土屋太鳳・NAOTOを“肉の部位”に例えるなら?寺門ジモンが焼肉映画を初監督

 食通・焼肉王として知られるダチョウ倶楽部の寺門ジモンさんが、初監督を務めた『フード・ラック!食運』が公開中です。焼肉を通じて、親子の愛と人生の悲喜こもごもを描いた本作で、主演を務めたEXILE NAOTOさんと土屋太鳳さん、そして寺門監督の3人にインタビュー。

 撮影時のエピソードに始まり、「いただきます」が印象的な本作にちなみ、3人が好きな日本語について、NAOTOさんと土屋さんを肉の部位に例えるなら?など、伺いました。

◆美味しいお肉はノドの薬

――お肉を食べている姿が、本当に美味しそうでした。

NAOTO「本当に美味しいお肉を用意していただいていて、本当に美味しいんです」

寺門ジモン(以下、寺門)「『ご飯何杯もいける』」ってセリフが出てきてるけど、あれ本当だもんね」

土屋太鳳(以下、土屋)「噛んで飲み込むときには、もう消化してますから(笑)

寺門「とろけるお肉しか用意してないからね。ノドの薬みたいなお肉です。『美味しい~!』って美声が出ちゃう。でもNAOTOくんは大変だったかもね」

◆焼肉はタイミング、肉の声が聞こえる

――NAOTOさんは焼く担当ですからね。

NAOTO「厳しく点数をつけていただきました(苦笑)。プライベートでもご飯をご一緒させていただいていますが、この映画のクランクイン前にも、『俺の焼き方を見ろ!』という会を設けてくださったので、じっと見て、ビデオも撮って勉強しました」

――この座組で焼肉に?

寺門「行きましたよ。だから太鳳ちゃんも見てます。でも太鳳ちゃんにはガンガン焼かれても困りますから。あ、だけど、ね、NAOTOくん」

NAOTO「撮影期間中にいつも点数をいただいていて、30点、40点とだんだん少しずつ上がっていってたんです。最後のほうで『今の良かった、92点』と言ってもらえて、『やった! 92点出した!』って大喜びして終われたんです。打ち上げのとき、すごくいいお肉の差し入れがあって、太鳳ちゃんが焼いてくれてました。ジモンさんがパクっと食べて『96点!』って」

――あはは!

NAOTO「1回目であっさりと僕の歴史を追い抜かれました」

寺門「そんなこともありました。タイミングがあるからね。今回の作品でもね、映像をよ~く見ていてください。『今!』って肉の声が聞こえるときがありますから

◆現場にはいい緊張感が

――今回、ジモンさんは初監督ですが、とてもそうは見えません。

寺門「僕ね、映画マニアなんです! タランティーノ監督みたいに映画マニアで観てきてますから。今回の絵コンテも最初から全部頭にありましたからね」

土屋「ジモンさんは、本当にいい監督だと思います」

寺門「えー! なんで?」

土屋「映画の現場って緊張感がすごく大切で、優しい監督も素晴らしいと思うけど、優しさの中に、どこか『絶対いいものを撮る』という緊張感があると、こちらも勝手に察知してスイッチが入りやすくなるんです」

――ではジモンさんの現場には緊張感があるんですね。

NAOTO「あります」

ジモン「やりにくい追い込み感じゃないですよ。そういうのは大嫌いだから。やりやすい追い込み感って必要なんです。ダラっとしてしまうのが一番ダメ。でもそれはやってくれる役者さんだと思ったからね。演技を細かく現場で教える必要のある人はキャスティングしません。その時点で僕がイライラしちゃうから。『君、ここに来るまでに、もうちょっとやってくることがあったろ』って言いたくなる人には、もう来ないでくれってなります。だからそういう意味では厳しいのかもしれないね」

◆3人が好きな日本語

――本作でも感じましたが、日本語の「いただきます」というのは本当にステキな言葉だと思います。お三方が、好きな日本語があれば教えてください。

寺門「僕ね、“お”をつけるのって、かっこいいと思うんです。“お”にぎりとか。日本って、モノに対して敬意を払うところがあるでしょ。それってステキだし。“お”をつける言葉っていいなと思いますね」

NAOTO「僕は、ありがとうございますの漢字がすごく日本的だなと思って。有難いって、有ることが難しいって書きますよね。それくらい感謝しているというか、謙虚さが出ているというか、日本の魂みたいなものが、そこにも詰められているのかなって。以前EXILEのATSUSHIさんがおっしゃっていて、すごく心に残ってます」

土屋「頑張るって、苦しい言葉にも思えますが、顔が晴れるで、“顔晴る”でもガンバレと読めるというのを、以前、共演した俳優さんから教えていただきました。『太鳳ちゃん、ガンバルのは苦しくなることじゃないんだよ。顔が晴れると書いてガンバルとも読めるからね』って。その言葉が私には残っています」

◆NAOTOと土屋をお肉の部位に例えると?

――監督、おふたりをお肉の部位に例えると?

寺門「太鳳ちゃんはシャトーブリアンでしょうね。牛のなかで一番気品があって、一番繊細で柔らかくて、ヒレのなかで一番いいところ。NAOTOくんにはサーロイン。サーの称号をあげよう。もともとロインという場所にサーをつけたんです。牛の味を見るのなら、サーロイン。シャトーブリアンもサーロインも、それを買うために牛を買うという場所です」

NAOTO&土屋「ありがとうございます!」

――最後に、監督が本作でこだわったことを教えてください。

寺門「お肉を食べたいと思ってもらいたいのが絶対。『美味しい』というのは、人を幸せにするからね。観てくれる人も幸せになれるように作りたかった。それからもうひとつ、この映画の大きなテーマになっているのが家族愛。観終わって帰るときに、自分の大切な人に電話したいと思ってくれたらなと。『お袋元気か? いや、用事はないんだけど、また電話するよ』って。そんなことをちょっとでも思ってくれたら、映画を撮った価値があるなと思っています」

(C) 2020 松竹

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

2020/12/1 18:46

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