ハマ・オカモトが「waltz」店主とカセットテープカルチャーを紹介!「THE TRAD」新コーナーがスタート
架空のレコード店を舞台に、「上質な音楽を、じっくり味わう。」をコンセプトにお届けするTOKYO FMの番組「THE TRAD」。5月~9月の毎週最終水曜に、カセットテープカルチャーを紹介する新コーナー「カセット×トラッド」をお届けします。水曜パーソナリティ(「THE TRAD」副店長)をつとめるハマ・オカモト(OKAMOTO'S)とアシスタント・中川絵美里が、東京・中目黒にあるカセットテープ専門店「Waltz」店主・角田太郎さんをゲストに迎え、カセットテープの音、歴史、最新シーンなど、あらゆる面から、カセットの魅力を紹介していきます。5月26日(水)の放送では、カナダのレーベル「Inner Ocean Records」とコラボしたカセットなどを紹介しました。
(左から)ハマ・オカモト、角田太郎さん、中川絵美里
◆さまざまなジャンルのカセット楽曲を紹介するコーナーがスタート!
世界的に有名な中目黒のカセットテープ専門店「waltz」の店主・角田太郎さんがおすすめのカセットを紹介する「カセット×TRAD」。初回となる今回は、コーナーが設立した経緯をハマと中川が説明しました。
中川:4月のTOKYO FMのキャンペーンの一環で「TOKYO ミュージック・マイスター」というコーナーを実施しました。東京の街で音楽を発信している、さまざまなお店やライブハウスなどに、たくさんのお話を伺いましたよね。
ハマ:そうですね。そのなかで中目黒のカセットテープ専門店「waltz」の店主・角田さんに来ていただき、カセットテープの音源をオンエアしたところ、反応がすごくよくて。それならば、“いっそレギュラーコーナーにしちゃおう!”ということになりました。このコーナーは、5月から月1でやっていこうと思います!
――角田さんは今回、4本のカセットテープを紹介しました。
1:Philip Shibata「Drifting (feat. Lauren Horii)」
角田:Shibataという名前から想像がつくように、日本国籍のシンガーソングライターです。カナダで生まれて、思春期は日本で過ごした方ですね。現在はイギリスのマンチェスターを活動の拠点にしています。
ハマ:どうやってカセットを見つけるんですか?
角田:実は、彼が自ら「カセットを出すので販売してほしい」と店に連絡してくれました。
ハマ:なるほど!
角田:メールは日本語だったのですが、文体がネイティブではないな、と思ったので英語でやりとりをしました。彼はJ-POPやシティ・ポップの影響を受けている、今の時代のシンガーソングライターです。それに加えてネオ・ソウルやジャズ、ヒップホップの影響も受けていて、それらがやわらかく絡み合った音楽を作っています。
ハマ:面白いなあ。
中川:活動期間は長いのですか?
角田:2、3年ぐらいだと思います。デジタルで楽曲を出したのち、カセットでの制作資金をクラウドファンディングで募ったそうです。
ハマ:そして、その出来上がったカセットを「waltz」に置いてほしいという連絡があったわけですね。
2:Squid「Narrator ft. Martha Skye Murphy」
角田:Squid(スクイッド)はイギリスのブライトンのバンドです。ちなみに2021年は、“UKロックが面白い”って言われている年なんです。そのなかでも多くの新人バンドが台頭してきているのですが、みんなポストパンクと呼ばれるジャンルの洗礼を受けているんです。
1970年代後半から1980年代前半の、パンクムーブメント以降に出てきたニューウェーブ系のバンドサウンドです。その音を踏襲している人たちがいっぱい出てきているのですが、そのシーンの中心的存在としてSquidは注目を集めています。
ハマ:じゃあ、その辺の音楽を注目している人からしたら、“Squidは外せないでしょ!”と。5人組のバンドなんですね。
角田:UKロックが流行った1990年代って、いろんなムーブメントがあったじゃないですか。そこからいろんな若手が出てきたのですが、ここ20年ぐらいは、そういった目新しいシーンって生まれていないんです。それが今年に入って、新たに生まれてきそうだということで、現在UKロックはすごく元気です。
ハマ:流行る周期がやってきたんでしょうね。もともと、イギリスで音楽がすごく生まれるじゃないですか。その流れが今、来ているっていうのはワクワクしますね。
3:Yutaka Hirasaka「Dear Salinger」
角田:カナダにある「Inner Ocean Records」というレーベルと、うちの店がコラボレーションして「Gradients」というカセットテープを出しました。色調のグラデーションを意味するタイトルなんですけども、音を段階的に変化させて表現するコンセプトで、アンビエントな楽曲を集めたアルバムになります。今回紹介するのは、そのなかの1曲です。
ハマ:なるほど。レーベルとコラボレーションもされているんですね。
角田:たまにやっています。
ハマ:レーベルと「こういうのを入れよう」って相談するんですか?
角田:そうですね。
ハマ:ちなみに、Yutaka Hirasakaさんは日本にお住まいの方ですか?
角田:神奈川県にお住まいのギタリストの方です。
――楽曲のオンエア中、SNSには「癒される……」という感想も。
中川:神秘的な感じがして素敵でした。
ハマ:アンビエントのコンピレーションなんですね。今日はいろんなジャンルの音楽が聴けていいですね。
角田:いろんなジャンルのカセットカルチャーがあるので、アンビエント系もすごく多いです。
4:Queen Naija「Pack Lite」
角田:Queen Naija(クイーン・ナイジャ)はアメリカのR&Bシンガーで、「ソーシャルメディア世代で最初のソウル・スター」と呼ばれています。InstagramやYouTubeで莫大なフォロワーを築いており、ストリーミングでは累計17億回再生を獲得している、というサクセスストーリーを引っさげてデビューしました。なので、もともとストリーミングから火がついて、フィジカルリリースに至っていると。
ハマ:出た、そのパターン!
中川:(笑)。
角田:去年にデジタルとCDでアルバムが発売されたんですけど、今年に入ってレコードとカセットで作品がリリースされました。
――楽曲のオンエア後、ハマはカセットでリリースされる楽曲の印象について語りました。
ハマ:聴いてくれているリスナーにとって、この手の音楽がカセットで出ていることってあまり浸透していないと思うんですよね。
角田:そうだと思います。
ハマ:これから月1でこのコーナーをやりますが、いろんなジャンルのカセットを知ることができそうですね。ここまで音楽の幅があることは、僕も知らなかったし。
中川:勉強になりますね。
ハマ:カセットの見た目もすごくいいんですよ。物として手に取りたい魅力があります。月1の企画ですが、みなさん楽しみにしていてください!
次回の「カセット×トラッド」の放送は、6月30日(水)です。お楽しみに!
<番組概要>
番組名:THE TRAD
放送日時:毎週月~木曜15:00~16:50
パーソナリティ:稲垣吾郎(月・火)、ハマ・オカモト(水・木)
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/trad/