まぐまぐでゅー、じぇじぇじぇ、あたる…語源や意味を「方言専門家」が解説!

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」。6月27日(日)の放送では、方言の専門家で東京女子大学教授の篠崎晃一さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)小山薫堂、篠崎晃一さん、宇賀なつみ



千葉県出身の篠崎さんは、「(地元が)東京寄りなので、方言というほどのものはないので、逆に方言に憧れていますね」と言います。標準語(共通語)とは異なる言葉が、各地にたくさんあることに興味を持つようになり「徐々にのめり込んでいった」ときっかけを語ります。

篠崎さんが一番衝撃を受けた方言は、山形県の庄内地方に行ったときに耳にした「まぐまぐでゅー」。「二日酔いでムカムカしているときに、『あぁ、まぐまぐでゅー』って」と説明すると、宇賀は「えーっ、なにそれ(笑)。使いたい! 面白~い」と興味津々。

篠崎さんによると、その語源もわかったそうで「酔っ払ったときだけじゃなくて、いろいろやらなきゃいけないことがあるときに『頭がまぐまぐになる』と言っていたんですね。『まぐまぐ』は、擬態語なんですよ。目がぐるぐる回ることを江戸時代に『まくまく』と使っていたんです。

元は『まくまくという』なんです。東北ではカ行に濁音がついてガ行になって、さらに『田中という人が来た』は『田中っちゅう人が来た』にという言い方になるので、『まぐまぐでゅう』と変化したんです。語源がわかったときはやっぱり楽しいですよね」と笑顔をのぞかせます。

宇賀は、「そもそも、どうして方言ってあるんですか?」と質問。これに、篠崎さんは「1つには、ある集団ができると、そのなかだけで通じる言葉が生まれますよね。仲間意識を高めることもあって、そのなかで広がっていき、ほかとの違いが生まれるんです。あとは中央から言葉が広がっていって、それぞれの地域のなかで変化していくものもありますね」と解説。

さらに「昔は、都が近畿圏にあったので、そこに人が集まってくると『都ではこんな言葉を使っていた』と、自分の地域に広げていくんです。そうすると、石を水のなかに投げると波紋が広がるように、言葉がどんどん広がっていって、古い言葉が北と南に残る。そういう考え方があるんですね」と補足します。

篠崎さんいわく、方言は一般庶民の話し言葉で「文献のなかに出てくるのは、上流階級の人が使っている書き言葉なんですね。方言は、一般庶民の言葉が広まっていって、都に集まってきた人たちが交流をするなかで地方に拡散して、それが広がった地域のなかで、また変化していくということ」と説明します。

例えば、連続テレビ小説「あまちゃん」(NHK)をきっかけに流行した「じぇじぇじぇ」は、「京都で、室町時代くらいには驚いたときに『じゃ』と言っていたんです。それが広がっていって、岩手のなかで『じゃじゃじゃ』と使うところもあるし、ある地域では『じぇじぇじぇ』というふうに変わっていったんですね」と話します。

最近では、「だんだん年齢が下がってくると、目的や場面に応じて、方言と共通語を上手く使い分けてコミュニケーションをとることが多いような感じですね」と篠崎さん。東京都出身の宇賀は、方言があるのはうらやましいと言い、「お仕事のときはきれいにしゃべっているのに、素のときに方言が出ると“かわいい”というか、親しみを感じますよね」とうなずきます。


篠崎晃一さん著「東京のきつねが大阪でたぬきにばける 誤解されやすい方言小辞典」(三省堂)



ちなみに、東京にも方言はあるそうで「東京の人は方言だと気づいていないんですけど、物を片づけるときに『片す』なんてよく言いますよね。これは東京、首都圏の方言です。あるいは物が『落っこちる』や、高いところに『のせる』ではなく『のっける』とか。あれは共通語ではないですね」と言います。

また、最近新たに発掘した方言を尋ねると、篠崎さんが挙げたのは「あたる」という言葉。「大分県出身の学生が、携帯電話をいじることを、携帯を『あたる』と言っていまして。その学生だけの言い方なのかなと思っていたんですけど、大分県出身の若い子何人かに聞いてみたら、『それって方言なんですか?』って。どうやら、若い人だけの方言みたいですね。おじいちゃん、おばあちゃんには通じないかも」と篠崎さん。

一方で、消えていく方言もあるそうで、篠崎さんは「使う人がいなくなるんですね。山梨県の南アルプスの登山口に、奈良田という集落があるんですけど、それは早川という川の上流の奥にある集落で、一番近い集落と4キロくらい離れているんです。そこで暮らしている人は、深い沢に住んでいるということで、みんな『深沢』という名字なんです。

もともと奈良時代の女帝が病気の療養で訪れて、ついてきた人たちがそこで暮らすようになって。閉鎖性を保っていたために、その地域のなかだけで言葉が残ったり変化したので、室町時代の発音が残っているんです。ただ、もうそこで生活している人の数は減ってきているので、おそらくその方言の体系も消えていくと思います」と話していました。

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次回7月4日(日)の放送も、どうぞお楽しみに!

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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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