人気声優・梶裕貴が大切にしていること「自分を肯定できる自分でありたい」

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 人気声優の梶裕貴さんが出演する『七つの大罪』の映画『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』が7月2日より全国公開中です。

 本作は『週刊少年マガジン』で約8年にわたって連載され、単行本は全41巻で完結。累計発行部数は3700万部を突破している大人気コミック「七つの大罪」の、シリーズ最後の物語となる劇場版です。

 先日、最終章となるTVアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』が最終回を迎え、“最終章のその先”を描くこの劇場版は、原作者・鈴木央が描き下ろした完全新作オリジナルストーリーです。

 完結を迎えたはずの彼らの物語が、壮大なスケールで再びスクリーンに登場することでも話題です。本作で梶さんは、メリオダスとゼルドリスという主要キャラクターを演じ分けています。公開を前に話を聞きました。

◆ゴールの先の“一番幸せな部分”を観られて嬉しい

――本作は原作者・鈴木央先生の描き下ろしのストーリーでしたが、最初の印象はどうでしたか?

梶裕貴(以下、梶):原作が完結、そしてテレビアニメも最終章という、とても寂しさが募っているなかで、また新たに劇場版を制作していただけるというのを知ったときは、シンプルにすごくうれしかったですね! 内容については、伏線の回収をはじめ、原作で気になっていた部分の補完がされていたりと、まるで元から製作が決まっていたかのような素晴らしい構成でした。さすが、央先生! 原作ファンの方にも、間違いなくスッキリしていただける内容になっているのではないかと思います。

――その劇場版で注目してほしいシーンはどこでしょうか?

:TVアニメの第一話のアフレコが始まるときに「これはメリオダスとエリザベスの愛の物語です」というお言葉をスタッフさんからいただき……すべてが終わった今、まさにその通りの本編だったなと感じています。そして本作では、幸せな結末という形で幕を閉じたその後の2人……ゴールの先の一番幸せな部分を観られたのが、何より嬉しかったですね。

――確かにファン注目の、いろいろな要素がありますよね。

:恋愛面だけでなく、家族愛、兄弟愛…メリオダスで言えば、弟・ゼルドリスとの関係性ですね。本作は、すれ違いから生まれてしまった因縁にようやくケリがついた、その先の物語。彼らの兄弟らしいやり取りを、きっと微笑ましくご覧いただけるのではないかと思います。僕自身の“演じがい”という意味でも、非常に大きいドラマでした。

◆役者としての変化は“人間としての変化”

――テレビアニメがスタートして7年が経ち、梶さんご自身も声優として活躍しつづけていますが、この7年間での変化はどう感じていますか?

:大きく変化していると思います。7年前の自分がどうであったかを具体的には思い出せないですが……(笑)。それはきっと日々、1日単位で変化し続けているからだと思うんですよね。声優は“心を扱う仕事”。なので、役者としての変化は、人間としての変化だと思うんです。極端に言うと、仕事以外のとき……たとえば休みの日であっても、生きているだけさまざまな人と出会い、観て、聴いて、考えるのですから。当然変化はしていくんだろうなと。

――具体的に何がというよりも、日々成長しているという意味ですよね。

:何年、何か月か経った時に……周りからすれば、もしかしたら同じような場所に戻ってきているように見えることもあるかもしれない。でもそれは決して、本人にとっては、まったく同じということはありえないと思うんです。人生という旅をするなかで、さまざまな経験を通して、さまざまな気持ちを抱きながら、ようやくたどり着いた場所。見える景色は絶対に違うと思うんですよね。

 ……まぁそもそも、その変化が良いものであったのか悪いものであったのか、それこそ誰にも決められはしないとも思うんですけれど。価値観は人それぞれ違うし、年齢や時代の中で変化していくものでしょうから。なので、たとえどんな結果になろうと後悔だけはしたくないんです。

 広い意味で言うと、結局は“自分は自分でしかない”んですよね。だからこそ得られたもの、出会えたものはあると思いますし、同時に失ってしまったものもあるとは思いますが…何より、そんな自分の選択を肯定できるような自分でありたいなと思います。そのためにも、ひとつひとつの物事について、キチンと考えて向き合っているつもりです。

◆「後悔してたまるか」というメンタリティー

――後悔なく進みたいという考え方は、何かきっかけがあったのでしょうか?

:それはおそらく、声優として色々な作品に触れていくなかで、自分以外の考え方をキャラクターと共有しているからかと。もちろん、現実世界での出会いも大きな要因です。仲良くなったり、ぶつかったりしながら、体験してみて初めて気づくことは沢山あると思います。

――今回、メリオダスの熱いセリフが出てくる兄弟のシーンがありますが、その“後悔しない考え方”に通じるものがありますね。

:たしかに。たぶんメリオダスだって同じだと思うんですよね。最初からベストな方法だけを選択できるわけではないですし、自分一人ではどうしようもないことも多々ありますから。でも、そこで生まれる「後悔してたまるか」というメンタリティーが大事で、だからこそ、それに挑み続けているメリオダスはかっこよく見えるんだと思うんです。

 特に物語の中盤以降、仲間たちに本音を話すようになり、叫んだり、涙したり、慟哭したりする、そんな姿が印象的でした。そういった"弱さ"が垣間見えたことで、より彼のことを好きになりましたね。不完全なものこそ人間らしいし、だからこそ惹かれるのではないかなと改めて感じています。

◆「この生き方をしてきてよかった」と思えたら幸せ

――彼のようにいろいろなことを経て、今の自分があるわけですよね。

:はい。僕自身、これからの自分がどうなっていくのかはわかりませんが、何事にも責任感をもって、しっかりと選んで、そして決めていきたいです。その先で、この生き方をしてきてよかったなと思えたら幸せですよね。

――改めて映画を待っている方へメッセージをお願いいたします。

:今の時期、みなさんと直接お会いすることはなかなか難しいかもしれないですが……メリオダスやゼルドリスとして、映画館のスクリーン越しに時間を共有することができて本当にうれしいです。ぜひ、感想をお待ちしています!

© 鈴木央・講談社/2021「劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち」製作委員会

<取材・文/トキタタカシ>

【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。

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