優しい彼氏のハズが発熱した私から逃げ出した?!冷たいLINEにドン引き

 自分が体調を崩した時、周りの人達の態度から本性が見えてくる事ってありますよね。

 今回は、そんな経験をした女性2人のエピソードをご紹介しましょう。

◆穏やかで優しい彼だったはずが

 A香さん(30歳・契約社員)の場合…

「私には付き合って2年目のK(33歳・メーカー勤務)という彼がいるのですが、すごく優しくて。イライラしているところとか一度も見た事ないですね」

 そんな穏やかな彼は、コロナ対策もしっかりしていて…。

「Kの部屋に遊びに行くと、まず私の鞄やスーパーで買ってきたものをKに渡して、すぐにシャワーを浴びて着替えます。その間にKが鞄や食材、エコバッグをアルコールスプレーをかけてキレイに拭いておいてくれるんですよ」

 それからやっと2人はくつろいで、一緒に料理をしたりて家飲みを楽しんでいました。

「ですがある日、いつものように私がKの部屋でコールスローを作っていたら、だんだん身体がだる重くなってきたので、料理をKに任せてソファに横になっていたんです」

 もしや?と思い熱を測ってみると、まさかの37度5分。その事をKさんに伝えてみると…。

◆あわてて逃げ出した彼氏

「目を見開いて5秒ほど固まった後、サッとスマホとお財布を持ってあわてて転びそうになりながら玄関を出て行ってしまいました」

 そしてすぐに彼から「今すぐ発熱外来に電話!結果が分かったらすぐ教えて」とLINEがきたそう。

「え、いくら熱があるからって、人をそんな汚いモノ扱いする?とビックリしました。せめてLINEに『大丈夫?』や『気をつけて』とか心配しているのが伝わる一言が欲しかったですね」

 すぐに発熱相談センターに電話したところ、診てもらえる事になり病院に向かいました。

◆彼氏にあやまられたけれど…

「検査をしたら、ただの胃腸炎でコロナではなくて良かったのですが…あのKの態度がショックで結果をLINEで報告してから、こっちからは連絡していません」

 仲の良い女友達にこの事を話してみたら「なんだかんだコロナにかかって重症化したら嫌だし、変異株も怖いし仕方ないんじゃない?」と言われてしまったA香さん。

「でもやっぱり、以前のように接する事のできない自分がいます。Kは『A香がコロナかもしれないからって、逃げ出すようなマネしてごめん』ってあやまってくれましたが…許せるようになるにはちょっと時間がかかりそうですね」

 続いては、症状の治療きっかけから始まった同性の先輩とのエピソードです。

◆健康診断の結果が悪い同士で共鳴

「先日、健康診断の結果血圧が高いと言われて…毎日薬を飲まないといけなくなってしまって。あ~あと思いましたね」

 それまで健康診断で悪い数値が出た事は一度も無かったS子さん(38歳・会社員)。

「健康だけが取り柄だと思っていたのに、ついにきたかと思いました。しかも38歳は高血圧になるにはちょっとはやい年齢らしいので、ガックリですよ。ちゃんと食事には気をつけていたのに」

 そんな時に、たまたま会社の先輩(M代さん・42歳)に事務的な用事で話しかけると「もしかして体調悪い?」と心配されたので、健康診断の事を話してみたら…。

「なんとM代さんも私と同じアムロジピンっていう血圧の薬を飲んでいたんですよ。何だか親近感が湧いて、どんな血圧計を買ったらいいかとか、血圧手帳のつけ方を教わったり盛り上がってしまって」

 それまであまりプライベートな事は話した事が無かったのですが、これがきっかけでM代さんとLINE交換したS子さん。

「それから『今日は血圧に良いトマトたっぷりのサラダ食べました』って写真送ったり、適度な有酸素運動も血圧の低下に効果があるのでウォーキングとかオススメだよってアドバイスしてもらったりと…おたがいに励ますようになりました」

◆「高血圧シスターズ」と命名?!

 そんなある日、M代さんが娘さん(16歳)に「最近、高血圧仲間が出来て、生活習慣の改善とか、薬飲み忘れないように注意し合ってるんだよ」と話したところ…。

「『高血圧シスターズ爆誕じゃん!ママよかったね』って言われたって聞いて笑っちゃいました。いつの間にか私、M代さんとユニット組んでいたみたいで」

 最初は高血圧になってしまった事にショックを受けていたS子さん。

「ですが、今では高血圧は国民の中で一番多い病気みたいだし、しっかり受け止めて、これ以上悪くならないように気をつけていこうと前向きな気持ちになる事が出来ました」

 そう思い直せたのは、M代さんと高血圧通信を送り合っているおかげだとS子さんは語ります。

「若い頃は、自分がこんなに病気の話ばっかりするようになるなんて想像つきませんでした。

 ですが、高血圧のおかげでM代さんと楽しく健康トーク出来たり、娘さんにユニット名つけてもらえたりと…歳を取るのも悪くないなって思いますよ」

<文&イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】

漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

2021/6/10 8:47

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