東京五輪は無観客、4度目の緊急事態宣言で株価の上値重く......(7月12日~16日)【株と為替 今週のねらい目】

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県には4度目の緊急事態宣言が発令され、東京五輪・パラリンピックの無観客開催が決まった。

米国株も、米景気回復が後退するとの見方が強まったことで急落。これらが日経平均株価の足を引っ張った。プラス材料が見当たらず、上値は重そう。同様に、ドル買いの材料は乏しい。

どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

東京株式市場 12日から、4度目の緊急事態宣言

日経平均株価予想レンジ:2万7500円~2万8500円

2021年7月9日(金)終値 2万7940円42銭

今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値が重い展開か。

前週の日経平均株価は、下落した。新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大により、景気回復に対する陰りとの見方が強まり、米国株の急落も日経平均株価へ影響した。加えて、ETF(上場投資信託)配当金手当てのための換金売りや、東京オリンピックの無観客開催といった悪材料が追い討ちをかけた。

今週の日経平均株価は、上値の重い展開か。米国株の動向も気になるところだが、国内でのデルタ変異株の感染拡大、東京オリンピックの1都3県での無観客開催、4回目となる政府の緊急事態宣言などが、株式投資に対するセンチメントを弱めている。

国内材料だけでは、日経平均株価を押し上げる材料は乏しそうだ。注目は、米国の経済指標。市場予想よりも良い結果が出れば、米国株の上昇を材料に日経平均株価も上昇する可能性はある。

東京外国為替市場 米ドルは底堅い動きに

ドル・円予想レンジ:1ドル=109円00銭~111円30銭

2021年7月9日(金)終値 110円14銭

今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。

前週のドル円相場は、ドルが下落した。週初は1ドル=111円台前半での取引だったが、米国の金融政策でテーパリング(量的緩和の縮小)に対する期待感が後退すると、ドル売り・円買いが優勢となり、加えて、米長期金利の低下により1ドル=109円台半ばまで円高が進んだ。

今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。米国の金融政策の正常化への期待感が後退していることに加え、新型コロナウイルスのデルタ変異株感染拡大による景気回復の遅れも懸念され、ドル買い材料に乏しい状況。ただ、米国株が回復、上昇していることや、米国の経済指標の改善が明らかになれば、ドルは底堅い動きとなりそうだ。

経済指標は、国内では12日に6月の工作機械受注、15日に日本銀行の政策決定会合(16日まで)、16日に日銀の黒田東彦総裁会見などが予定されている。

海外では、13日に中国の6月の貿易収支、米国の6月の消費者物価指数、14日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、15日に中国の4~6月期GDP(国内総生産)、中国の6月の鉱工業生産と小売売上高、米国の6月の鉱工業生産と設備稼働率、16日に米国の6月の小売売上高などが予定されている。

(鷲尾香一)

2021/7/12 7:00

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