マッチングアプリが第4世代に進化。検索型はもう古い?あえて顔を非公開も
恋愛したい、結婚したい――。男女の思いはコロナ禍でも自粛不可なのか、恋活、婚活マーケットはよもやの進化を遂げていた。恋愛市場のリアルな最前線を総力取材でお届け! 今回はマッチングアプリ革命に注目。進化し続けるテクノロジーの第4世代とは?
◆検索型は古い? 写真型・特化型、新世代に迫る
巣ごもり需要の追い風を受けて、出会いのメインストリームに躍り出たマッチングアプリ。「’20年1~8月のPairsのダウンロード数が前年同期比2倍を達成」や「’20年のTinderの利用者数が、前年比約1.2倍に」とアプリの利用者数は増えている。
実際、「男性ばかりの職場での出会いはゼロ。同僚に『コロナ禍で孤独感を覚えている女性がアプリを利用しだした』と聞いて、今年から始めました」(39歳♂・建築)といった声も目立った。
◆第1世代は“検索型”
業界の潮流について、マッチングアプリ総合メディア「マッチアップ」編集長の伊藤早紀氏は解説する。
「マッチングアプリは、そのカラーによって世代ごとに分類されます。まず、条件検索によってターゲットを絞り込み、好みの女性とのマッチングを叶える“検索型”が第1世代。
長期間の自粛を強いられるコロナ禍では、『マッチングしてもデートができず、なかなか出会いに繫がらない』というユーザーの不満を解消すべく、ビデオデートや通話機能を搭載し始めたアプリが目立ちました」
◆“写真オンリー系”が第2世代、“デート直結型”の第3世代
時間をかけて自分好みの女性を探すことが性に合っている男性がいる一方で、「出会うまでのプロセスを極力省きたい」や「好みの容姿だけはなるべく外したくない」という層も一定数いる。そんな彼らの受け皿になっているのが、第2世代、第3世代と呼ばれるマッチングアプリだ。
「ランダムに表示される顔写真だけで異性を選んでいく“写真オンリー系”が第2世代。“デート直結型”の第3世代は、マッチング後のやり取りを省いて、すぐに食事やデートに移行するというもの。
アプリによっては、『AIが最適な女性とのマッチングを決定。さらにデートの時間と場所も指定』と、対面までのプロセスが早いのが特徴です」
無駄をそぎ落とし、出会いの結果にフォーカス。これがアプリ開発の流れのひとつと言える。
◆アプリ疲れが加速!新たな第4世代とは?
それとは対照的に今、マッチングアプリ業界に新しい波が来ようとしている。ゲームや読書といった趣味や価値観に寄せた“特化型”と呼ばれる第4世代が、それにあたる。こうした動きの背景を、伊藤氏はこう読み解く。
「圧倒的な会員数を誇る第1世代と第2世代が王道なのは変わりませんが、『目的が違う人との出会いがある』『メッセージがかみ合わない』など、徒労感を口にする人は少なくありません。
また、第1世代から第3世代に共通しているのは、年収、容姿、年齢など、スペックをベースにしてマッチングを図っている点です。
そうした条件ではこぼれ落ちてしまう男女をいかに取り入れられるかが、第4世代が定着するかの鍵になると見ています。あえて顔を非公開のままでマッチングしたり、出会いまで時間のかかるアプリも出てきています。彼らの心に訴求する“尖った個性”をいかに打ち出せるか。これに尽きます」
スペック勝負か、共感を誘うか。アプリが向かう先は二極化していると言えそうだ。
【「マッチアップ」編集長 伊藤早紀氏】
マッチングアプリのメディア「マッチアップ」編集長、結婚相談所も運営。これまで1000人超の男女にインタビューを行い、旬なマッチングアプリや婚活情報を配信する
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!7月6日発売号の特集「[出会い]の最前線」より
―[[出会い]の最前線]―