「富士山ハザードマップ」が17年ぶりに改定…いつ起きるかわからない“噴火”に備えておくべきこととは?

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。6月5日(土)の放送では、17年ぶりに改訂された「富士山ハザードマップ」について、お届けしました。

※写真はイメージです

いよいよ山開きの7月が間近に迫る富士山。コロナ禍でも、多くの登山客で賑わうことが予想されています。

ご存じの方も多いと思いますが、富士山は、休火山ではなく現役の活火山です。781年以降、7回も噴火しており、最後に噴火が起きた1707年の宝永大噴火から314年が経過。専門家の間では「いつ噴火してもおかしくない」とも言われています。

富士山のハザードマップは、2004年に富士山の下でマグマの動きと連動する低周波地震が増えたことを受けて作られました。

そのハザードマップが2021年、17年ぶりに改訂されました。今回の改定のきっかけは、最近の調査・研究によって、噴火の可能性のある火口がこれまでの想定よりも市街地に近い場所で確認されたことや、前のハザードマップで参考にしていた、宝永噴火よりも前の貞観噴火が2倍近い規模だったため、この噴火の情報をもとに、富士山ハザードマップが改定されました。

その内容で大きく変わったのが、噴火に伴う溶岩流・溶岩の想定噴出量です。従来の7億立方メートルから13億立方メートルまで増やしました。

それによって、被害範囲が広がりました。溶岩流が到達する可能性がある県は、静岡県と山梨県の2県でしたが、いままで入っていなかった神奈川県が追加され、3県の市町村に拡大されました。

次に溶岩の想定噴出量も修正されました。

溶岩が到達する時間は、最短で静岡県沼津市が18時間、神奈川県相模原市緑区が9.5日、小田原市が17.2日となっています。また、交通機関では、東海道新幹線に5時間、新東名高速道路には、1時間45分で達すると予測されています。

また、噴火を想定した火口の数も増え、改定前のおよそ5倍の252ヵ所となりました。

想定では、さらに火山灰の量も増える見込みで、房総半島を含む千葉県東部から埼玉県南部を覆う首都圏一帯は10センチ程度に及ぶと言われています。“自分の住んでいる所は大丈夫“と思い込まないようにしましょう。

最後に、いつ起きるかわからない噴火に、私たちはどう備えればよいのでしょうか?

まずは、地震などの備えと同じで1週間分の水と食料を備蓄しましょう。そして、火山灰は単なる灰ではなく、ガラスのような粒です。大量のガラス片が飛んでくると考えてください。目に入れば角膜を傷つけ、口と鼻から入れば呼吸器に影響が出る恐れがあります。

また、火山灰には毒性が強い火山ガスが付着していて、素肌に触れると皮膚炎を起こします。

自分の健康を守るために、ヘルメット、ゴーグル、粉じんマスク、長袖シャツ、長ズボンを身につけて体を保護しなければいけません。これらの装備の準備は必須です。関東にある、箱根山・大島も活火山です。噴火したらどうすればいいのか、普段から考えることが重要です。

<番組概要>

番組名:防災FRONT LINE

放送日時:毎週土曜 8:25~8:30

パーソナリティ:手島千尋

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/

2021/6/16 20:40

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