【Vol.6】強いものに立ち向かう、これこそダートグレード競走の魅力/宮川一朗太(俳優)

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【宮川一朗太(俳優)=コラム「地方競馬MY STYLE図鑑」】

 一頭の競走馬を何十人、あるいは何百人かで共有する「一口会員(通称、一口馬主)」をやっていると、ひとつ勝つことがどれだけ大変か、嫌と言うほど思い知らされる。育成段階での頓挫、アクシデント、気性難、無事デビューにこぎつけても手強いライバルや思い通りに行かない展開に翻弄されるのだ。

 それだけに、ついに1勝を挙げた時の喜びはそりゃあもう大きいなんてもんじゃない。よく頑張った、よくぞ勝ってくれた。陣営と愛馬に称賛を惜しまない瞬間である。

 が、人間の欲望には底がない。1つ勝てば2つ、2つ勝てば3つ、4つ…いやいつかは重賞だって勝てるはず!遠い空を見つめながら夢を見てしまうのだ。重賞…何と素晴らしい響きだろうか。

 日本では現在、外国馬も出走可能な国際格付けのある重賞競走をGI、GII、GIII、国際格付けのないものをJpnI、JpnII、JpnIIIと表記するが、Jpnも「ジェイピーエヌ」ではなく「ジー」と読むので非常に紛らわしい(笑)。地方競馬のダート重賞では東京大賞典がGI、それ以外のGI級レースはすべてJpnIである(ただしこれ以降は便宜上、Gで統一させていただく)。

 当たり前だが賞金はGIII<GII<GIの順で格段に高くなるわけで、できるならもちろんGIを狙いたい。が、当然相手も鬼のように強くなる。タフで筋肉ムキムキでキャリアも豊富、まさに歴戦の雄といった強豪がずらりと並ぶのだ。ちょっとやそっとの実力ではとても敵わない……いや実は、そんな僕にもダートGI制覇を夢見た一瞬があった。もう7年も前の話だが。

 一口出資していたゴールスキーが7歳にしてGIIIの根岸Sを勝ち、挑んだ2014年のGIかしわ記念。当初補欠の1番手だったのが、出走回避が出てまさに滑り込み出走。これは勝つ流れなのでは!?と期待したのだが…やはり頂上決戦。そんなに甘いものではなかった。しかし積極的に逃げてコパノリッキーの4着。いや道中はホントにドキドキしたなぁ。

 ダートの交流重賞というとJRA勢の独壇場、みたいなイメージがあるが、いやいや、地方馬だって頑張ってる。古くはアブクマポーロ、メイセイオペラ。僕が大井によく行っていた頃はアジュディミツオーやフリオーソが本当に強かった。また2010年の南部杯ではグランシュヴァリエが3着に入って3連単130万馬券と、人気のない地方馬が大穴を開け…知人がこの馬券を取ったと大興奮していたのをよく覚えている(笑)。

 “出資者”として挑戦するのも楽しみなら、地方競馬から名馬が誕生する瞬間に立ち会えるのも楽しみ。僕にとってダートグレード競走は、いろんな切り口から極上を味わえる、まさに競馬の醍醐味なのだ。

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  • 6/24 12:01
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