「助ける人と助けない人を国籍で決めるのか?」せやろがいおじさんが“入管法”に苦言
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。5月11日(火)のお客様は、ラサール石井さんと沖縄で活躍するお笑いコンビ・リップサービスのせやろがいおじさん。ここでは、入管法についてのトークを取り上げます。現在の入管法や、外国人に対する日本人の声について、2人が物申すことに。
――前半の記事で、入管法とは何かについて解説していますので、そちらの記事もご確認ください。
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◆99パーセント以上が難民として認められていない
せやろがい:一度入管施設に収容されている人のなかには、腕に銃弾を受けた跡が残っている方がいて。その銃弾の跡を見せて「母国で迫害を受けてきたんです」って言っても、「いや、あなたは難民として認めない」っていう。この傷が何よりの証拠だろ! って言っても認めない。
ラサール:だって、申請をしても0.4パーセント、つまり99パーセント以上が認められてないんだよね。
せやろがい:1万人が難民の申請をしにきたけれど、44人しか難民として認定されてない。
ラサール:それってもう、難民の制度がないのと一緒よね。
せやろがい:そうですね。弁護士の方の言葉を借りると「難民認定制度」じゃなくて「難民不認定制度」だと。
ラサール:(笑)。
せやろがい:つまり、難民を認定しないための制度になってるよってことです。それで、僕が一番気になるなのが、こんな状況だけど、日本は難民保護条約に批准している。「俺たちは難民を助ける、人権感覚の優れた国ですよ」と国際的にアピールしているけれども、実は申請した人たちの0.4パーセントしか助けていないのは、おおいなる欺瞞だなと思いますね。
ラサール:そんなことを言って“難民が日本中に溢れたらどうするの?”みたいなことを言う人もいるけれども、日本全国からしたら微々たる数なのよね。
せやろがい:そうなんですよ。“帰りなさい”って言われた人たちの90%以上が実はすぐに帰っていて、それでも帰れない人が、いま入管施設に収容されています。
ここら辺の事情とかもきちんと押さえる必要があるのかなと思うんですけど、今、日本人全体の意識として、“外国人は悪さをする”“外国人は嘘をつくはず”やと。こういう意識がすごく蔓延していて。
ラサール:そうだね。
せやろがい:例えば、“この難民を受け入れて日本に外国人が増えたら治安が悪くなるでしょ”って思って、心配をする方は多いんですけど、今って日本で仕事するために住んでいる外国人ってすごく増えているじゃないですか。
みなさんも身の回りで外国人が働いている姿を見ることが増えてきたと思いますが、実は外国人犯罪が顕著に増えているデータは一切ないんです。なので、外国人が増えたから治安が悪くなる、というのは否定されてはいるんですけど。
ラサール:(日本人にそのイメージがあるのは)漠然と、言葉が分からない、顔つきが違う人を恐れているだけだと思うんだよね。なによりも、“助けてくれ”って日本にきた人を助けない冷たさに“なぜ?”っていう。
せやろがい:そうなんですよね。
◆「“難民にはならない”というお墨付きはない」(ラサール)
おじさん:あと“コロナで日本も余裕がないんだから、外国人を助けている余裕なんてないよ”っていう声もよく聞くんですけど。
ラサール:聞きますね。
せやろがい:でも“助ける人と助けない人を国籍で決めるのか?”って、すごく疑問で。僕なら生きている人であれば、(国籍関係なく)やっぱり助けたいなと思います。
ラサール:逃げてきた人が目の前にきたら助けるのが当然でしょ? でも自分たちだって、例えば、3.11の原発が原因で、ひょっとしたら東京には住めなくなっていたかもしれない。もっと言うと日本に住めなくなっていたかもしれない。
戦争だって起きないとは限らない。海外に住んで仕事している人の国が急に戦争になったときに、収監されてしまう可能性もある。そうしたら俺たちが難民になるわけじゃないですか? つまり“自分は難民にはならない”なんていうお墨付きはないんです。
せやろがい:やっぱり僕は“恐ろしいことがおこなわれている”と思っていて。例えば、我々が難民になってしまって“助けてくれ、住ませてくれ”ってお願いしても、“いや、あんたたちは難民として認められないから帰ってください。帰れないんだったら、こっちに収容しますよ。いつ出られるか分かりませんが”と。
ラサール:怖い怖い……。
せやろがい:それで、“入管が長期化になったらまずいから、国の法律を変えて無理やり帰らせます。それでも嫌なら言ったら刑事罰であなたを犯罪者にします”って、なかなか恐ろしいですよね。
ラサール:あと、第三者の監理措置制度があって。監理する人がいたら(入管施設から)出て暮らしていいんだけど、働いてはいけないっていう。
せやろがい:“それって社会生活でけへんやん”みたいな。本当に厳しい……。
* * *
今週の「TOKYO SPEAKEASY」のお客様は……
6月9日(水)和楽器バンド・鈴華ゆう子さん、町屋さん×服部隆之さん(作曲家)
6月10日(木)金子恵美さん×小倉智昭さん
がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!
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<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/
――前半の記事で、入管法とは何かについて解説していますので、そちらの記事もご確認ください。
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(左から)せやろがいおじさん、ラサール石井さん
◆99パーセント以上が難民として認められていない
せやろがい:一度入管施設に収容されている人のなかには、腕に銃弾を受けた跡が残っている方がいて。その銃弾の跡を見せて「母国で迫害を受けてきたんです」って言っても、「いや、あなたは難民として認めない」っていう。この傷が何よりの証拠だろ! って言っても認めない。
ラサール:だって、申請をしても0.4パーセント、つまり99パーセント以上が認められてないんだよね。
せやろがい:1万人が難民の申請をしにきたけれど、44人しか難民として認定されてない。
ラサール:それってもう、難民の制度がないのと一緒よね。
せやろがい:そうですね。弁護士の方の言葉を借りると「難民認定制度」じゃなくて「難民不認定制度」だと。
ラサール:(笑)。
せやろがい:つまり、難民を認定しないための制度になってるよってことです。それで、僕が一番気になるなのが、こんな状況だけど、日本は難民保護条約に批准している。「俺たちは難民を助ける、人権感覚の優れた国ですよ」と国際的にアピールしているけれども、実は申請した人たちの0.4パーセントしか助けていないのは、おおいなる欺瞞だなと思いますね。
ラサール:そんなことを言って“難民が日本中に溢れたらどうするの?”みたいなことを言う人もいるけれども、日本全国からしたら微々たる数なのよね。
せやろがい:そうなんですよ。“帰りなさい”って言われた人たちの90%以上が実はすぐに帰っていて、それでも帰れない人が、いま入管施設に収容されています。
ここら辺の事情とかもきちんと押さえる必要があるのかなと思うんですけど、今、日本人全体の意識として、“外国人は悪さをする”“外国人は嘘をつくはず”やと。こういう意識がすごく蔓延していて。
ラサール:そうだね。
せやろがい:例えば、“この難民を受け入れて日本に外国人が増えたら治安が悪くなるでしょ”って思って、心配をする方は多いんですけど、今って日本で仕事するために住んでいる外国人ってすごく増えているじゃないですか。
みなさんも身の回りで外国人が働いている姿を見ることが増えてきたと思いますが、実は外国人犯罪が顕著に増えているデータは一切ないんです。なので、外国人が増えたから治安が悪くなる、というのは否定されてはいるんですけど。
ラサール:(日本人にそのイメージがあるのは)漠然と、言葉が分からない、顔つきが違う人を恐れているだけだと思うんだよね。なによりも、“助けてくれ”って日本にきた人を助けない冷たさに“なぜ?”っていう。
せやろがい:そうなんですよね。
◆「“難民にはならない”というお墨付きはない」(ラサール)
おじさん:あと“コロナで日本も余裕がないんだから、外国人を助けている余裕なんてないよ”っていう声もよく聞くんですけど。
ラサール:聞きますね。
せやろがい:でも“助ける人と助けない人を国籍で決めるのか?”って、すごく疑問で。僕なら生きている人であれば、(国籍関係なく)やっぱり助けたいなと思います。
ラサール:逃げてきた人が目の前にきたら助けるのが当然でしょ? でも自分たちだって、例えば、3.11の原発が原因で、ひょっとしたら東京には住めなくなっていたかもしれない。もっと言うと日本に住めなくなっていたかもしれない。
戦争だって起きないとは限らない。海外に住んで仕事している人の国が急に戦争になったときに、収監されてしまう可能性もある。そうしたら俺たちが難民になるわけじゃないですか? つまり“自分は難民にはならない”なんていうお墨付きはないんです。
せやろがい:やっぱり僕は“恐ろしいことがおこなわれている”と思っていて。例えば、我々が難民になってしまって“助けてくれ、住ませてくれ”ってお願いしても、“いや、あんたたちは難民として認められないから帰ってください。帰れないんだったら、こっちに収容しますよ。いつ出られるか分かりませんが”と。
ラサール:怖い怖い……。
せやろがい:それで、“入管が長期化になったらまずいから、国の法律を変えて無理やり帰らせます。それでも嫌なら言ったら刑事罰であなたを犯罪者にします”って、なかなか恐ろしいですよね。
ラサール:あと、第三者の監理措置制度があって。監理する人がいたら(入管施設から)出て暮らしていいんだけど、働いてはいけないっていう。
せやろがい:“それって社会生活でけへんやん”みたいな。本当に厳しい……。
* * *
今週の「TOKYO SPEAKEASY」のお客様は……
6月9日(水)和楽器バンド・鈴華ゆう子さん、町屋さん×服部隆之さん(作曲家)
6月10日(木)金子恵美さん×小倉智昭さん
がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!
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<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/