やぶへび!?愛妻家!?臨時収入を妻に渡した夫の心情に共感
我が家では、『宝くじはそれぞれのお小遣いで買う』という暗黙の夫婦のルールがあります。
裏を返せば、もし当選しても使い道は本人が決める、ということ。まだ当選したことがないので、このルールで夫婦関係がどうなってしまうのか…全く予想できません。
マスダヒロシさんは、人物の写真撮影を得意とするカメラマン。
柔らかい空気に包まれた写真で、最高の一瞬を撮影するのはもちろん、主役以外にもフォーカスしたり、撮影の裏話を織り交ぜて紹介することで、noteやInstagramでも人気となっています。
そんなマスダヒロシさんは、昨年noteのコンテストに応募したところ入賞し、賞金を手にしました。
その賞金の使い道について、妻とのやり取りをnoteに投稿していたので、一部を抜粋して紹介します。
ユニセフに寄付したいと彼女は言った。
ユニセフってどんなんだっけ?
「黒柳の徹子さんだよ」
のどぼとけから手を離した彼女は、堰を切ったように話し始めた。書体も太字に変わった。
「わたしさ、寄付とかそういうのはセレブしか出来んと思っとったんよ。庶民は出来んと思っとったんよ」
まあな。言わんとすることは分かるよ。我々庶民は自分のことで精いっぱいだ。
「だからいつかセレブになったら募金しようと思ってさ、今まではマクドナルドの募金付ハッピーセットとかちびちび買って10円募金してきたんよね」
あぁ、だからウチのハッピーセットは410円だったんだな。クーポン価格400円のはずだからおかしいと思ってたんだ。
「10円はドナルド・マクドナルド・ハウス財団に寄付されるんよ」
そうですか。
「でも気づいたんよ。こういうありがたいお金から少しでも寄付にまわせばセレブじゃなくても出来ることがあるんやなあって!夢が叶うなって!」
妻の目がキラキラしだした。僕は内心ぷるぷる震えだした。一番断りにくいやつ出してきやがった。
「ただ、今回の賞金はあなたのものだからね、だからもしOKしてくれるなら半分を寄付に回したいんやけど…だめかねえ?」
半分ってことは1万5千円か。
彼女はそのお金を自分には使わず、黒柳徹子に振りこもうとしている。
僕はそのお金でヴァイキングに変身出来るニットマスク(ひげ付き)を買おうとしている。
半分とは言わず、全額黒柳さんに振りこみなさい。妻に向きなおり、そう伝えた。彼女の顔がパッとあかるくなった。
「いいの!!??」
「いいよ」
ちっともよくないよ。
でも僕は、物欲と「良いダンナさんですね」と呼ばれたい欲と、その他もろもろ周囲から素敵と呼ばれそうなラインは総て押さえつつ石畳を駆け下りてくるような男だ。
「いいよいいよ」
マスダヒロシ ーより引用
賞金で欲しいものをいくつか候補に入れていたマスダさんに対して、ユニセフに寄付をするのが夢だった、という妻。
妻との話の中で、「こっちの話の流れはやばいぞ」と焦り、心が揺れるマスダさんの様子に共感できる人も多いのではないでしょうか。
結局、賞金は妻の希望通り、ユニセフに寄付をしたそう。
ほかにもマスダヒロシさんのnoteやInstagramには心温まる写真や、クスっと笑えるお話がたくさん投稿されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]