50歳貯金0円から始める節約・貯金術。最優先で削るべき3つの固定費とは

 厚生労働省の調べによれば50歳で「貯金0円世帯」は約37%に上る。このままでは老後破綻が必至な情勢だが、意外にも生き方一つで明るい老後を迎えられることが判明。50歳貯金0円男でも、幸せに老後を生き抜く方法を真剣に考えてみた!

◆節約・貯蓄をシステム化

「今、貯金0円でも、手取り給与の2割は貯蓄に回し、残ったお金で生活することは可能です」と頼もしい理論を語ってくれたのは、マネーコンサルタントの頼藤太希氏。

「貯蓄は『先取り貯蓄』をしてください。貯蓄用の口座をつくり、給与の入金日の翌日に月7万円など決まった額をメイン口座から自動振替すれば、先取り・自動貯蓄をシステム化できます。貯蓄残高が増えれば貯めるモチベーションにも繫がるので、目標金額の達成にも近づきます」

◆固定費の見直しで月数千円をカット

 貯蓄を行うには支出の削減が鍵だが、その際、最優先で削るべきは固定費だ。

「とくに削減しやすいのはスマホ代。大手キャリアから格安SIMのスマホに替えれば、月5000円程度減らせますから、3人家族なら1万5000円の節約。

 生命保険料も固定費なので、ライフステージの変化に応じた見直しは必須。子供が独立したら死亡保険はやめどきです。一世帯の生命保険料は平均して毎月2万円程度なので、月数千円減らせれば家計は大助かり。

 水道光熱費も、電気とガスのセット契約、アンペアを下げる、シャワーヘッドを節水タイプに替えて蛇口には節水コマを取りつける。これらで月数千円程度削減できるでしょう」

◆ふるさと納税&キャッシュレス決済で変動費を減らす

 固定費の次は、変動費だ。

「総務省の家計調査年報によると、50代の2人以上世帯の月の食費は8万円ほどですが、食費の割合は手取りの15〜20%前後にとどめたいところ。世帯年収が500万円の家庭の手取りを考えると、15%なら5万円程度。

 それ以上ならまずは外食を減らす、ふるさと納税を活用して食料を確保しましょう」

 そして、こうした支払いは、必ずクレジットカードやペイペイなどのキャッシュレス決済にする。1%程度のポイント還元があり、仮に月10万円に対して還元がつけば1000円が発生する。年間で1万2000円は少なくない。

◆年金受け取りを5年先送りして収入を増やす!

 ファイナンシャルプランナー・長尾義弘氏によれば、「バラ色の老後モデル」があるという。

「70歳まで年金受給を繰り下げ、それまでは夫婦で働くのです。65歳から69歳まで夫婦で働いて毎年330万円(夫250万円、妻80万円)を稼ぐだけで、世界はガラリと変わります」

 もし70歳まで繰り下げた場合、年金受給額も大きく変わる。

「年金は受給を1か月繰り下げるごとに本来の額の0.7%が増額され、最長70歳まで繰り下げが可能。その場合の増額率は42%に跳ね上がるんです。つまり、モデルの夫婦が65歳だと年間268万円だった年金が、70歳から受給すると381万円になるんです」

 今年4月からの法改正で、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務になり、国も70歳まで働くことを推奨している。

 人生100年を見越した老後資金は、定年後からでも十分用意できるのだ。

【マネーコンサルタント 頼藤太希氏】

Money&You代表取締役。外資系生命保険会社で資産運用リスク管理に従事し’15年に起業し現職。『1日5分でお金持ち』(クロスメディア・パブリッシング)など

【ファイナンシャルプランナー 長尾義弘氏】

出版社勤務を経て独立。'04年にFP2級を取得し、お金や保険についての情報を発信。『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)など著書多数

<取材・文/真島加代・沼澤典史(清談社)>

―[50歳[貯金0円男]の老後]―

2021/7/6 15:51

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