歌姫Coccoの直筆メッセージ、アートな筆跡からも「人生のヒント」がもらえる

 今までたくさんの芸能人や有名人の直筆が注目されてきましたが、最近Twitterで特に話題になっていた直筆が、歌手のCoccoさんのメッセージ。

 「最近はイジメや鬱の経験を告白すると

 大半の人に赦(ゆる)され、応援される時代になった。

 でもそれは告白するか否かを問わず 生きる上でもはや皆が抱えている問題だとも思う」

 から始まる6月7日に自身のTwitterで投稿された直筆は、胸に響く歌を歌うCoccoさんだからこそ書ける、慈愛に満ちたメッセージとともに、アートのような個性的な筆跡も相まって、「胸に刺さった」という声がSNS上に溢れました。

 そこで今回はメッセージの内容を見ながら、Coccoさんの筆跡から心理や性格を分析してみました。

◆生きづらさを「許す」メッセージに共感多数

 こちらがCoccoさんのTwitterで上がった直筆メッセージ。生きづらさを感じて落ちてしまう瞬間について、Coccoさんの言葉でつづっています。

「ふいに穴に落ちてしまうような感覚でストンッ。

 その時にあ、もうだめだって気づいて、そう言えたらラッキー。

 大丈夫だって自分を奮い立たせることにすっかり慣れちゃったけど、

『あ、もうだめだ』って、独り言でも、そう言えたらまた戻ってこられる気がする」

 「皆それぞれどうにか自分で戻るしかない」

 というCoccoの言葉に、「強いのも弱いのも全部自分。繰り返し読みます」、「手紙読んで引っ掛かってたものがわかったよ。いつもありがとう」と、気づきをくれたことや自身の今の状態から抜け出すヒントになったと、感謝の声が多く上がっていました。

 Coccoさんのメッセージで最も強く感じるのは「許し」。特に「あとはもう誰のせいでもなくてたぶんきっと生命力の問題。落ちてしまった人もそれを見ている人もどちらも自分を責めないで」という言葉は、生きづらさを抱える当事者と、それをサポートする、またはしたいと思っている人両方をいたわっています。

 コロナ禍という新しいスタイルを受け入れなければならない混沌(こんとん)とした時代を生きる人々にはもちろん、私たちが日々感じているさまざまな“しんどさ”に対して、「それでいいじゃん」と許してくれるやさしさがあります。

◆アーティスティックな筆跡にマイペースさが表れている

 Coccoさんの筆跡にも、マイペースさが表れています。字と字の間隔が広く、ポンポンと字を一つ一つ丁寧に置くように書いていて、自分の楽なペースで物事を進めているのが感じられます。

 また、字自体もハネが弱く、学校で「こう書きなさい」と習った字というよりも、感性のままに自由に筆を走らせたようなアーティスティックな筆跡。型にはめずに心のままに生きようとする気持ちが字に表れているようです。

◆未来を見すえた「大丈夫」寛容になって気付けること

 5月26日に投稿された、SNSについての考え方をつづった直筆メッセージも、グッときた人たちがたくさんいたようです。

 SNSに対して「理解して受け入れられるようになりたい」とつづるCoccoさん。さらにSNSが「自分や誰かを傷つけることがないように」と願いながら「もしもつかれたら勇気を持って休んでほしい」と伝えています。

 この言葉を受け、「タイムリーな呟きで涙がでます。ちょっと休めば大丈夫」、「休むことと、大切な人が誰かわかっていれば大丈夫というところに、すごく救われました」、「若い頃の自分に伝えたい。歳をとってから、わかる事いっぱいありますよね」と、考え方に共感する声が多く寄せられました。

 自分が好きな世界や居心地がいい環境に新しいものが入り込むと、人はどうしても恐怖や拒絶をしたくなります。でもその「異物」が本当に悪い影響を与えるものなのか、周囲が支えてくれれば受け入れられるのではないか、と疑うことも大切。寛容になることで新たな発見や進歩につながることもある、ということにCoccoさんのメッセージで気づかされます。

◆未来志向「大丈夫でありますように」

 このメッセージで目立つのは、字の流れ。右下に向かって字が流れています。

 文字の進行方向(横書きだと右下、縦書きだと左下)に字がずれていくのは、未来志向の傾向あり。過去にとらわれず楽観的で、楽しいことがあればすぐに飛びつき、長期間クヨクヨしにくい性格です。Coccoさんの未来への視点を知ると、「大丈夫」という言葉に深みを与えますよね。

◆無機質なSNSだからこそ手書きに温かみが

 Coccoさんのメッセージに対するコメントを見ていると、「手紙をもらったみたいでうれしい」といった声も見られました。たしかに、匿名で各々が言いたいことを言う、無機質な印象のSNSだからこそ、手書きのメッセージは温かみを感じますよね。

 直筆を公表すると、美文字がもてはやされる傾向がありますが、ポイントさえ押さえれば、ある程度は誰でも美しく字を書くことはできます。もちろん、人に読んでもらうには綺麗に越したことはないですが、自由に素直に、自分らしい字を書くことで気持ちが伝わることもあるもの。

 たまにはLINEやメールでなく、手紙でのコミュニケーションをすれば、より温かみを感じ、交流を深めることができるかもしれません。

<文/関由佳>

【関由佳】

筆跡アナリストで心理カウンセラー、カラーセラピストの資格も持つ。

芸能人の筆跡分析のコラムを執筆し、『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』(関西テレビ)などのテレビ出演も。

夫との死別経験から、現在グリーフ専門士の資格を習得中。

Twitter/ブログ

2021/7/3 15:46

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