「返信が遅い人と仕事をしたくない」事業投資家・三戸政和が大切にしている“マイルール”とは?
放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。5月9日(日)の放送では、先週に引き続き事業投資家の三戸政和さんが登場しました。
(左から)高須光聖、三戸政和さん
◆“3つの軸”で会社を購入すべきか判断する
高須:僕みたいな人間でも買える会社は、どんなものがありますか?
三戸:会社購入において大切な軸が3つあります。1つは“好きなこと”。「好きなことを好きな人と好きなようにやる」。これはTSUTAYAの社長兼CEO・増田宗昭(ますだ・むねあき)さんが仰っている言葉です。こういうことができるのかがまず1つの軸です。
高須:なるほど。
三戸:もう1つの軸は“得意な業界”。そして、最後の軸は“得意な地域”です。この3つの軸がリンクするのがベストです。
高須:地域!?
三戸:中小企業を買おうと思ったときに、いきなり知らない地域の会社を買っても地の利がないので難しいんですよ。周りの人からは助けてもらえないですし。
高須:たしかに。いつも行っている場所なら、住んでいる人たちや環境も何となくわかっているもんね。
三戸:そうです。営業をするにしても、ちんぷんかんぷんな場所に行くよりは、知っているところのほうがいいじゃないですか。別に3つの軸すべてがリンクしていなくてもいいですけど、軸が多ければ多いほどいいです。高須さんの場合、構成・企画が“得意な業界”じゃないですか。次に“好きなこと”ですけど、自分はラジオ「放送室」マニアなので、高須さんが海外旅行が好きなことも知っています(笑)。
高須:好き好き!
三戸:この2つがリンクしている会社がいいってことですね。例えば、海外旅行の記事をまとめているキュレーションサイトを運営している会社を買うとか。そうしたら「もっとこういう企画で面白いコンテンツが出せるよね」って意見が言えるわけです。
高須:なるほど。しかも、(掲載している内容が)僕も知りたい情報ですしね。
三戸:そうです。なので“好きなこと”と“得意な業界”は連動したほうがいいです。これがもし、ゼロからキュレーションサイトを立ち上げるとなったら……?
高須:地獄やね(笑)。
三戸:(笑)。作り方もわからないし、ノウハウもないなので。だけど今、コロナ禍で海外旅行ができない状況じゃないですか。ということは、海外旅行情報のキュレーションサイトは、間違いなく数字が落ちているんですよ。
高須:だから今が買いどきってことか。
三戸:高須さんがその会社を買ったら“いい人が買ってくれた!”と思ってくれる気がします。こういう視点で会社を買うのが面白いと思います。
◆「面白い人」だと思わせたら勝ち
三戸:いろんなビジネスをやっているから、ベンチャー企業をまわるのは楽しいですね。
高須:どうやって探して会いに行くのですか?
三戸:初期の頃は、ネットで探して“面白そう”と思った人に会いに行っていました。
高須:そのなかには小さい企業もありますよね?
三戸:はい。早稲田大学の裏にある、ワンルームマンションの学生起業家に会ったこともありました。ベッドに座って「どんなビジネスをやっているのですか?」って(笑)。
高須:(笑)。それで「よかったら、おたくの会社にお金を入れさせてくれませんか?」みたいな話をするわけですね。
三戸:そうです。そして、起業家に会うときは相手から“面白い人だな”って思われることが大事なんですよ。そこで私は、営業に行くときにルールを決めていて、(訪問先の)会社を出るときに「三戸さん、今度飲みに行きましょうよ」と言ってもらえたら、その商談は勝ち。何も言ってくれなくても、こちらから誘って了承してくれたら引き分け。誘ったけど断られたら負けです(笑)。
高須:なるほど。「そうですね」と言ってもらっても、そのあとに進展がなかったパターンね。
三戸:“面白い人だと思われなかったか……”と諦めます。そうやってルールを作ったほうが営業は面白かったですし、それがあったからこそ面白い人たちと繋がることができました。面白い起業家と繋がると、その人がまた面白い起業家を連れてきてくれるんですよね。
◆クイックレスポンスが仕事の質を高めていく
高須:仕事をする上で大切にしているマイルールはありますか?
三戸:スピード感“クイックレスポンス”ですね。
高須:“あっ”と思ったらすぐに動く?
三戸:すぐですね。堀江貴文さんは、社内でビジネスのアイデア出しをしている最中に、相手の話を聞きながらスタッフにLINEを打って「こういうことができるんじゃないか」って指示を出しているんです。
高須:へえー!
三戸:そういう場面でのレスポンスの早さってめっちゃ大事だと思うんです。あくまでも噂ですが、Yahoo! JAPANの初代社長となった井上雅博さんは、孫正義さんが選んだのですが、井上さんを選んだ一番のポイントは「メールの返信が早かったから」と言われています。
高須:なるほど。
三戸:でも自分も同じ気持ちで、返信が遅い人と仕事をしたくないんですよ。
高須:どんどん人と繋がっていくと。返信が遅いと話が進まないからイライラするもんね。
三戸:そうです。返信が早いと想像力が加速していくんです。逆に返信が遅い人と仕事をすると、想像力がどんどん失われていきます。
高須:一旦立ち止まっちゃうと気持ちが冷めてきちゃうしね。それで、そこからまた盛り上がるとなると時間がかかる。
三戸:そうなんです。なので、クイックレスポンスをしてくれる人じゃないと一緒に仕事をやりたくないですね。
<番組概要>
番組名:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00~25:29
パーソナリティ:高須光聖
番組公式Facebook:https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/