ライオンの目をよく見ると…絶妙なタイミングでシャッターを切るプロの凄ワザ

独自のサファリを運営し、アフリカの自然環境保護活動を行っている「Africa Geographic」は毎年、アフリカの自然を捉えた写真コンテストを開催している。そして今月25日、2021年の受賞作品をウェブサイトにて発表した。

優勝作品はボツワナ北部に位置するチョベ国立公園にて撮影された「目の中のハエ(Fly in the eye)」という写真だ。

撮影者のハネス・ロホナーさん(Hannes Lochner)はこのようにコメントしている。

「父ライオンは子ライオンに撫でられそうになっていて、不機嫌な様子でした。その瞬間を撮ろうとシャッターを切るとちょうど目の部分にハエが飛んできて、そこにピントが合ったんです。」

「尖っていない年季の入った歯から年老いたライオンのようですが、それでも恐るべき存在であることは確かです。このライオンは自分の周りを遊びまわっている子ライオンにちょっかいを出されることにうんざりしているようですね。」

今回のコンテストには25023枚もの応募があり、審査員らは優勝作品の選出にとても苦労したそうだ。

審査基準としてはストーリー性があり感情を呼び起こすか、アフリカの本質を捉えているかどうかで判断しているという。また撮影や写真の編集など技術的な部分も考慮されるそうだ。

ハネスさんの作品について、審査員は次のように評したという。

「この写真はたった1枚で素晴らしい写真となるための多くの基準を満たしています。適切なタイミングや予測、カメラの設置など様々な観点から見ても優れています。」

「編集も魅力的で、色やそのコントラストによって、ライオンのはっきりとした怒りが伝わる雰囲気を作り上げています。そして他の素晴らしい写真と同様に、ハエが良いタイミングでフレームに入るという運が大きな役割を果たしました。」

なお準優勝作品には、2作品が選ばれた。1つ目はボブ・チュウさん(Bob Chiu)が撮影した「母親の義務(A mother’s duty)」で、審査員は「非常にパワフルな写真で、不自然なほどに感動的です。アフリカの多くの女性が経験している苦難を捉えている一方で、彼女たちの強さも表現しています。イボイノシシの牙やライフル、ロープ、ベル、髪の毛など多彩なものにより、見事なショットに仕上がっています」と評価した。

準優勝の2つ目の作品はジェームズ・ギフォードさん(James Gifford)が撮影した「創造の火中で鍛える(Forged in the fires of creation)」で、審査員は「見るたびに新しい発見ができる作品です。撮影者が光についてよく理解し、カメラがどのようにそれを捉えるのかも心得ている巧みな写真です。サイに対する畏敬の念と前向きな気持ちを想起させるショットですね」とコメントしている。

この他にも高く評価された作品として、小鳥が滴る水を口にする瞬間を捉えた作品や密猟被害を受けているセンザンコウという哺乳類を捉えた写真などが多数ウェブサイトに掲載されている。

ちなみに来年も同じコンテストが開催される予定とのことだ。

画像は『Africa Geographic 2021年6月25日付「PHOTOGRAPHER OF THE YEAR 2021 WINNERS」((C)Hannes Lochner)((C)Bob Chiu)((C)James Gifford)((C)Geo Cloete)((C)Sam Turley)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2021/6/30 16:35

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