飲んべぇ女性に起こった奇跡。旅先で出会った夫婦との“共通点”にビックリ
女子SPA!ライター・もちづき千代子は大衆酒場が大好きです。特に愛してやまないのは、いわゆる「せんべろ系(“1000”円で“べろべろ”に酔える価格帯の酒場)」。その代表格といえる街・東京都北区赤羽には、独身時代は365日中350日通っていた思い入れの深い場所です。
その中でも、メディアでもよく取り上げられている、人気の小さなおでん屋さんにはしょっちゅう足を運んでいました。
仕事終わりに一人でフラリと足を運んでは、小さなカウンター越しに店長さんとお話するのが日課だった時期もあります。たまたま同席した方々とその後も飲み友達になったり、恋人募集中の友人を引き合わせたらその日に付き合い始めたり、今や人気芸人になった若かりし頃のおいでやすこが・こがけんさんと遭遇したこともあったり。思い出は枚挙に暇がありません。
◆旅先の金沢で海の幸を堪能していたら
さて、これはそんな私が数年前に金沢旅行に行った時の話。夫の仕事に便乗した旅行だったため、私は基本的に一人で行動していました。
とはいえ、一人酒にすっかり慣れていた私は何の気後れもなく、近江市場で美味しい魚をつまみにハシゴ酒。すっかり金沢でのせんべろ巡りを堪能していました。
そんな調子で2軒ほど巡った後、とある鮮魚店のカウンターに辿り着いた私。新鮮な貝やマグロをつついて満面の笑みを浮かべていたら、隣に座って飲んでいたご夫婦と仲良くなりました。私があまりに楽しげに一人を満喫しているので、つい声を掛けたくなってしまったのだそうです。
お二人は群馬から遊びに来た方たちだったのですが、娘さんは東京に嫁いでいるとのこと。しかも、その旦那様は私の愛する赤羽に勤めているというのです。
「私、めっちゃ赤羽で飲んでましたよ! 結婚してからは家が遠くなっちゃってあんまり行けてないんですけど」
「本当? だったら知ってるかしら。赤羽にあるすごく有名なおでん屋さんで働いているのよ。たまにたくさんおでん種を持って来てくれるんだけど、美味しいわよね」
「おでん屋って……もしかして、あの立飲みの?」
「そうそう。いつも人が並んでて賑わってるところよ」
超人気のおでん屋さんとな!?
◆あまりの偶然にお互いビックリ!
……はい。ずばり、私が常連になっているおでん屋さんのことでした。ご夫婦の義理の息子さん、話したことのない店員さんでしたが、特徴を言われれば誰なのかはすぐわかりました。
この偶然には、私もご夫婦もビックリ。その後、話が大いに盛り上がり、さらに3軒くらいともにハシゴをして、お土産に焼酎まで買ってもらってお別れをしました。
初めて訪れた旅先で、幾度となく通い詰めていた赤羽のおでん屋と縁が繋がるとは……。なかなか奇跡レベルの高い体験だったなと思いながら、私は夜行バスに乗って東京へと帰ったのです。
◆店長さんも「おまえだったんかい!」
その後、久しぶりに赤羽まで飲みに行った際に、お店でその話を披露しました。すると、この話はお店の中でもセンセーショナルな出来事として噂になっていたそうです。
なんでも、あのご夫婦から義理の息子である店員さんに連絡があり「ここによく来るお客さんと金沢で会った」と告げられていたのだそう。店長さんは「おまえだったんかい!」と、その客が想定していたよりもだいぶ常連だったことに笑っていました。
コロナ禍が長引き、今は居酒屋に足を運ぶことも難しい状況です。しかし、私はこうしたたくさんのご縁と思い出をくれる酒場という場所がやっぱり大好き。いつの日かまた、気兼ねなくフラリと遊びに行ける日を心待ちにして、コロナ禍を乗り越えていきたいと思います。
―行楽・旅行のトンデモエピソード―
<文/もちづき千代子 イラスト/ただりえこ>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama
その中でも、メディアでもよく取り上げられている、人気の小さなおでん屋さんにはしょっちゅう足を運んでいました。
仕事終わりに一人でフラリと足を運んでは、小さなカウンター越しに店長さんとお話するのが日課だった時期もあります。たまたま同席した方々とその後も飲み友達になったり、恋人募集中の友人を引き合わせたらその日に付き合い始めたり、今や人気芸人になった若かりし頃のおいでやすこが・こがけんさんと遭遇したこともあったり。思い出は枚挙に暇がありません。
◆旅先の金沢で海の幸を堪能していたら
さて、これはそんな私が数年前に金沢旅行に行った時の話。夫の仕事に便乗した旅行だったため、私は基本的に一人で行動していました。
とはいえ、一人酒にすっかり慣れていた私は何の気後れもなく、近江市場で美味しい魚をつまみにハシゴ酒。すっかり金沢でのせんべろ巡りを堪能していました。
そんな調子で2軒ほど巡った後、とある鮮魚店のカウンターに辿り着いた私。新鮮な貝やマグロをつついて満面の笑みを浮かべていたら、隣に座って飲んでいたご夫婦と仲良くなりました。私があまりに楽しげに一人を満喫しているので、つい声を掛けたくなってしまったのだそうです。
お二人は群馬から遊びに来た方たちだったのですが、娘さんは東京に嫁いでいるとのこと。しかも、その旦那様は私の愛する赤羽に勤めているというのです。
「私、めっちゃ赤羽で飲んでましたよ! 結婚してからは家が遠くなっちゃってあんまり行けてないんですけど」
「本当? だったら知ってるかしら。赤羽にあるすごく有名なおでん屋さんで働いているのよ。たまにたくさんおでん種を持って来てくれるんだけど、美味しいわよね」
「おでん屋って……もしかして、あの立飲みの?」
「そうそう。いつも人が並んでて賑わってるところよ」
超人気のおでん屋さんとな!?
◆あまりの偶然にお互いビックリ!
……はい。ずばり、私が常連になっているおでん屋さんのことでした。ご夫婦の義理の息子さん、話したことのない店員さんでしたが、特徴を言われれば誰なのかはすぐわかりました。
この偶然には、私もご夫婦もビックリ。その後、話が大いに盛り上がり、さらに3軒くらいともにハシゴをして、お土産に焼酎まで買ってもらってお別れをしました。
初めて訪れた旅先で、幾度となく通い詰めていた赤羽のおでん屋と縁が繋がるとは……。なかなか奇跡レベルの高い体験だったなと思いながら、私は夜行バスに乗って東京へと帰ったのです。
◆店長さんも「おまえだったんかい!」
その後、久しぶりに赤羽まで飲みに行った際に、お店でその話を披露しました。すると、この話はお店の中でもセンセーショナルな出来事として噂になっていたそうです。
なんでも、あのご夫婦から義理の息子である店員さんに連絡があり「ここによく来るお客さんと金沢で会った」と告げられていたのだそう。店長さんは「おまえだったんかい!」と、その客が想定していたよりもだいぶ常連だったことに笑っていました。
コロナ禍が長引き、今は居酒屋に足を運ぶことも難しい状況です。しかし、私はこうしたたくさんのご縁と思い出をくれる酒場という場所がやっぱり大好き。いつの日かまた、気兼ねなくフラリと遊びに行ける日を心待ちにして、コロナ禍を乗り越えていきたいと思います。
―行楽・旅行のトンデモエピソード―
<文/もちづき千代子 イラスト/ただりえこ>
【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama