バレンシアガの「古着デニム風パンツ」、13万円超でも買う価値があるワケ
―[MBのヘビーユース108(心底惚れ込んで愛用しているアイテム)]―
◆93/108 TROMPE-L'OEILパンツ(BALENCIAGA)13万6400円
一見ヴィンテージ風のデニムに見えるこちらのパンツ、実はビスコースという柔らかな生地で作られたテロテロ素材。転写プリントによりデニムを再現しているだけの斬新なアイテムです。
一見デニムだけど、デニムでは実現できないスラックスのような綺麗なシルエット。シワやクッションが生まれにくいビスコース素材の特性。
◆芸能人、お金持ち御用達のバレンシアガ
なんてことない古着のデニムに見えるのに、脚のラインが綺麗に感じられる革新的なこちらのアイテムはBALENCIAGA(以下、バレンシアガ)。
バレンシアガと聞くと、芸能人やお金持ちが皆一様にかぶってるロゴ入りキャップやロゴ入りパーカーを連想されるでしょう。
「某広告代理店の手でも回ってるんじゃないか?」ってくらい、一時期はバレンシアガのロゴアイテムが市場を席巻しました。
◆着用するとわかる流麗なシルエット
そんなわけで「バレンシアガ=ロゴブランド」なイメージをお持ちの方も多いでしょうが、実はそうじゃない。
バレンシアガはもともと袖を通すと誰もが理解できるほど巧みなシルエット作りで名を馳せ、現代でもそれが継承されています。
「ロゴものなんてミーハーだから……」と抵抗を感じる人も、袖を通すと納得させられる、そんな力があるのがバレンシアガです。
◆「クチュール界の建築家」の二つ名
創業者であるクリストバル・バレンシアガは「クチュール界の建築家」と呼ばれ、レディースのシルエット作りに革命的な偉業を残した人物。
立体裁断をはじめとする巧みな縫製技術を持ち、ディオールとともにシルエット作りに高い評価を得ています。
◆シルエットや素材使いに秀でたバレンシアガ
今回のアイテムもシルエットに強いこだわりを感じる逸品。デニムの硬くゴツい素材感では落ち感のあるスラリとした脚長シルエットを作りにくい。
だからこそテロッとしたスラックス風の素材を採用し、「普通のデニムだけど、普通じゃない美シルエット」を作り上げたハイブリッドなアイテム。
ロゴブランドと揶揄されがちなバレンシアガですが、着用するとその魅力を否定できない。
「遊びすぎ」なデザインも多数存在しますが、案外シルエットや素材使いといったベーシックな部分にこそ強みがあるブランドです。
ぜひ偏見を捨てて試してみてください。
商品、衣装/すべて私物 撮影/林紘輝(商品) 岡戸雅樹(人物)
―[MBのヘビーユース108(心底惚れ込んで愛用しているアイテム)]―
【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』ほか関連書籍が累計100万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)