『着飾る恋』“駿”横浜流星の不器用すぎる愛情表現、引き立たせた“シャチ”向井理の優しさ

川口春奈演じる真柴がInstagramの炎上によって、仕事で窮地に立たされてしまった『着飾る恋には理由があって』(TBS系)第9話。駿(横浜流星)が弱っている真柴に厳しい言葉しかかけられずすれ違ってしまった一方、葉山(向井理)はラストで泣き出した真柴を優しく抱きしめ、その2人をメインに星野源の主題歌『不思議』が流れたことで駿との“おいげん”争奪戦に完全勝利した。SNSでは「駿くんは真柴に逃げ場を与えてほしかった」「ただ寄り添ってくれるシャチ(葉山)の優しさがしみる」「社長が素敵すぎて言葉にならない」などと対照的な2人の対応に多くの反響が。不器用すぎる駿の愛情が葉山を引き立たせてしまった形になったが、ここでは駿の愛情表現を振り返ってみたい。

駿は食事に一緒に行けなかった翌朝に真柴への土下座から始まり、ガーデンスペースでは朝食をふるまったりとテンション高め。ひざまづいて携帯を持ったことを告げ、真柴は不在着信が駿だったと知って笑顔に。さらに行けなかったディナーの写真を真柴が見せると、葉山といたときも自分を思ってくれていたと知って駿は優しくバックハグをする。思いを確かめ合えた2人は、思えばこのときが一番幸せだった。

その後真柴がInstagramに投稿したバッグのデザイナーが盗作騒動を起こしていると分かり、炎上することになる。

駿は真柴を励まそうとサプライズで家飲みを企画して料理を振舞ったり、翌日、店舗勤務することになった真柴が家を出ようとすると、駿はパワーを送るような仕草で「ファイト!」と励ます。一生懸命に愛情を表現する駿が微笑ましいし、笑顔の真柴もうれしかったと思うが、元気な姿を見せようと無理をしていたのかもしれない。

ここから、攻めの愛情を見せていた駿と静かに見守っていた葉山の立場が逆転していく。

店舗勤務する真柴の様子を見に来た葉山に、真柴は「反省してます。どこかで調子に乗っていたんだと思います…」とふと弱音を。葉山は「毎日一生懸命、おしゃれした真柴のインスタは、そばで見ていて楽しかったよ」「真柴は間違ってない」と言葉をかけ、真柴は涙をこらえながらも救われた思いになる。だれにも言えなかったことを言えたのが葉山だった。

そんな中、駿は真柴と約束していた渓流釣りへ。道中の車内でも、釣りをしていても終始楽しそうな2人。ご飯を食べることになって駿のカレーに加えてポテトのアリオリも出されて真柴も「約束通り。ちゃんと覚えててくれたんだね」とうれしそう。そこで一歩踏み込んだ駿が北海道で店を出さないかと誘われて迷っていると告白する。「まずは、マメシバ真柴さんに…くるみに、ちゃんと話したくて」と言うと、駿の真摯な姿に真柴は「私も一緒に行きたい」「藤野さん、駿と一緒にいたい。なんてね」と思わず弱い部分を見せる。

しかし、駿は葉山とは違った。

「今、仕事が辛いからって逃げるな。ちゃんと現実と向き合ったほうがいいと思う」

この言葉にショックを受けた真柴に駿は「じゃあ何て言えばよかった?」と追い打ちをかける。真柴は「辞めてもいいよとか、無理するなとか…」と言うが、駿は「そんな無責任なことは言えない」と誠実ながらも厳しく答える。追い打ちをかけるように「今、こんな感じで一緒にいてもダメになる」と言うと、真柴は突然一人で帰ってしまう。駿は走って真柴の乗ったバスを追いかけるが、追いつけずバスは行ってしまう。

真柴だって駿が正しいことを言っているのはなんとなく分かっているはずだ。辛いときは正論を受け止めきれないし、何より駿は言葉が足りなかった。ラストのサイドBで元カノ・葉菜(山本千尋)に話したことをなぜ真柴に言えないのか――。

「逃げてほしいくない。問題を解決しないで、目をそらして逃げると後悔する。俺みたいに」

「自分の夢を叶えてほしい。くるみには」

ちゃんと自分の思いを伝えていたら真柴だって帰らなかったかもしれない。だから、真柴が葉山に抱きしめられる事態が起きたのだ。

しかし、葉山が優勢かといったらそうでもない。駿と別れて真柴が帰った家には誰もいなくてグチも言えなかった。そこに会社から呼び出しのLINEが来て、不安になったところで葉山に連絡した。しかもキーホルダーにつけた葉山のお土産のマメシバのマスコットをみて葉山を思い出しているから、恋愛対象としては見ていない気がする。

でも、葉山はやはり駿とは違い大人の優しさを見せた。

「もう逃げたい」「限界かもしれない」と泣き出す真柴を通行人から隠すように立つ葉山。泣き続ける真柴を抱きしめながら「真柴は笑っててくれないと困る」。

励ましでも𠮟責でもなく、自分の気持ちをただ伝えただけの葉山だったが、立ち振る舞いすべてに優しさがあふれていた。

葉山好きの視聴者が勝手に最終回とするほど盛り上がりを見せた第9話。最終回では駿が不器用な思いを伝えることができるのか?そして真柴と駿、そして真柴を優しく見守り続ける葉山はどんな結末を迎えるのか? 分岐点をそれぞれ迎えた陽人(丸山隆平)と羽瀬(中村アン)、そして香子(夏川結衣)と礼史(生瀬勝久)の関係とともに最後まで見守っていきたい。

最終話あらすじ

真柴(川口春奈)はSNSが炎上して以来、気持ちが途切れなかなか投稿できない日々が続いていた。そんな真柴を見かねた祥吾(向井理)は救いの言葉を掛ける。

一方、駿(横浜流星)のもとには、北海道で店を任せたいというスポンサーが現れ、心が揺れ動いていた。そんな中、陽人(丸山隆平)からの突然のプロポーズに戸惑う羽瀬(中村アン)。そして、礼史(生瀬勝久)から「もう一度やり直したい」と言われた香子(夏川結衣)。それぞれが人生の選択に迷っていた。

シェアハウスメンバーは、恋に仕事にと思いが交錯し、将来に向かって歩んでいく。それぞれが出した答えとは…

■火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』

毎週火曜よる10:00~10:57

(C)TBS

2021/6/18 16:30

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