デート中に車で大きい方を漏らしたジゴク…彼の神対応に救われた
旅行中のトラブルで厄介なのは、トイレにまつわるトラブルなのではないでしょうか。普段とは違う生活リズムになりがちだからこそ、このようなトラブルに見舞われてしまいがちです。
しかも、失敗したときは、恥ずかしいやら情けないやら…今回は、そんな耳を塞ぎたくなるようなエピソードをご紹介します。
◆職場の後輩と遠距離恋愛
外資系でエンジニアとして働く桜子さん(仮名・36歳)。大阪勤務時代に後輩だった良樹さん(仮名・32歳)と、東京の本社異動後に付き合うようになりました。いわゆる遠距離恋愛でしたが、それなりに良好な関係を築いていました。
「ゴールデンウィークの連休のときに、リフレッシュを兼ねて、彼が住んでいる大阪に泊まりに行くことにしたんです。そして、レンタカーを借りて、観光がてらUSJに遊びに行きました」
普段は新幹線を使って東京と大阪を行き来している二人でしたが、連休ということもあって、旅行も兼ねてわざわざ車を出すことにしたそうです。
◆朝3時起きでお弁当を作って出発
「大阪に向かう当日、朝の3時に起きて、お弁当まで作ったんです。浮かれてましたよね。それで、あえて中央道に乗って、関西へ向かうことにしました。彼を大阪でピックアップしてからも、ずっと私が運転していました」
奮発して借りたレンタカーはレクサスだったそうで、疲れを感じることなく、USJまで到着することができました。パーク内はお弁当の持ち込みが禁止のため、桜子さんが作った特製弁当は車に中に置いておくことに。
その日は快晴で気温も高かったため、気分爽快で、日頃の鬱憤を晴らすようにはしゃいだそう。昼過ぎに車の中でお弁当をペロリとたいらげ、日が暮れるまで遊び回りました。
◆高速道路で腹痛に襲われ大ピンチ
帰路につく名神高速でのことです。ゴールデンウィークということもあって、京都南先頭で豊中まで25キロの大渋滞でした。まったく、身動きが取れず、いつ解消するともしれないにもかかわらず、桜子さんは身体に異変を覚えます。
「突然、とんでもない強烈な腹痛がやってきました。冷や汗がダラダラ流れるし、お腹はずーっとグルグル鳴って…」
暑くなった車の中でお弁当が傷んでいたのか、普段とは異なる生活リズムだったせいか、お腹の調子を崩してしまいます。
◆車の中で漏らしてしまう
それに、桜子さん曰く、その日は5月にしては暖かい陽気で、何時間も弁当を車内に置いていたことで、食べ物が悪くなっていたのではないかと振り返ります。それだけ強烈な腹痛だったというのに、いっこうに車は動きません。最寄りのサービスエリアまではまだ8キロもあったそうで絶望的な状況でした。
眉間に皺を寄せて、言葉が少なくなった桜子さんを心配してか、良樹さんが「大丈夫?」と声をかけた瞬間に、とうとう我慢の限界が…
「必死に戦ってたんですけど、自分のシートが生暖くなって……今思い出しても身震いがします」
◆嫌な顔をせずに処理してくれた
ただそんな桜子さんを責めるでもなく、良樹さんは嫌な顔をせずに、フォローしてくれたそうです。
「地獄みたいな空気になりましたけどね。でも、次のサービスエリアで掃除してくれて、タオルやら替えの下着を買ってきてくれたり、すっごく優しくしてくれました」
ただ、女性としては最も見られたくない失態です。桜子さんは落ち込み、良樹さんの顔すら見れませんでした。
◆「うんちの匂いだって好きだ」
「もう、関係は終わった、別れるしかない、と落ち込んで顔も上げられなかったのですが、そのときに良樹が、『そんなことで嫌いになるわけないだろ、うんちの匂いだって好きだ』って訳の分からない告白をしてくれて……バカだと思いません? でも、そのおかげで、深刻な空気にはならずに済みました」
彼の告白を聞いて、桜子さんの良樹さんに対する信頼はさらに深まったそうです。
「ただ、レンタカーの清掃代は高額になっちゃいましたけどね」
旅行にはトラブルがつきものです。だからこそ、そのトラブルに見舞われたときに、フォローしてくれるパートナーだと、信頼が一層増すというものです。
―シリーズ「行楽・旅行のトンデモエピソード」―
<文/浅川玲奈 イラスト/ただりえこ>