地獄の初海外旅行、「私に全部任せて!」友人の言葉を信じて散々な目に

 初めての海外旅行というのは、何かとトラブルに見舞われがち。言語が違うことはもちろんのこと、習慣や常識までもが異なるので戸惑うのは仕方ないこと。そんなときに頼りになるのが友人です。ツアーコンダクターをしている友人に旅行の段取りを任せて安心したところ、暗雲が立ち込めて…

◆大学時代の友人と初めての海外旅行へ

 M美さん(仮名・35)とY子さん(仮名・35)さんは大学時代からの友人です。卒業後に別々の業界に進んだ二人ですが、それでも親交は続いていました。

「ある時、二人で海外旅行に行こうって話になったんです。それで、二人ともハリー・ポッターシリーズが好きだったので、ロンドンに行くことが決まりました」

 M美さんにとってはこれが初の海外旅行で分からないことだらけだったのですが、Y子さんはツアーコンダクターをしていたので、慣れているとのこと。

「『私に全部任せて!』と言って、航空機のチケットやホテルの予約など、全てをやってくれることになりました。悪いかな、と思ったのですが、Y子が全然大丈夫だからと言ってくれて、その言葉に甘えちゃったんですね」

◆初っ端からトラブルに遭遇

 そして旅行の当日。慣れないことばかりで緊張していたM美さんでしたが、Y子さんが「仕事で何度も訪れているから大丈夫だよ」と言っていたので、すっかり頼りにしていたそうです。しかし、現地のヒースロー空港についてさっそくトラブルが勃発。

「空港からホテルにはタクシーで10分かからずに到着するって話だったんですけど、行けども行けども到着しなくて。結局、ものすごい遠回りをされて1時間掛かってやっと到着しました。もしかしたら犯罪に巻き込まれるのかも…と思って本当に怖い思いをしました」

 海外旅行でのタクシーのトラブルはあるあるですが、女性の二人旅ということもあって、相当にストレスに感じたそうです。しかし、彼女たちを襲うトラブルはまだまだ終わりではありません。

◆ホテルのダブルブッキングが判明

「やっとの思いでホテルに到着したのですが、今度はフロントでダブルブッキングが判明したんです。Y子がフロントとやり取りするのを横で見ていたのですが、英語が全くといっていいほどできていませんでした。何度も聞き返されたりしていて、ほとんど会話が成立していないんです。

 本当にツアーコンダクターの仕事をしているのだろうかって不審に思って見ていたんですけどね。この辺りから『あれ? Y子、嘘付いてたの?』と気が付きました。でも、もう遅いです」

 なんと、Y子さんは英語が読めずに、ホテル予約時の部屋選択リクエストのメールの返信を怠ったために、自動キャンセルされてしまったことが判明したのです。

◆仕方なくボロボロのホテルに宿泊

「私もフロントと交渉して、窮状を訴えたのですが、どこにも空きが無く、予約していたホテルには泊まれませんでした。二人で何とか宿を探して、やっとの思いで代わりのホテルを見つけたのですが、それが酷い部屋でした。シャワーはお湯がほとんど出ないし、ベッドにもダニが湧いているような、ボロボロのホテルに四日間も相部屋でした

◆友人も初めての海外旅行だった

実は、Y子は、ツアーコンダクターと言っても、担当は国内だけで、海外には一度も行ったことが無かったんです。どうやら、私に見栄を張っていたのが、途中で引っ込みがつかなくなってしまったみたいです」

 Y子のせいでせっかくの海外旅行は台無しになってしまったと嘆くM美さん。

「自分もY子に全て任せっきりにしていたのも悪いわけですから、自己嫌悪にも陥りました。でも、貯金をはたいて行った初めての海外旅行が散々なものになってしまったわけですから…やりきれないです」

◆気まずさから疎遠に

 結局M美さんは帰国後、Y子さんとは気まずさから、疎遠になってしまい、現在もほとんど連絡を取っていないそうです。

 せっかく楽しくなるはずだった初めての海外旅行でしたが、思い出から消去したいほどのトンデモエピソードになってしまいました。出来ないことは出来ないと早めに申告して、変な見栄を張るのはやめたほうがいいかもしれませんね。

―行楽・旅行のトンデモエピソード―

<文/浅川玲奈>

2021/6/7 15:47

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