日本名輪会・山口健治の「江戸“鷹の目”診断」/快進撃が止まらない町田の逃げ切り濃厚

【「GIII松山」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人】

◎町田太我/○久米康平/▲近藤隆司/△三宅達也/神山雄一郎/齋藤登志信/池田勇人/伊藤信/雨谷一樹/柿澤大貴/川口聖二/竹内翼

 予選スタートの2班でも、決勝戦に乗っている先行選手は軽視できない。「GIII松山」(6月10日【木】~13日【日】)は国際トラック支援としてナイターで行われる。中四国のメンバーが手厚く、中国と四国で別戦もあるのではないか。東勢は強力先行が見当たらず、苦戦を強いられそうだ。

 本命には、快進撃が止まりそうにない117期2班の町田太我を抜擢する。2月の松山記念決勝戦では、勝った同県の松浦悠士の前を走ってダービー王の強さを体感するなど、戦歴は抜けている。直近の記念3場所全てで決勝戦に進出。まだレースに甘さがあるが、ここはラインが長くなるのも有利。逃げ切り濃厚だ。

 もし、予選スタートからGIII初Vを飾るようなら、これからが楽しみになる。対抗は久米康平。勝ち上がりしだいでは町田の番手もあるが、四国でまとまったとしても、自力は見劣りしない。ゴール前は町田とマッチレースになる。あとは近藤隆司のまくり強襲と、町田の後位から三宅達也の抜け出しとみた。

 伏兵の1人目は吉田智哉(愛媛・111期)。2度の長期欠場があり、今年はまだ5場所しか走っていないが、そのうち2場所はホームバンクのここ、松山だった。1月記念【8】【1】【9】【1】の1着2戦はいずれも万車券。今回も高配当の主役になっておかしくない。S級選手がわずか3人(1班は不在)の沖縄で、伊藤颯馬(115期)が健闘している。4月の武雄記念準決勝進出の勢いに乗って、5月は松山【1】【1】【3】、小倉【1】【2】【6】と好走。今の好調が続けば、来年は1班昇班も夢ではないだろう。その一方で菊池岳仁(長野・117期)が伸び悩んでいる。早期卒業のエリートだけに厳しくマークされるからだが、素質は一級品。マイペースからの押し切りに期待したい。

「ガールズ」は、出場していれば断然の本命候補だった児玉碧衣が病気欠場。これにより、京王閣ダービーのガールズコレクションを制した◎佐藤水菜と、1月立川で児玉を破った○山原さくらの戦いになりそう。あとは、勝てるとは言えないが、乗れている▲柳原真緒と△鈴木美教を押さえに入れておきたい。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

2021/6/9 17:58

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