撮影現場から聞こえてくる業界用語「雪洲」、由来は名作「戦場にかける橋」にも出演した日本人俳優にあり?

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 世の中には役に立つ数々の“用語”があふれている。しかし時には、特に知らなくても問題はない用語を目にすることも。例えば今回紹介する「雪洲(せっしゅ)」「雪洲する」は、映画やテレビ・演劇に精通していると「アレのことだな」と何を意味するかパっと思い当たるかもしれない。

 結論から言えば、雪洲とは人の身長や物の高さをかさ上げするために使う“木箱”のこと。つまり「雪洲する」とは、木箱に人や物を乗せることを指す。ちなみに木箱は本来“箱馬・箱足・アップルボックス”などと呼ばれており、雪洲は業界用語として広まっているよう。
 そもそも、なぜ木箱のことを雪洲と呼ぶようになったのだろうか。実は由来を調べていくと、かつてハリウッドで活躍した一人の俳優にたどりつく。1958年に米アカデミー賞作品賞など7部門を制覇した「戦場にかける橋」の出演者・早川雪洲氏だ。第二次大戦下のタイとビルマ国境の捕虜収容所を舞台に日英両軍兵士の人間愛を描いた同作品で、早川氏もアカデミー賞助演男優賞ノミネートの快挙を成し遂げている。
 そんな日本を代表する名優も、海外の俳優に比べると身長が低かったことがネックになっていた可能性が。彼は共演女優との身長差を埋めるために踏み台を利用していたため、それがいつしかハリウッドで“セッシュ(雪洲)する”というスラングになったようだ。
 日本人俳優の名前がアメリカでスラング化し、やがて日本でも業界用語として浸透した「雪洲」「雪洲する」。“知らなくてもいい用語”とは言っても、語源を紐解けば奥深い歴史を垣間見れるのではないか。(フリーライター・井原亘)

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  • 7/10 12:00
  • BCN+R

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