父子家庭、月3万円で弟と食いつないだ中学生が「節約芸人」になるまで

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 お笑い芸人、ブルーザーの井上ポイントと申します。

◆2年間で100万円相当のポイントを貯める

 芸歴13年目ですが、芸人としての収入はわずかで、生活費の大部分はアルバイトでまかなっています。現在、38歳で結婚しており、4歳と1歳の息子がいます。

 趣味が節約&ポイ活(ポイントを貯めてうまく利用する活動)で、常にお得を求めて生活をしています。2018年〜2019年の2年間で100万円相当のポイントを貯めました。

 節約と聞くと貧乏くさい、面倒くさい、我慢しないといけないなどマイナスのイメージをする方が多いのではないでしょうか。

 しかし、僕は節約をゲーム感覚でやることを心がけており、毎日楽しく生活をしています。

◆小学1年生で母親を亡くし父子家庭に

 まずは、なぜ僕が節約をするようになったのか思い返してみました。僕は小学1年生のときに母親を交通事故で亡くしました。これがすべての始まりでした。

 当時、僕は母親がいなくなったことをちゃんと理解していました。しかし、それがどれほど重要なことなのかよくわかっていなかったのです。

 母親が交通事故に遭ったのが1990年10月1日で、亡くなったのが10月18日でした。

 その18日間や、お葬式で親戚とどんな会話をしたのかも今でもはっきりと覚えています。その日から僕は父子家庭となったのです。

◆月3万円で食費をやりくりした中学時代

 父親は毎日仕事に行っていたので、僕と弟のご飯は近所の方にお願いをしていました。そのあと、中学3年生で引っ越しをしたときに母親の料理本を発見し、そこから自分で料理をするようになりました。

 そこで父親からは弟と2人分の食費で月に3万円をもらうようになったのです。毎月3万円と決められた予算の中で食費をやりくりしないといけないということで、毎朝、チラシを見てその日に何を買うのかを決めて学校に行き、部活帰りにスーパーに寄って買い物していました。

 高校に入学すると弁当も作るようになり、ますますお得を求めて生活をするようになったのです。

 高校では野球部に入り、野球道具を入れる大きなカバンを持ってスーパーに寄っていたので近所で噂になっていたとあとから知らされました。

 チラシを見て食材を安く手に入れ、料理し、毎月予算の3万円で収めることが快感でした。

◆ゲーム感覚で節約を楽しむ

 安い食材が売っているからわざわざ遠くのスーパーまで行って時間を使う価値があるのか、それとも少し高いけど近くのスーパーで買った方がいいのか、いろいろ考えることが楽しくなり、本当にゲーム感覚で節約を楽しんでいたのです。
 
 今でもお得に買い物をしたときにゲームをクリアした感覚があり、達成感があります。この感覚が節約を続ける秘訣かもしれません。

 生姜焼きや肉じゃが、天ぷらや唐揚げなど何でも作れるようになりました。

 近くのスーパーで毎週火曜日にさんまやさばなど1匹100円で売っていたので、それを狙って買い物に行ったり、おからを安く手に入れて、おからポテトサラダやおからハンバーグなども作るようになりました。

 また、大根の葉っぱで浅漬けを作ったり、腐りそうな野菜があったら野菜炒めにしたりと食材を余らせないような工夫もしていました。

◆節約大学生、ポイ活の魅力にハマる

 大学生になり、僕はSuicaを使うようになりました。ビューカードからチャージをしていたのでその分ポイントが貯まるようなったのです。

 当時は今ほどSuicaを使えるお店が多くなかったので、別でクレジットカードも作りました。これがポイ活を始めたきっかけです。

 お店専用のポイントカードもよく作っていました。当時、ある集まりがあり、毎週のようにつぼ八で飲み会をする期間がありました。

 その集まりの幹事をやれば、つぼ八のポイントカードを作ってそのポイントを貯めていいということだったので、僕は幹事を引き受けました。わずか3~4か月で1万ポイントも貯まり、ポイ活初心者の僕は大喜びでした。

◆いまだに悔しさが忘れられない「ポイント失効事件」

 ただ、そのポイントを使ってしまうともったいない気がしてなかなか使うことができず、貯まったままの状態で使うタイミングをみていました。

 あるとき、友達4人でつぼ八に飲みに行く機会あり、そこのお会計が1万1000円くらいだったので、1万ポイントを使って僕がおごろうとレジに行ったのです。そこで衝撃的なことを告げられました。

「このポイント、有効期限が切れてますね」というのです。ポイ活初心者だった僕はポイントの有効期限なんて考えていませんでした。

 結局、友達には2000円ずつ払ってもらい残りの5000円を僕が払いました。このときのショックは今でも忘れられません。ポイントがポイントではなくなったことが悔しくて悔しくてたまらなかったのです。

◆「無駄なこと」を省いていくことが節約の理想形

 節約しているつもりがないのに自然と節約になっているというのが、理想の節約だと思います。

 僕は家庭環境もあり、周りの人にいろいろと助けてもらいながら生きてきました。

 その結果、できるだけ人に迷惑をかけないようにしよう、無駄なことをしないようにしようと考えるようになったのです。

 そして、自分では無駄だと思うことにはお金をかけないようになり、節約へとつながっているのです。

 その無駄なことは人それぞれでいいと思っています。僕が無駄だと思うことを人はそう思わなかったり、人が無駄だと思うことを僕は無駄だと思わないことがあるのです。

 後編では、僕が習慣としてきた節約をご紹介したいと思います。

【井上ポイント】
1983年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒。お笑いコンビ「ブルーザー」のツッコミ担当。2021年5月に井上ブルドーザーから現在の芸名に改名を果たす。極度の節約好きで、ポイントやキャンペーン情報に精通している。ブログ「井上ポイントの貧乏だけどこれだけ楽しんでますブログ」、ユーチューブ「いの得ちゃんねる」にて日々、お得情報を配信中(Twitterアカウント:@InoueJuniti)

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