人の手が作り出す炭酸煎餅の「美」【近藤サトのセンスがいいおすすめ手土産】

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日常を一変させたコロナ禍

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コロナ禍で人と人との接触を避けるための知恵は、はからずもかねてより問題になっていた人材不足や、更なる効率化を計るための技術を世界中で進歩させ、この一年、多くのメディアで紹介された。例えば、私たちの憩いの場だったレストランでは、A Iロボットが表情豊かに接客し、厨房では一流シェフのレシピをロボットが寸分の狂いもなく再現し、価格は仕入れ値や季節、曜日などあらゆるデータからA Iが弾き出した最適価格が提示されるという。

 

未知のウイルスを決して保持することのない安全なロボットが、心のこもった素晴らしいサービスを担う日はもうすぐそこまで来ているのだろうか。

 

 

というか、このコラムって素敵な手土産の紹介だよね、ちょっとなんの話?と思っている人、いますよね。そろそろ本題に入ります。

 

そもそも「手土産」とは

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「手土産」。

 

字の如く本来は手づから持参する心尽くしの贈り物のことであろう。大事なのはこの「手」という漢字。自ら携えて訪うというところに大きな価値がある。昨今はコロナ禍もあり、仲間内の集まりも減り、ましてや中元、歳暮を自分で届ける人などはほとんどいなくなってしまったようで寂しい限りだ。ちなみに私が子供の頃は、自宅に父の部下がきちんとした身なりで中元や歳暮を携えて訪ねてきてくださると、密かに父を誇らしく思ったものである。

 

「手づから」が風前の灯火となり、それどころか、A Iが全てをカバーしようとしている現代、手土産に求められるものは何だろう。私はその究極の一つが「手作り」だと思っている。

 

シンプルは信頼に値する

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有馬温泉名物として知られる「炭酸煎餅」。温泉街には、美味しい炭酸煎餅を焼くお店が何軒もあり、それぞれの味やデザインで観光客を楽しませている。

中でも私がお勧めするのは、三津森本舗の「手焼き炭酸煎餅」。温泉から湧き出る炭酸泉を利用して、明治末期から製造されている。原材料は小麦粉、砂糖、澱粉、塩、重曹というシンプルなもの。シンプルであればあるほど安心感が増すというもの。口に入れると、艶のある薄い煎餅がパリッと心地よく割れ、香ばしい香りと甘じょっぱい味が後を引く。一袋二枚入りなのだが、気がつくと三袋目なんてことも。

 

だが、やはり特筆すべきは「手焼き」。

 

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一枚一枚、間違いなく人の手で焼かれたことが分かる絶妙な不揃いさにキュンとする。

炭酸煎餅を焼く際、型にタネを流し入れて挟んで焼くのだが、丸い煎餅型からタネ液がはみ出る。そのはみ出て焼けたところをバリというらしいのだが、そのバリを一枚づつ形よく整うよう人の手で削っているのだ。炭酸煎餅の縁がいびつになっているのはそのせいだが、バリがほどよく残された煎餅の縁周りは、一枚として同じ形のものはなく、まさに暖かな「人の手」を感じる瞬間である。

 

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この美しい円周こそ、私が三津森本舗の手焼き炭酸煎餅を愛する理由なのだ。

 

ただいつか、手焼き炭酸煎餅さえもA Iがあたかも人の手で作られたかのように再現する日が来るかもしれない。やれるものならやってみろと思わなくもないが、やはり、今の素晴らしい手仕事が継承されることを願わずにはいられない。

 

 

近藤サトさんのおすすめ手土産

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有馬名産手焼き炭酸煎餅

「手焼きにしか出せない風味を守りたい」という思いから、今なお、毎日一枚一枚職人が手作業で焼いているため、一日で焼ける数は機械焼きの一割程度なのだそう。「いつ食べても変わらない味」が愛され続ける理由。16枚入(紙袋) 2枚入×8P 500 円など。

 

 

 

<執筆/手土産セレクト>近藤サト

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1968年岐阜県生まれ/日本大学芸術学部放送学科卒業。1991年4月、フジテレビ入社。報道番組や情報番組などのナレーションを担当。1998年9月、フジテレビ退社。フリーランスに転身後は、落ち着いた声質をいかしてNTV『有吉反省会』、CX『梅沢富美男のズバッと聞きます!』などのナレーションを中心に活躍。また母校である日本大学芸術学部の特任教授も務める。

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  • 6/30 10:00
  • OTONA SALONE

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