日本は“やせ我慢”で頑張っている!? サマリー代表・山本憲資「“お金をかけずに豊かに暮らすこと”が天才的」

放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。6月6日(日)の放送では、先週に引き続き株式会社サマリーの代表取締役・山本憲資さんが登場しました。

(左から)高須光聖、山本憲資さん

◆資本主義はスポーツ界と似ている

山本:「サマリーポケット」は先行投資が多いので、まだまだ赤字です。長期目線で収益をあげられるように頑張っています。

高須:どれぐらいの赤字なのですか?

山本:余裕で2桁億円は投入していますね。

高須:長い年月をかけて回収する術があるから、資金調達が可能ということですよね?

山本:そうですね。

高須:でも、全部がパアになる可能性だってあるじゃないですか?“資金があと少しあればうまくいくのに……”っていうこともあると思うんですよね。

山本:資本主義って、僕は“一定期間で元本をどれだけ増やすことができるのか”っていうスポーツのようなものだと思っていて、出資を受けている上場企業は、そういったスポーツをやっているものだと考えています。

高須:面白い発想ですね。でも俺は、そういう感覚にはなれないなぁ。(赤字だと)“来月もまた大変だぞ”って思うから、清々しい気持ちになれそうにない(笑)。

山本:心身ともに疲れるスポーツですよ(笑)。

高須:そのぶん“ドカン”とくるものがあるってことですよね?

山本:“満塁ホームランが来た!”みたいな感覚はありますね。スポーツであることを認識しながら取り組むことは、すごく大事です。

高須:楽しく生きるうえでも大切な感覚だよね。

山本:楽しいのも大事だし、本質を見るうえでも必要な認識です。例えば、サッカーの試合でリフティングだけがうまい選手がいたとしますよね。そのときに評価されるのは、あくまでもリフティングであって“サッカーのうまさ”ではないんですよ。そういった勘違いをしないように気を付けています。

高須:リフティングがだめでも、点数を1点入れてくれる選手のほうが評価がいいもんね。どんな手段を使ってもいいから、とにかく1点を入れる。

山本:そうそう! 日本が、この20年でサボってきていることって、そういうところなんですよ。ほかの国は資本主義のスポーツをやってきているんです。

高須:たしかに。日本人の多くは“汚い手は使っちゃだめだ”とか“だめなときは潔く”って考えてしまう。それは違うよと、土壇場の1秒2秒で這いつくばってでも1点を取る気概が必要、ってことですね。

◆日本は本当に豊かな国?

山本:日本って、“お金をかけずに豊かに暮らすこと”が得意なんですよ。ただそれは、結果として没落を隠してしまうんですね。

高須:たしかに。

山本:(お金をかけないことに)天才的なんですよね。例えば、中国で「ラッキンコーヒー」という、今は粉飾決算で上場廃止になった会社があるのですが、そこは1杯500円ぐらいなんですけど「10分でどこでもコーヒーを持って行きます」というサービスで、数年でスタバと同じぐらいの店舗数を上海に開業しました。

高須:一気に広がりましたよね。

山本:そんな進化をしているさなか、日本のコーヒーはコンビニで1杯100円で飲めるじゃないですか。同じ杯数を売っても、市場は5分の1なんですね。

高須:本当だね。

山本:コーヒーが1杯100円で飲めることって嬉しいし、一見豊かには見えますよね。だけど、それを“よしとしていいのか”と僕は思います。

高須:“やせ我慢で頑張っている”っていうことなのかな?

山本:“負けているのに豊か”と言いますか。もう、いろんな綻びが隠せなくなってきていますけどね。

◆「たくさんのインプットがビジネスを生み出す糧となる

高須:仕事をするうえでの“マイルール”はありますか?

山本:世の中には10倍の仕事をして成果を出すタイプの人がいますよね。僕の場合は、ほかの人の100倍インプットをして、判断の精度をあげて成果を出すタイプかなと思っていて。

高須:いろんな情報を頭に叩き込むわけですね。

山本:高解像度な判断をし続けることをすごく大事にしています。そこが自分のルール、付加価値かなと思っています。

高須:なるほど。それって、昔からずっとやってきていることですよね?

山本:そうですね。それが自分のアイデンティティであり、強みなのかなと思っています。

高須:自分の感覚のなかで、“これは次のビジネスで活かせそうだな”っていうことがなんとなく見えてくるものですか?

山本:“ビジネスに活かせるか”ではなくて、僕がユニークネスな価値を出せるだけなんですよね。インプットしている情報量の多さが、そのユニークネスの源泉になっていると思います。自分のことをクリエイターだと思ったことはないですが、クリエイティブなものを理解できる存在ではありたいとは思っています。

<番組概要>

番組名:空想メディア

放送日時:毎週日曜 25:00~25:29

パーソナリティ:高須光聖

番組公式Facebook:https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/

2021/7/16 6:00

こちらも注目

新着記事

人気画像ランキング

※記事の無断転載を禁じます