6月22日、23日の2日間、横浜アリーナにて乃木坂46松村沙友理の卒業コンサートが開催された。当ライブは有観客として各日5,000人を動員、また23日に関しては生配信も行われた。乃木坂46の有観客ライブは、昨年12月に日本武道館で開催された「乃木坂46アンダーライブ2021」以来、約6ヶ月振りとなる。

乃木坂46のライブでは定番となる「Overture」を松村沙友理本人が鼻歌で披露するVTRで幕を開けた。

今回の卒業コンサートは、松村沙友理が率いる通称“さゆりんご軍団”のライブと、乃木坂46メンバーで開催する卒業コンサートの2部制で構成。既にグループを卒業している中田花奈、伊藤かりん、佐々木琴子の3名が久しぶりにオンステージすると、松村沙友理、寺田蘭世を含む5名で、まずは“さゆりんご軍団”のライブがスタート。音源化されていない幻となった楽曲や、乃木坂46の楽曲の歌詞を変えたいわゆる「かえ歌」の楽曲も披露。ユーモアたっぷりの表現力で、ラストライブとはいえど、会場を和やかな雰囲気に包み込んだ。

そして一旦休憩を挟み、松村沙友理の卒業コンサートへ。

オープニングは最新シングル『ごめんねFingers crossed』のC/W曲として収録された松村沙友理ソロ『さ～ゆ～Ready？』から幕開け。その後、『ガールズルール』『夏のFree＆Easy』『ロマンスのスタート』と、アッパーな曲を立て続けに披露、もちろんセンターは松村沙友理だ。

その後、松村沙友理と生田絵梨花によるユニット“からあげ姉妹”コーナーでは、2月に配信限定シングルとしてリリースした『１・２・３』を初披露するなど、松村ワールド全開のステージに染め上げた。そして本編ラストは、昨年グループを卒業した白石麻衣センター曲『シンクロニシティ』を松村がセンターを務め、惜しまれつつも本編が終了。

アンコール前のMCで松村沙友理は、「この10年間の中で、まずは家族に感謝しています。大阪から上京して東京で辛い事があっても、いつも私の背中を押してくれたのは両親でした。自慢の娘になれていたら本当に嬉しいです。そしてファンの皆さん、私の10年間はどうでしたか？辛い事があってもアイドルを辞めずに続けられたのはファンの皆さんのおかげです。最近はファンの皆さんとオンラインという形でお話しをさせて頂いていますが、改めてかけがえのない存在だと感じました。」と涙ながらにコメントした。

共に乃木坂46の“御三家”と言われた橋本奈々未の卒業シングル『サヨナラの意味』からアンコールはスタートし、卒業コンサートのオープニングナンバーとなった『さ～ゆ～Ready？』が最後にもう一度流れ、会場を一周しながら各メンバーから花束が贈られ、ラストコンサートは遂に幕を閉じた。

乃木坂46は通算27作品のシングルをリリースしているが、全作品に選抜メンバー入りし、さらにその中の22作品は、フロントメンバーの称号でもある“福神メンバー”としてグループを牽引してきた松村沙友理。

茶目っ気いっぱいの一面がありながらも、女性誌『CanCam』の専属モデルもこなす松村は、乃木坂46としては異色なメンバーのように思えたが、自分の世界観をしっかりと持ち、さらに表現力も豊かで、グループには数少ない逸材であった。今後はソロのタレントとしてマルチに活躍してくれる事を願ってやまない。

松村といえば『乃木坂工事中』でのバナナマン日村への狂気の愛や、注文した韓国料理タッカンマリが時間内に来ず、「タッカンマリが来ない…」と、半べそをかきながら悔しがる動画が思い出される。また、ニコニコ生放送『生のアイドルが好き』を、中田花奈とともに初回からMCを務め（中田卒業後は田村真佑）、ゲストアイドルのおしりをタッチして占う“おしり占い”を嬉々としてやっていたあの笑顔が忘れられない。これからもあの独特な感性で活躍してほしい。活動としては、卒業記念写真集『次、いつ会える？』（マガジンハウス）の発売日である7月13日を以って終了となる。 乃木坂46としての10年間、ほんとうにおつかれさまでしたと申し上げたい。

■乃木坂46「さ～ゆ～Ready？ さゆりんご軍団ライブ / 松村沙友理 卒業コンサート」

2021年6月23日（木）＠横浜アリーナ

＜さゆりんご軍団ライブ＞

M1：「ぐんぐん軍団」（2018年「第３回 乃木坂46時間TV」にて初披露 未商品化）

M2：「白米様」（2016年15thシングル「裸足でSummer」C/W曲）

M3：「さゆりんごが咲く頃」（2016年「第2回 乃木坂46時間TV」にて初披露 未商品化）

M4：「何度目の軍団か？」（2016年「第2回 乃木坂46時間TV」にて初披露 未商品化）

M5：「ライス！」（2019年「7th YEAR BIRTHDAY LIVE」の開演前にMVをビジョンで初披露 未商品化）

M6：「りんごのパクリから」（2018年 配信番組「のぎ天」にて初公開 未商品化）

M7：「大嫌いなはずだった。」（2016年 映画「好きになるその瞬間を。～告白実行委員会～」エンディングテーマ。Honey Works meets さゆりんご軍団＋真夏さんリスペクト軍団名義　配信限定Sg）

M8：「働き方改革」（2019年「7th YEAR BIRTHDAY LIVE」の開演前にMVをビジョンで初披露 未商品化）

M9：「さゆりんご募集中」（2019年4thアルバム「今が思い出になるまで」収録曲）

＜松村沙友理 卒業コンサート＞

M1：さ～ゆ～Ready？

M2：ガールズルール

M3：夏のFree＆Easy

M4：ロマンスのスタート

M5：ごめんねFingers crossed

M6：でこぴん

M7：今、話したい誰かがいる

M8：無表情

M9：１・２・３

M10：やさしさとは

M11：急斜面

M12：泣いたっていいじゃないか？

M13：ひと夏の長さより…

M14：シンクロニシティ

（本編終了）

EN1：サヨナラの意味

EN2：悲しみの忘れ方

EN3：さ～ゆ～Ready？