwill「IAF-2205GF」です。’21年5月発売の最新ルームエアコンで、実勢価格は8万8000円程度になります。

 内部清潔エアコンを謳っており、吸気部に高性能フィルターを搭載しているのは魅力なのですが、熱交換器やフィルターそのものの自動お掃除機能は搭載されていません。

◆フィルター代まで考慮すると…

 フィルターは3年交換なのもネック。価格は1万2800円なので、本体価格は安いものの、年に約4267円のフィルター代を上乗せすると、コスパが高いとはいえません。

 「IAF-2205GF」を購入するなら、もう少し予算を増やして1位や3位のオススメのエアコンの購入を検討するのがいいでしょう。

 ただし、7月はエアコン商戦の真っ只中。製品を購入しても、すぐに取付工事が行えないケースが多いです。

 お盆を過ぎるとだんだん落ち着いてくるので、急いでない方は繁忙期を避けるのも手だと思います。

◆〈販売員が本当に買っている低価格エアコンBEST3〉

▼1位 パナソニック エオリア「CS-EX221D」 実勢価格:約10万4000円

コンパクトなボディにフィルター自動お掃除機能を搭載したモデル。「ナノイーX」のおかげで、カビ菌や花粉などの有害物質を抑制できます。「においケア」モードで、気になる臭いをスピード脱臭できるのもうれしいですね

▼2位 日立 白くまくん「RAS-G220L」 実勢価格:約12万円

日立は他社よりも自動お掃除機能が優秀。室内機はもちろん、室外機にも自動お掃除機能を搭載しています。熱交換器を凍らせてたくわえた霜を一気に溶かし、汚れを洗い流す凍結洗浄も、日立独自の技術です

▼3位 ダイキン「AN22YES」 実勢価格:約10万円

ダイキンのウリである加湿や換気の機能に加えて、フィルターの自動お掃除機能も搭載されてはいませんが、結露水を利用して熱交換器を洗浄する「水内部クリーン」で清潔に保ってくれます

◆〈販売員は選ばない低価格エアコンWORST〉

▼1位 アイリスオーヤマ airwill「IAF-2205GF」 実勢価格:約8万8000円

内部清潔エアコンを謳っていますが、熱交換器やフィルターの自動お掃除機能は搭載されていません。頼りの高性能フィルターが3年の交換式で、1万2800円かかるのもネックです。本体価格は安いものの、コスパが高いとはいえません

―[家電屋さんのトリセツ]―

【家電量販店のスズキ】

関東近郊の家電量販店で10年以上働く現役販売員。黒物から白物までジャンルを問わずさまざまな売り場を担当。実績が認められて大型店の店長を務めた経験もあるが、接客のほうが性に合うため、本部に直訴し現場復帰を果たす

2021/7/17 15:54

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