カビ胞子や熱中症で死なない!プロ伝授「梅雨のエアコン」使い方
今年も、ジメジメとした嫌な季節がやってきた。
「今年は梅雨前線の北上が早く、九州から東海では例年より20日も前倒しで梅雨入りしました。関東も6月2週目には梅雨入りする予報で、明けるのは各地とも平年並みになる見込みです。加えて6月の気温も全国的に高い予想で、例年以上に蒸し暑い日が続くので、熱中症への警戒が必要です」(気象予報士)
こうなると、いつも以上に使用頻度が増えるのがエアコンだろう。快適な生活には欠かせない“文明の利器”だが、冬の暖房時期を終え、ほったらかしにしていた人は注意が必要だ。呼吸器系に深刻なダメージを与えかねない危険が潜んでいるからだ。
「春先まで、長く使わなかったエアコンは、内部に汚れがたまっています。また、結露でカビが発生していると、送風時にカビの胞子が飛び散り、咳や鼻水など、呼吸器系アレルギー疾患の原因にもなります。室内を快適に保つために、エアコンを正しく使いましょう」
こう語るのは、NPO法人日本ハウスクリーニング協会の指導員である、J・PLANET代表の竹村茂樹氏だ。そこで今回、竹村氏に「梅雨の正しいエアコンの使用法」を教えてもらった。まずは、使い始めのメンテナンスから。
「前面パネルを開けて、フィルターに汚れがないか、チェックします。もしフィルターにホコリが多ければ、まず掃除機でホコリを吸い取り、それからフィルターを取り外し、お風呂場などで洗います。洗うのは食器用中性洗剤を使うのがオススメです。除菌と消臭の効果があります」(前同)
フィルターのメンテナンスは月に一度、行うのが理想という。エアコンの掃除を終えたら、いざ始動となるが、梅雨の時期は除湿運転を上手に使うのがカギだ。
■除湿と冷房、気になる電気代は?
「湿度が70%を超えると、体内の水分をうまく排泄できず、体調不良を招きます。すると、毎年、多くの死者が出ている熱中症のリスクが上がってしまいます。除湿運転は、室温も少し下がりますが、何より湿度を下げることに特化しています。快適な湿度は40~60%なので、湿度が高い日は、まず除湿運転にするのがいいでしょう」(同)
ただ、エアコンをフル稼働していると、どうしても気になるのが電気代。節約するためは、除湿と冷房、どちらがいいのか。節約アドバイザーの和田由貴氏は、こう解説する。
「高級エアコンなどに備わっている“再熱除湿運転”は、冷房よりも電気代がかかります。でも、一般的な除湿運転の電気代は、冷房とほぼ同じ。冷房運転もある程度、空気中の湿気を取り除くので、高温多湿の日は冷房メイン、気温が低く湿度が高い日は除湿メイン、というように使い分けるといいでしょう」
加えて、エアコンを止める際にも、ちょっとした心がけをすると、カビ予防になる。
「カビが発生する原因は、内部の結露です。エアコンの運転を止めると、外気との温度差で結露が発生するので、それを防ぐため、使用後は10分くらい送風運転を行い、内部の湿気を取り除いてください」(前同)
エアコンを正しく使い、湿気や暑さ知らずの快適生活を送ろう!