生徒への「不適切な指導」で中学教諭が懲戒処分…若新雄純が考える「義務教育で先生が最優先すべきこと」

市川美絵がパーソナリティをつとめるラジオ生放送番組「Seasoning~season your life with music~」。5月13日(木)の放送は、木曜レギュラーパートナーの若新雄純(慶應大学特任准教授などをつとめるプロデューサー)が登場。最近起きたニュースを独自の視点で解説する「若新雄純の『色メガネ』」のコーナーでは、「教諭による生徒への不適切な指導」について取り上げました。

木曜レギュラーパートナーの若新雄純(慶應大学特任准教授などをつとめるプロデューサー)

◆教育の現場で一番守らなければならないものは?

神戸市教育委員会は、同市立中学校での部活動中に生徒2人を長時間立たせるなど、不適切な指導をした女性教諭を戒告の懲戒処分としました。

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部活動における顧問と部員の関係性について、若新は「“特殊な関係”ができる部分がある」と言います。懲戒処分となったこの女性教諭との事の発端は、部員2人が体育委員の任務をさぼって遊んでいたことを口頭で注意したこと。その後も、部活動中にその部員2人に対して反省を求め、部活動に参加させず体育館で立たせたそうです。

今回のように、先生が生徒に対して厳しい指導をしたニュースを見聞きするたびに、「そもそも義務教育における『教育』とはなんなのか。学校の先生はそのプログラムのなかで、なにを一番守らなければいけないのかを考えた」と言います。

若新は、「小中学校に通っている生徒たちは、教育を受ける権利を持っている」と前置きし、義務教育の場所にとって一番の問題は「例えば、生徒がさぼっていたり、悪いことをしていたりすることよりも、ほかの誰かの教育を受ける権利を邪魔することらしい。みんな教育を受ける権利を持っているので、その権利を守らなければならない。だから、授業をさぼったり、授業中に騒いで邪魔をしたりする行為自体が問題なのではなく、その生徒の悪さよりも、それによって教育を受ける権利がある生徒たちのことを邪魔していることのほうが問題」と説明。もちろん、先生はそのような行為をしている生徒に対しても指導をするべきですが、最優先すべきはその行為によって教育を受ける権利が邪魔されている状況にいる生徒たちを守ることだと言います。

部活動の顧問が部員に対して「部活に来るな!」と厳しい態度をとるべきケースはと言うと、若新いわく、部員がさぼっていることに対してではなく「ほかの部員の邪魔をする、後輩が練習できないようにする、ほかの部員に嫌がらせをして、それをされた生徒が学校に来たくなくなってしまうなど、まわりの生徒たちの教育を受ける安全を脅かしたとき」と主張します。

そして、「ただ部活をさぼって遊んでいる部員にとって、一番冷たくて厳しい指導とはなにかと考えたとき、最も厳しいのは放っておくことじゃないか」と断言。そうした行為をする部員に対してあえてしっかり指導しようとするなら、「やることは、立たせておく、体罰に出ることではなく、向き合っていろいろと話を聞いてあげること。時間がなかったりしてそこまでできなかったとしても、今回のように罰が先行してしまうのはどうなのか、議論すべき部分だと思う」と話していました。

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<番組概要>

番組名:Seasoning~season your life with music~

放送日時:毎週月曜~木曜 13:30~15:55

放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国20局ネット

パーソナリティ:市川美絵、角田陽一郎(月曜)、乙武洋匡(火曜)、副島淳(水曜)、若新雄純(木曜)

番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/38286

2021/5/30 6:00

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