たこ焼きとライスは合うのか? 『銀だこハイボール酒場』で勝手に「たこ焼き丼」を作ってみた!

 たこ焼きといえば、発祥は大阪と言われていますが、今では日本全国津々浦々、どこでも食べられる、もはや日本人のソウルフードと言っても過言ではありません。でも皆さんはたこ焼きをどんなふうに食べていますか? おやつやお酒のおつまみといった軽食として食べている人が多いと思いますが、筆者の友人のTさんは、なんと「ごはんのおかずにしている」と言うのです。

 ちなみに彼女は粉モン文化が発達した関西出身で、子どもの頃からお好み焼きやたこ焼き、そばめしが食卓に頻繁に登場し、いつも白いご飯が一緒に出てきていたというのです。そして、大人になった今でも家では粉モンをおかずにしているとか。まぁ、お好み定食の是非はよく話題になりますが、まさかたこ焼きまでも……。関東出身の筆者にはちょっとピンと来ませんでした。だって炭水化物×炭水化物じゃないですか…。

 ただ、同時に思い出したのは、餃子定食やラーメンライス。中国人にとってはこの炭水化物×炭水化物の組み合わせは不思議だそうですが、日本人にはかなり美味しい組み合わせということで周知されています。つまり、彼の言う「たこ焼きライス」も、食べてみれば美味しい組み合わせなのかもしれません。

 そんなT君の話を聞いていたこともあり、先日、『築地 銀だこハイボール酒場』の前を通りかかった際、ランチメニューの看板を見て、 “たこ焼きライス”のことを思い出し、「よし、食べてみよう」と思ったわけです。

 しかし、銀だこのランチメニューに「たこ焼き定食」はありません。あるのは肉がのった丼ばかり。とはいえ、丼があるならご飯もあり、たこ焼きもあることは明らか。ならば、笑顔でお願いしたらたこ焼き丼くらいは作ってくれるかもしれない。そう思って入店してみたのです。

ないのなら 作ってみよう たこ焼き丼!

 結論から言えば、笑顔で注文しようが、どんなに下手に出ようが「たこ焼き定食」も「たこ焼き丼」もできないとのこと。男性スタッフさんが申し訳なさそうに回答してくれました。

 でも彼はとても親切で、「丼をご注文いただき、たこ焼き4個(310円)を追加注文するとか……」とヒントを教えてくれたのです。彼の言葉を過大解釈すると「自己責任でたこ焼き丼を作ることはできます。ただし味の保証はしませんよ」といったことになるはずです。もちろん問題なしです。そもそもご飯とたこ焼きの相性を確かめたいだけなのですから。

 というわけで、ランチの丼とたこ焼きを注文することに。ただ迷ったのは、どの丼にするかでした。牛カルビやタレカツ、豚肉もいりません。むしろたこ焼きとごはんの味の邪魔になります。でも唯一、唐揚げなら、タレが少なく、たこ焼きを邪魔しなさそうな気がしたので、「唐揚げ丼」(680円)にしました。

 そして登場したのは、揚げたての唐揚げが4個のった丼、そして銀だこ4個。唐揚げは大きく、たこ焼きの甘いソースと鰹節の香りが漂います。もう十分、美味しそうではありますが、丼の中の唐揚げを端っこに寄せ、たこ焼きをのせて「唐揚げたこ焼き丼」を作成します。

 自分で作った(?)のに、思わず拍手したくなりました。めちゃくちゃ美味しそうじゃありませんか? これこそが『銀だこ』が出すべき丼だとすら思えますよね。あの男性スタッフも、羨ましそうにこの丼を見ている気がします。なぜなら、「唐揚げたこ焼き丼」が完成したと同時に、素早くマヨネーズを持ってきてくれたんです。

 さて、美味しさを感じる5つのポイントのうち、すでに(1)見た目は○、(2)香り(匂い)も○です。残るは、(3)音、(4)食感、(5)味を確かめましょう。

 まずはたこ焼きを口へ。たこ焼きはカリッと音をたて、中からふんわりとろとろの生地がほどけていきます。ここでご飯を頬張れば、ご飯粒とたこ焼きのふわとろ生地が一体化。ソース、紅生姜、ネギなどが、ご飯に馴染んでいきます。うーむ、めちゃくちゃ美味しいじゃないですか。音、食感、味も申し分なしで100点満点!

 そんなわけで、たこ焼き丼をあっという間に完食。箸休めに味噌汁もタクワンもちょうどいい。そうそう、今回は脇役に徹してもらった鶏の唐揚げも、かなり優秀でした。カリッとした衣に醤油が染みていて、鶏肉も非常にジュージー。たこ焼きがあっという間になくなっても、唐揚げがスタンバってくれていたおかげで最後まで美味しく食べられました。

 まとめると、今回は唐揚げという強力な助っ人がいたので、純粋なたこ焼き丼とは言えませんが、たこ焼きとライスの組み合わせは大いにアリ。むしろ旨い。めちゃくちゃ腹ペコで『銀だこ』に入ることがあったら、 みなさんもぜひ自家製“銀たこ焼き丼”を作って試してみてください。美味しいですよ。

(撮影・文◎ナナノナノ)

2021/6/9 10:50

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