「人々の手助けをしたい」両腕がない6歳男児、警察官のパートナーに(米)

米ジョージア州グイネット郡ダルースに住むハリソン・ハンフリーズ君(Harrison Humphries、6)には生まれつき両腕がない。また脚の骨と腰部、腓骨、大腿骨がなく、医師は誕生後「この子は歩くこともできなければ、自分で食事をすることもできない。何もできませんよ」と冷たく突き放した。

しかし現在6歳のハリソン君は、医師の言葉を見事に裏切り自分の足で歩くことができる。また他の人が手を使って歯磨きをしたり、頭をとかしたり、着替えたりするところを足で器用にこなす。

そんなハリソン君の将来の夢は「警察署長か探偵になること」で、数か月前に警察官ロルフ・シーファーヘルドさん(Rolf Seiferheld)と出会ったことで、その気持ちは一層強くなった。

ハリソン君の母タラさんは「息子が街をパトロール中だったロルフさんに、『いつか警察官になりたい』と話したところ、彼は警察官に興味津々の息子にしっかりと向き合ってくれたのです。息子を見て怖がったり、ろくに話も聞かずそそくさと行ってしまう人が多い中、普通の子に接すると同じようにね」と当時と振り返り、「ハリソンはそれ以来、ロルフさんがパトロールにやってくる金曜の夜をとても楽しみにして待つようになったのです」と続けた。

実はロルフさん、金曜の夜になると少しだけハリソン君のために時間を作り、パトカーの運転席に座って膝の上にハリソン君を載せてみたり、『良い警察官になるためにはどうしたらよいか』などについて話したり、時には携帯する懐中電灯などのチェックをしており、未来の警察官と一緒に過ごす時間を大切にしているという。

タラさんは「息子はロルフさんを自分の“パートナー”だと思っているようですよ。ロルフさんのように人生の良き見本を示してくれるメンターがいてくれることで、息子はとても励まされているようです」と嬉しそうだ。

実はハリソン君が警察官になりたい理由は「人々がより良くなるように手助けをしたい」ためだそうで、ロルフさんも「私も同感だね」と相槌を打つと、このように述べた。

「人に優しくし、『自分がこうしてもらいたい』と思うように他の人に接することだ。そして人に敬意を示すこと。誰だってそれを受けるに値するからね。」

こんな頼もしいロルフさんにタラさんは「2人の関係はこれからも発展していくでしょうね。そんなパートナーシップこそ、私たちのコミュニティに必要なものですよ」と述べ、ロルフさんのことを「親切で、息子を敬ってくれる人」と称賛した。

ちなみに今年5月にはカナダで、前腕欠損の2歳女児が同じ病気の子犬と出会い話題となった。女児の母は「人と違っていても美しい」ということを娘に伝えたかったという。

画像は『11Alive 2021年6月1日付「Duluth police officer mentors 6-year-old who wants to be a cop」(Credit: 11Alive)』『InspireMore.com 2021年6月26日付「6-Yr-Old With No Arms Forms Sweetest Bond With Local Police Officer」(YouTube)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2021/6/29 6:00

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