日本海が水風呂に!サウナで自然と一体になる新体験。沈む夕日や満天の星に囲まれた外気浴も
東京の温泉施設は若い客で溢れ、“空前のサウナブーム”といわれている。ブームをさらに加速させるかのごとく、新しいサウナも続々誕生している。そこで今回は「最高のサウナとは何か」を探るべく新施設を訪れた。みんなちがって、みんないい。自分に合ったサウナを見つけてほしい。
◆水風呂はなんと日本海!自然と一体になる新サウナ
薪がぱちりぱちりと音を立てるサウナ室。そこで十分蒸されたら、砂浜を駆けて海を目指す。そう、ここは日本海が水風呂なのだ。
「サウナ宝来洲(ホライズン)」は新潟の鯨波海水浴場にある。プロデューサーは、長野の野尻湖に名サウナ「The Sauna」を立ち上げて運営する“サウナビルダー”野田クラクションベベー氏。
アウトドア×サウナを推し進めるサウナ界のキーマンの一人である野田氏は小竹屋旅館と組み、同旅館の目の前にあるビーチにサウナを建てた。目玉はもちろん、海だ。
「旅館オーナーから“日本海を水風呂に”とお声がけいただき、実際に足を運んでみたら、このロケーションはいいなと。川や湖と違って海水は塩を含んでいるから体が浮きやすい。べたつきも気にならないし、むしろ塩サウナに入ったあとのように肌がぷるっとします。
以前、フィンランドのロンナ島にあるサウナでバルト海に飛び込んだことがあるのですが、その気持ちよさをここなら再現できると思ったんです」
◆サウナ室には大きな窓
サウナ室は座面を広く、大きな窓からは海が見えるよう設計されている。薪ストーブには石がこんもりと積まれ、水をかけると派手な音とともに蒸気が発生して体感温度は急上昇する。もう限界!と外に出て海に向かうのもいいが、「水シャワーを浴びて屋上で外気浴もおすすめです」と野田氏。
◆目の前には海と水平線
建物の横の階段を上ると、屋上にはリクライニングチェアが6台並ぶ。そこに体を預けて見上げると、空の広さとちっぽけな自分に気づく。
「目の前には海と水平線。そこに沈む夕日や、夜には満天の星を眺められる。僕が手がけるものは温浴施設ではなくて、アクティビティに近い。
砂浜を走ったり、海ではサップで浮かんだり、自然と一体になる体験ができる。それがアウトドアサウナの醍醐味です」
◆非日常を味わうサウナ
ブームでサウナは日常になった。対して今後は、こうした非日常を味わうサウナが増えていくのかもしれない。そうだ、自然に返ろう。
※海水温が高くなる7月5日~9月中旬は休業予定
【野田クラクションベベー氏】
サウナビルダー。「The Sauna」支配人。奈良県「ume,sauna」、北海道「THEGEEK」などプロデュース施設多数
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!6月29日発売号より
―[最高のサウナ]―