妊娠中の嘔吐で全ての歯を失った20代女性 「妊娠悪阻を知って!」と訴える(英)

イギリス出身のルイーズ・クーパーさん(Louise Cooper)が初めての妊娠に気付いたのは、19歳の時だった。ルイーズさんは当時妊娠3週で、フランスのスキーリゾートでナニーとして働いていたが、その1週間後には体調が悪化。雇用契約を中途解約してイギリスに帰国した。

「妊娠はサプライズだったけど、嬉しかったの。ただ帰国するとすぐ、酷い脱水症状に陥って入院したわ。吐き気や嘔吐が止まらなかったのよ」と当時を振り返るルイーズさん。その後、3週間も経たないうちに再び体調が悪化し、2度目の入院をした。そして医師に「妊娠悪阻」という病気であることを告げられた。

妊娠悪阻とは、嘔吐の回数が多く吐き気が酷いため体重や尿の量が減ったり、脱水症状が起こるもので、ルイーズさんは妊娠7週になるとベッドから起き上がれなくなった。

「頭を動かしただけで嘔吐し、点滴もした。でも症状は一向に良くならず、妊娠12週になると助産師や看護師などに『中絶したい』と懇願したくらいよ。医師は吐き気止めの注射とステロイドを使った治療を開始し、妊娠期間中は25回以上も病院を訪れた。2、3日入院したこともあるし、長い時は1週間も退院できなかったの。」

そう語るルイーズさんだが、妊娠16週になると歯に異変が起きた。

ルイーズさんは「信じられないことに歯が抜けたのよ。そして妊娠後期になると、1週間に1本のペースで抜け始め、歯科医師には『赤ちゃんが産まれたら手術が必要』と言われたわ。そうして出産後に残ったのは6本だけだったの」と明かすと、次のように続けた。

「赤ちゃんが誕生すると嘔吐はピタリと止まり、吐き気は12時間後に治まったわ。ただ残った6本の歯もボロボロで、産後5か月の時には全ての歯と根っこを抜いたの。」

こうして総入れ歯になり1人目が誕生して1年が経つと、ルイーズさんは新しいパートナーとの間に子供が欲しいと思えるまでになった。

そして間もなく妊娠。しかし最初の時と同じように妊娠3週目から嘔吐が始まり、妊娠16週になると脱水症状から膀胱炎になって苦しんだ。またうつ状態に陥り、出産後はパニック発作を起こすようになった。

『Metro』によると、妊娠悪阻を起こす女性は全体の1%だそうで、ルイーズさんのように嘔吐を頻繁に繰り返すと胃液が口腔内に逆流し、歯を失うリスクが高まるという。

現在2人の子育てに追われるルイーズさんは「妊娠悪阻は本当につらかった」と吐露し、このように述べた。

「妊娠悪阻という病気があることを、より多くの人に知ってもらいたいわ。そしてもし私と同じように苦しんでいる人がいたら、一人で悩まないで助けを求めて欲しいの。私も2度目の妊娠の時は、たくさんの人にサポートをしてもらったから。」

ルイーズさんは今後、2本の親知らずを抜歯する予定だそうで「この2本の歯が無くなったら、歯の痛みから解放されるのよ。その日を楽しみにしているわ」と笑った。

ちなみに若くして総入れ歯になったケースでは、長年薬物を使用してきたアメリカの22歳の女性や、炭酸飲料を毎日飲み、喫煙をしていた20代女性が話題になっていた。

画像は『The Sun 2021年6月14日付「TOOTH HURTS I vomited so much during pregnancy I had to have my teeth removed - I have panic attacks & struggle to go out in public」(Credit: Louise Cooper)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2021/6/17 21:00

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