ウィリアム王子、英BBCを激しく非難 亡き母ダイアナ妃の「恐怖心と妄想を煽った」

英時間20日に発表した声明でウィリアム王子は、母ダイアナ妃への独占インタビューを獲得したBBCの欺瞞的な方法を強く批判し、最愛の母を擁護する思いを述べた。

1995年、英BBCの番組『パノラマ』が、ジャーナリストのマーティン・バシール氏によるダイアナ妃へのインタビューを放送した。番組中で妃は「この結婚には3人が絡んでいる」と明かし、チャールズ皇太子とカミラ夫人が愛人関係にあることの示唆や自身の不倫を告白するなどといった爆弾発言が世間を驚かせた。

昨年10月、『The Sunday Times』はバシール氏が偽造した銀行取引明細書をダイアナ妃の弟チャールズ・スペンサー氏に見せ「ダイアナ妃の側近で、妃の情報を金銭と引き換えにマスコミにリークしている者がいる」と欺いたと報道。バシール氏の話を信じたチャールズ氏が、妃へ取材に応じるように引き合わせたと伝えた。

この報道を受けBBCは同年11月、控訴院民事部を統括する元記録長官ダイソン卿を指揮者に任命し、この件に関する独立調査を開始した。そして英時間5月20日、バシール氏がチャールズ氏を欺いて誘導しインタビューを実現させたのは事実だとの調査結果が報告された。

今回の声明でウィリアム王子は「報告書を作成してくれたダイソン卿とチームに感謝します」と述べた後、BBCに対して痛烈な批判を浴びせた。

「BBCの社員が母とのインタビューを得るために嘘をつき、書類を偽造した。王室についての薄っぺらいデマを流し、母に恐怖心や妄想を煽った。番組に対する苦情や懸念を調査する際には、ひどく無能であることを示したうえ、メディアへの報告を忌避し、内部調査で分かったことを隠蔽していた。」

「騙し討ちのような形でインタビューを受けたことが、母の発言に大きく影響したと私は見解している。このインタビューは、両親の関係を悪化させることに繋がり、その後も数えきれないほどの人々を傷つけている。」

インタビューが放送された翌年、ダイアナ妃はチャールズ皇太子と離婚。そして現地時間1997年8月31日、パパラッチに追われたためパリで自動車事故により他界した。

調査結果を受けて、ヘンリー王子も声明を発表、「母はこのために命を落としたが、何も変化していない。母のレガシーを守ることは、全ての人々や母が生きた尊厳を守ることでもある。彼女がどんな人で、何のために生きたのかを忘れないで欲しい」と伝えた。

ダイアナ妃の弟チャールズ氏は「私はバシール氏と1995年8月31日に会った。そして2年後のちょうど同じ日、姉は事故死した。この2つの出来事にはつながりがあると考えている」と述べた。

ダイソン卿による衝撃的な調査結果は非難の声が高まり、BBCはウィリアム王子とヘンリー王子、チャールズ・スペンサー氏らに謝罪文を送った。インタビュー番組が受賞した英国アカデミー賞(BAFTA)などはすべて返還された。

ちなみにバシール氏は先週、健康上の理由でBBCを辞職した。同氏は心臓のバイパス手術を受けた後、新型コロナウイルスによる合併症で深刻な健康状態に陥っていた。

画像1、3枚目は『The Duke and Duchess of Cambridge 2021年5月20日付Twitter「A statement on today’s report of The Dyson Investigation」』『Panorama 2021年5月20日付Twitter「Princess Diana’s brother, Earl Spencer, has told Panorama that he ‘draws a line’ connecting a chain of events that ended in her death」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

2021/5/23 15:52

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