あやなん炎上騒動でコムドットが自粛発表… 思い出されるウエストランドのパンチライン「芸人に品行方正を求めてくんなよ」
今回はコラムというか個人的な考えを書こうと思っているので、賛否両論あると思いますが何卒温かい目でご覧ください。
6月24日、人気YouTuber達に文春砲が発射された。
内容はというと、日本一有名な夫婦YouTuber【あやなん】の誕生会を緊急事態宣言下で盛大にしてしまったというもの。家で友達を集めて誕生会を行うならまだしも、緊急事態宣言下でアルコールの提供禁止、20時以降の店舗営業禁止という中、深夜3時まで飲食店でどんちゃん騒ぎをしていたというのだ。
さらに集まったメンバーも、あやなんに負けず劣らずの人気YouTuber達。そりゃ文春が放っておくわけがない。
僕はお酒を飲まないので、外で飲めないことがどれほど辛いのかわからないが、お酒好きにとっては相当フラストレーションが溜まっているだろう。そこに来てこのニュースとなると反感は相当だ。
他にも路上喫煙や立ち小便など、マナー違反の迷惑行為も報道された。
さすがYouTuber。YouTuberならではの騒動といったところだろう。以前のコラムでも述べたが、YouTuberは有名人的な一般人であって、芸能人ではないと考えている。
芸能人はある程度、色々な大人たちが手をかけ教育し、他人様に迷惑が掛からないように更生される。まれに更生できない芸能人もいるが、大抵は“プチ品行方正”くらいまでにはなる。
なので、このように路上喫煙や立ち小便などはしないはずだ。
だが侮れないのは、彼らの影響力だ。参加YouTuber達の登録者を合算したところ総数約2226万人だそうだ。
一昔前なら「動画を自粛します」で済みそうなものだが、今や下手したら芸能人より影響力がある彼らは芸能人さながら事務所に所属していたり、テレビのレギュラー番組を持っていたり、映画やCMが決まっていたりする可能性もある。
そう考えると被害は莫大なものになり、損害賠償〇億円という事態に発展しかねない。
2020年9月に豊胸&大麻吸引で炎上した”てんちむ”がいい例だ。
この中で一番年長と言っている登録者415万人の水溜まりボンドのトミーは、ヒカキン等と同じ東京2020オリンピックのコカ・コーラアンバサダーに就任しているらしい。
これはまずい。
もともと水溜まりボンドは芸人だったと聞いたことがあるが、芸人としてはそこまで大成していない。つまり先輩に指導されていないということになる。もし指導されていたらこんな事にはならなかったはず。
芸人の炎上は、身を亡ぼす事が多い。それは笑えなくなるからだ。それなので今、テレビに出ている芸人は笑える炎上はしたとしても、それ以外の部分は相当気を付けているはず。上記のような行為は誰一人しないだろう。
参加者の中で年長と言っている、水溜まりボンドのトミーの年齢は27歳。
40代の僕が振り返ると、20代後半なんて社会経験も乏しく成熟していない部分も残っている。ましてや若いころからYouTubeだけしかしてないないとなると尚更だ。他のメンバーはそれ以下の年齢という事になる。
しかし彼らの年収は世間一般の同世代の年収より遥かに高いはずだ。
一時、オワコンと言われていた水溜まりボンドですら、いまだに高額所得者だ。
一番遊びたい年頃に使いきれないほどの大金を手にし、周りからはチヤホヤされているものの、普段は映像の編集や撮影でほとんど家に缶詰めとなり、お金を使って遊ぶことも、チヤホヤを味わうことも出来ない状況下で久しぶりに飲んで騒げる機会があったらついつい少しだけという気持ちで参加してしまうのではないか。そして少しだけという気持ちは酔いと引き換えになくなり深夜3時になってしまったのでは、と予想する。
若さゆえの過ちなんて皆経験してるでしょ?
やってしまった事は許されないが、誘惑に負ける気持ちはわからなくもない。まあ僕は飲めないし、社交性が無いので呼ばれても行かないけど。
この報道を受け、少し前に紹介したコムドットというYouTuberが謝罪と共に、動画投稿を自粛すると発表した。
コムドットは自分たちでもブラック企業というほど働いて、どれだけ忙しくても毎日投稿を続けていた。それが彼らのモチベーションであり、ファン達の活力になっていた。
「まさかこんな形で毎日投稿が終わってしまうなんて……」と、ファン達も落胆の色を隠せない。
一つ疑問なのだが、動画投稿を自粛するというのはいったい何の意味があるのだろう?
この一件を不快に感じる人が、動画を見たら嫌な気持ちになるということなのだろうか?
それなら簡単だ。見るのを辞めたらいい。チャンネル登録を解除して、自分とは価値観が違う人達だったと自分の世界から排除すれば、二度と目に止まることは無い。自分の好みで見たいものが選べる時代だからこそ、出来ることだ。
単純な考えだが、投稿を自粛するという事は、今まで撮影や編集にかけていた時間が自由に使える時間に変わる。
これが一般企業で働く会社員だったら、減給や降格で収入に大ダメージをくらうだろう。しかしYouTuberは彼らが過去に生み出した動画が再生される限り、ある程度の収入は確保されているのだ。少しの間の自粛なんて有給休暇のようなもの。
それよりも毎日投稿を続け「この日からこの日までの広告収入は、全額募金します」のほうがよっぽど誠意を感じられる。
地味なスーツを着て謝罪動画をあげたり、コメントを発表して自粛をする彼らの中に、だれか社会にプラスになるような発想をする人はいないのだろうか。0から1を生み出している同業者として残念に思う。
何故かふと、M-1グランプリ2020決勝戦のウエストランドのセリフ
「そもそも芸人に品行方正を求めてくんなよ」
という言葉が頭をよぎった。
YouTuberという、ある意味芸人と同じような社会不適合者に、一般常識を求めてはいない。大きく道を踏み外し、社会にとって良くないことをしてしまった時は普通に謝るのではなく、枠から外れた者だからこそ出来る社会貢献をしてほしいと切に願う。