門脇麦&水原希子が結婚観を語る「べつにロマンスは感じない」

『ここは退屈迎えに来て』『アズミ・ハルコは行方不明』など、女性たちの心の機微をすくうことに長けた山内マリコさんの原作小説をベースにした映画『あのこは貴族』が公開中です。主人公の、東京で生まれ育った箱入り娘・華子を門脇麦さんが、やがて華子と出会うことになる、地方から上京し、もがきながら生きる美紀を水原希子さんが演じ、変化していく女性たちの姿を届けています。

 結婚を絶対の価値だと思っていた華子にちなんでのおふたりの結婚観や、自己肯定感について聞きました。結婚についてはふたりとも「憧れはない」と即答!

◆東京育ちと神戸育ち。東京への思い

――門脇さんは東京で育ったこと、水原さんは上京したことに関しては、演じた役柄と同じですね。

門脇麦さん(以下、門脇)「そうですね。東京に対しての憧れがないというのは、華子と一緒です。ただ私自身は色々なことを選択して生きてきた自覚があるので、そこは華子とは違いますね」

水原希子さん(以下、水原)「私は美紀の気持ちがすごく分かりました。中学1年くらいから雑誌でモデルをさせていただいていましたが、週末になると東京まで通っていました。神戸からすごく東京に出たかったので、美紀とはとても近いと思います」

――生まれは、実はおふたりともアメリカですよね。

門脇「ああ、そいえば」

水原「え! なにそれ、そうなの!? 早く言ってよ! どこ生まれ」

門脇「NY」

水原「NY! にゅ~よ~く。私テキサス、ダラス。あー、なんかやっぱりありますね。生まれへの意識ってね。NYとダラスだもん、やられました」

門脇「あはは」

◆自己肯定感は強いほう?

――華子は、結婚したことで初めて家を出て、そこからようやく自分というものを探し始めます。美紀はずっと自分の場所を探してもがいています。おふたり自身は、自己肯定感は強いほうですか?

門脇「強いほうです。パフォーマンスの精度に対する満足感は低いと思うのですが、頑張っているという事実に対してはいつも自分で褒め称えてます(笑)」

水原「えー、すごい」

門脇昔から悩むことがあったとしても、何に悩んでいるのか分析し、解決法を考えて実践するという感じです。解消できない問題もたくさんあるけど、それは現在の自分がどうあがいても解決できない事が多いので、悩んでも仕方がないことだと捉えて、解決できるときに改めて考えるようにする」

水原「すごい!」

門脇「すぐ自分のこと誉めちゃいます…。ちょっとしたことでも、たとえば夜に『食器洗うの面倒くさいな、疲れているしそのまま寝ちゃおうかな。でも頑張ろう、洗おう』となったら、『今の自分、超えらい! 明日の自分にめっちゃ感謝される!!』とか。(笑)」

――なるほど。小さなポジティブの積み重ねですね。いいですね。

水原「私はとにかく今できることを頑張って、やって、それでもできなかったり難しいことなら、そういうタイミングなんだなと思うようにしています。ケセラセラの精神です。あと、今になってですが、おしゃれをすることが、すごく自分の活力になっていることに気が付きました。

 落ち込んでいるときにキレイなお洋服を着たり、お化粧したりすると、自信が持てる。だからファッションが好きだったんだと最近気づきました。とにかく自分の好きなことをすることが、自分自身でいられる、強くいられる秘訣ですね

◆結婚しても別々の部屋がいい(門脇)、事実婚でもいい(水原)

――おふたり結婚願望は?

門脇「全然考えてないですね。憧れとか全くない」

水原「ほんと。1ミリたりとも。むしろ大変そう」

門脇「結婚するにしても家を別々に持っていたい」

水原「え、そうなの?」

門脇「単純に人と住みたくなくて。ていうか、たぶん住めない。万が一、一緒に住むことになるのなら、部屋は別に欲しいし、自分の部屋に冷蔵庫もテレビも欲しい。週イチくらいはおしゃべりしながらご飯とかもいいですけど、基本的にはひとりがいいです」

水原「やばいね(笑)。私は大好きな人とは一緒にいたいけど、結婚に別にロマンスは感じない。芸能人が結婚するたびにいちいちニュースになるのもすごく違和感があります。まだ人生これからだし、離婚とかするかもしれないし。結婚したことで、価値があがるみたいな感じがあるのがすごく変。私は事実婚でもいい」

――なるほど。確かに芸能人のみなさんは、いちいち発表されたりして大変ですよね。でも門脇さんに関しては、メロメロになっているニュースを見てみたい気もします。

水原「あはは、それは見てみたい」

門脇「あるかなぁ」

水原「あの話、なんだったの!?みたいなね(笑)」

◆もっといい自分が見つけられる

――最後に公開にあわせて読者にメッセージをお願いします。

門脇「生まれた環境だったり、こういう自分でいなきゃいけないとか、こう生きていくべきなのだと、自らを囲ってしまった人たちがたくさん出てくる物語です。もう少し自分をいい意味で諦めたり許してあげたり、そうした勇気を持ったり、人との出会いを重ねることで、もっといい自分が見つけられる、そう思える映画になっていたらいいなと思っています」

水原「全然違うところで生きてきた人たちだけれど、だからって壁を作るわけじゃなくて、分かり合える部分って絶対にあると思うんです。この映画には、人間の美しい部分が映っていると思うので、そこを感じていただけたら嬉しいです」

(C) 山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

2021/2/26 15:46

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