無敵のボクサー・井上尚弥が防衛戦に見せる気合い「判定までいっちゃダメ」

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◆無敵の“モンスター”が6年間無敗“最強挑戦者”との防衛戦に挑む!

 その爽やかなルックスとは対照的に、攻守に隙がなく、パンチ力とスピード、多彩なテクニックを駆使して相手を圧倒する完璧なボクシングスタイルから「モンスター」の異名を取るWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(28歳、大橋ジム)。

 いまや世界中のボクシング関係者から高い評価を受け、その動向が注視されるボクサーの一人となった井上のWBA5度目、IBF3度目となる防衛戦が、6月19日(日本時間20日)に迫っている。

 対戦相手となるのはIBFが“最強挑戦者”と推すマイケル・ダスマリナス(28歳、フィリピン)。

 過去33戦30勝(20KO)1分け2敗の長身のサウスポーは、過去にマイナー王座のIBO(国際ボクシング機構)でチャンピオンになったほか、’19年末には井上の弟・拓真のスパーリングパートナーを務めたこともある実力者。左のパンチ力には定評があり、’14年12月以降は6年以上負けていないなど簡単な試合にはならないかもしれない。

◆2度目の聖地ラスベガス。有観客でのテンションは?

 会場となるのは米ネバダ州ラスベガスのヴァージン・ホテルズ。井上にとっては昨年10月のマロニー戦以来、2度目の聖地ラスベガスでの決戦となるが、無観客だった前回とは違い今回は有観客での開催となるもようだ。

「お客さんの前でやれる、というのは気持ちが高まりますね。日本とラスベガスでは盛り上がりにどんな違いがあるかはイメージできないですが、無観客だった前回とは雰囲気は変わると思います。もちろん、その熱で自分のテンションがどう変わるかは未知ですが」

 対戦相手の研究も万全のようだ。

「ダスマリナスはリーチがあり、右フックを大きく振ってくる。もっと攻撃的にゴリゴリ来るかと思ったけど、映像を見た限りでは意外と足を使ってくる印象です。でも、サウスポーだからってやりにくさはない。(前回の防衛戦で対戦した)マロニーと比べれば穴があるし、右でも左でもパンチが当たれば倒せる感覚はあります」

◆「判定までいっちゃダメだと思っています(笑)」

 ’14年4月、当時国内最速のプロ6戦目でライトフライ級(体重約48~49㎏)の世界王座を奪取してから7年。いまでは階級も3つ上がり、バンタム級(同52~53㎏)となったが、このクラスでも5連勝と向かうところ敵なし。

「(バンタム級が)一番フィットしていると思います。この7年で精神的にもそうですが、技術やメンタルが成長してきて、それがいまの階級で生きている気がします。今回は内容も問われる一戦なので、一方的な内容じゃないと次に繫がらない。自分でハードルを上げちゃいますが、判定までいっちゃダメだと思っています(笑)」

◆バンタム級で一番強いことを証明したい

 すでにWBAスーパーとIBFの2冠を保持する井上が、ダスマリナス戦をクリアした後に狙うのは、WBO(世界ボクシング機構)とWBC(世界ボクシング評議会)王者との統一戦。29歳となる来年にも「(主要)4団体の王者を統一してバンタム級で一番強いことを証明したい」との気持ちを明かす。

 昨年はコロナ禍の影響で1試合しか行えず、8か月ぶりの実戦となる。聖地ラスベガスのボクシングファンの前で、モンスター井上がどんな戦いを見せるか、注目だ。

【井上尚弥】
’93年、神奈川県生まれ。プロ6戦目で世界王者に輝くと、8戦目で2階級制覇を果たすなど、これまで20戦全勝(17KO)と圧倒的な強さで王座に君臨。現WBA世界スーパーバンタム級王者、現IBF世界バンタム級王者

<取材・文/栗原正夫>


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  • 日刊SPA!

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