個性派女優・室井滋、“100歳の愛猫”との暮らしを語る「家族であり、相棒です」

 現在公開中の映画『大コメ騒動』に出演中の室井滋さん。映画のことやお父様との思い出を伺った、前回に続いてのインタビューです。

 今の時代に生きる女性たちへ、富山の“おかか”(女性)が頑張る本作公開へあわせたメッセージを最後に聞くとともに、今回は、猫好きの多い「女子SPA!」読者に向けて、コメディドラマ『やっぱり猫が好き』でも知られ、ご自身も猫好きの室井さんに、猫との関係を直撃。現在20歳になるという「タマちゃん」とのお話を聞きました。

◆私にとって猫は肉親。家族であり、相棒

――室井さんというと、特に私の世代は『やっぱり猫が好き』(1988年~1991年までフジテレビ系列で放送)が強く浮かびます。室井さんご自身も猫がお好きで飼われていますが、女子SPA!読者も猫好きがとても多いです。長い付き合いで、猫との関係性に変化はありますか?

室井滋さん(以下、室井)「この20年以上、ずっと猫を飼ってきましたが、6匹飼っていたのが、今最後の1匹になって、その子が20歳なんです。人間にするともう100歳。最後の子です。みんな長生きでしたし、亡くなっていくのは仕方のないことですが、私にとってはただ猫というよりは、どの子も肉親なんですよね。家族だったし、相棒だったし。ペットロスにはなっていないけれど、でも思わない日はないです。いまだに。離れた子たちのことをね」

――私も猫を飼っていますが、本当に家族ですね。

室井「家のなかにも今もいっぱい写真を飾ってありますし、お骨もずっとそばにあります。だから今も傍にいると思っています。犬は飼っていないから分からないけれど、それくらい猫って、本当に大きい存在ですね。動物って言葉を話さないし、もちろん人間とは違うスタンスで生きているけれど、感情はやっぱり同じだと思います」

◆私より猫のほうがこちらの気持ちを読み取っている

――言葉は分からなくても、感情は伝わってますよね。

室井「絶対伝わっているし、言葉も随分分かっていると思います。もう20歳にもなるとね(笑)。分かっているみたいですよ。“さしみ”って言うと飛んでくるし(笑)。全部知ってる感じです。不思議ですけど、目と目が合うと、私よりも向こうのほうがこちらの気持ちを読み取っているんじゃないかなということが随分あります。すごく助けられているなと思いますね。私、猫を飼うまでは生活が全然違っていて、昔、元祖おやじギャルみたいに言われたこともあって」

――おやじギャル、懐かしいです(笑)。

室井「そうでしょ(笑)。夜な夜な飲み歩いてたし、麻雀もやってたし、船の免許を取って海に出たりもしてました。そういうおやじギャル的な生活をしていた私が、猫と出会ったことで、こうしたきちっとした生活を、ともにするようになるなんて、そのころは全く考えられませんでしたね。おかげさまで、猫との20年間のおかげで、今こうして健康も保てていると思うし、きちんと自分自身を見られるような生活を出来ていると思います」

◆20歳を迎えた子に、色んな事を語りかけてます

――猫がいつも傍にいてくれるのは心強いですね。

室井「本当にそうです。若いころに飼っていたらまたニュアンスが違ったかもしれないけれど、だんだんと中年に入ってきたころに、そんな風にして寄り添ってくれる存在が傍にいたので、自分にとってとても大きかったですね」

――もともと6匹飼われていたとのことですが、何かの縁でまた新しい子に出会ってしまったらどうしますか?

室井「野良の子を、家に入れちゃおうかなと思うこともありますよ。でも今は20歳の子が頑張っていますからね。新しい子はストレスになるし、その子が旅立つまでは考えずにいます」

――そうですね。今の時間を大切にしたいですね。

室井「はい。ちょうどこんな風にしてコロナ禍に入って、家の中の時間がより貴重になってきていますが、20歳を迎えたその子と一緒にいられる時間がたっぷりあるので、今は色んなことを語りかけながら暮らしています

◆強い女性たちにエネルギーをもらえる作品

――ついつい何でも話しかけてしまいます。

室井「ありがたいですよね。この先、世の中がどんな風に進んでいくのか、誰にも分からない状態ですし、苦しんでいらっしゃる方もいっぱいいると思います。自分もどんな風に生きていくべきだろうと考えたりします。結果はなかなか出せないけれど、考えなきゃいけないなと。そんなとき隣にいてくれるのは嬉しいですね」

――ステキなお話をありがとうございました。室井さん出演の映画『大コメ騒動』が公開中です。最後にひと言いただけますか?

室井「30代、40代の女性が多く読まれていると聞きました。自分の稼ぎでステキな洋服を買ったり、好きなところへ旅行に行ったりといったことができる時期なのに、それができなくて、辛い思いをしている方も多いと思います。『大コメ騒動』の“おかか”たちは、貧しいながらも一致団結して、内面の充実を見せていきます。そうした強い女性たちの話が、作り話ではなくて、実際にあったんだと知っていただいて、少しでもみなさんの元気に繋げてもらえたら嬉しいなと思っています」

(C) 2021「大コメ騒動」製作委員会

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

2021/1/16 15:46

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