「好きなことを仕事に」は可能か? パチスロ馬鹿が教える真実の話

拡大画像を見る

 パチンコ・パチスロ業界を盛り上げようという集団「1GAME」の代表で、奇抜なジョーカーメイクと辛口コメントが人気のてつさん。『パチスロ馬鹿が動画配信を始めたら再生回数が1億回を超えました』に続き、2冊目の著書『福の神の作り方- パチスロ馬鹿が教えるお金不要の投資と貯蓄-』を上梓されました。

「あなたはいくつもの目に見えない資産を持っています。まずはお金を必要としない投資から学んでいきましょう」(著書より)と話すてつさんが、“貧乏神”と暮らさずに“福の神”(=資産)を育てる(=投資)秘訣を説いています。
 
 そんなてつさんから、「好きなことを仕事にしたい」「でもうまくいかない!」と悩む読者へのアドバイスを聞きました。

◆仕事終わりの飲み会は不要

ーー本書に“悪習慣”を示す言葉として登場する「貧乏神」ですが、「余暇は休息に充てる」「自分へのご褒美を忘れない」「自分の価値観を信じる」「高給取りを目指す」など、逆に世間で良しと言われていることが挙げられていて面白いです。

てつ:今、世の中は「個人の時代です」と、会社に縛られず、会社から出たら自分へのご褒美として時間をたっぷり使いましょうとか、耳障りのいいことを言いますよね。でも時間は限られているので、「お疲れさ~ん」と飲んでいる人と、家に帰って本を一冊読んでる人とでは、もう恐ろしいくらい差が開いていくんです。「1日働いて、疲れた~」って、確かにどの仕事も肉体的にも精神的にも疲れますけど、人間はそんなに弱くないです。

 家に帰って、次の2年後、3年後の自分のためになることを、楽しみながらやれる人は強い。帰りに飲んでへべれけになったって、友達は作れるかもしれないけど、そんなに自分のためにはならないですよ。もちろんパンクするほどやる必要はありませんが、自分をあまり甘やかさないほうがいいと思います。

ーーてつさん自身、お酒におぼれた時期があるんですよね?

てつ:今のようなことが分かってきたのは30歳を超えてからです。20代で起業したときも、単純に収入を増やしたかっただけで、何をしたいかは考えていなかった。ビジネスのビジョンはあっても、自分に対するビジョンがなかった。そうするとお金が入ってきてもしんどい。目的がお金ではなく、僕がどうなりたいかが重要で、お金はあくまでもそのための手段なんだと30代になって気づきました。お金を目的にしていると自分がなくなります。

 でもそれも結果論で、20代で「目的はお金じゃない」なんて気づいていたら、僕、天才ですから。僕も一度は自分をなくしました。この本は、「一度大きな失敗をしています」と書いたうえで、そこから這い上がった経験者の話は聞いておいたほうがいいですよ、という気持ちのもとに、秘策を書いています。

◆仕事に合うのは「好きなこと」よりも「得意なこと」

ーー現在は「好きなこと」で成功しているわけですが、好きなことを仕事にしたいけれど、うまくいかずに悩んでいる人も多いです。

てつ:仕事に合うのって、好きなことよりも、得意なことだと思うんです。好きなことと得意なことってちょっと違うかもしれないけれど、得意なことで嫌いなことってあんまりない。できることとやりたいことを、まず切り分けて考えたうえで、今の時代はできることの可能性が広がっているので、今の仕事をしながら、好きなことがビジネスとして日の目を浴びる可能性が1mmでもあるのであれば、やっちゃうのがいい。ただ好きなことに全振りというか、全力を出しちゃうのはリスクがあるので、副業とか平行してやるのがいいと思います。

ーー好きなことを得意なことに持っていくこと、好きと得意を繋げることは可能でしょうか。

てつ:一番いいのは、得意なことを好きなジャンルでやることかなと。たとえば僕の場合、パチンコとかパチスロは昔から好きで、かといってそれだけで食べていくのは現実的におっかない。そして得意だったのは文章を書いたり、情報を大勢の人に配信すること。得意なことは仕事でやっていたんですけど、それをパチンコ、パチスロのジャンルでやり始めてフィットした。ただそこには「熱業」はすごく必要です。時間は限られているのだから、重要性の低い飲み会とかの時間を削ってやらないと。

◆目標から逆算したロードマップが重要

ーー自分ではやっているつもりでうまくいっていない人もいます。

てつ:正反対の2パターンがいて、「チャンスが来たら」とか「このタイミングが来たら」とかって考えて、正解が見つかるまで動けない人、もうひとつは何も考えずにやっている人。いくらすぐにやったほうがいいとは言っても、どうやったらうまくいくかをちゃんと考えないと、行動力だけバカみたいにあってもダメですから。

ーー向かっている方向が間違っている場合もありますよね。

てつ:よくあるのが、起業したいと思って、コネづくりとか交流会で名刺交換ばかり頑張って、結局仕事に結びついてないとかね。その時点では、そもそも自分が何者でもないんだから。たとえば自分はこのソフトウェアを作って、世の中に貢献していきたいというすごく大きな夢があるとするなら、逆算して、その能力を身につけなきゃいけない。そこがなんとなくふわふわしている人は、まずは自分が何をしたいのかはっきり見えないと。

 自分がどうなりたいか、堅苦しく言うと、ロードマップがないと。僕はA3の用紙を広げて書いたりしました。ここからここに辿り着くためには、何をすればいいのか。途中を埋めていく。別に大層なことじゃなくていいので、頭の整理をするつもりで、全部書き出してみるのはいいですよ。ただ何もしていない人よりは、空回りしている人のほうがマシかなと思います。かみ合えばいいだけなので。

ーーうまくいかなくても、失敗は悪いことじゃない。

てつ:全然悪くないです。ただ、空回りしていてもいいんですけど、そこでやってる気持ちになって満足しちゃうのはダメですね。「俺、頑張ってる」とか、自分を誉めちゃうのはよくない。何もしないよりいいけど、かみ合ってないという事実はちゃんと受け止める。

◆人間、折れるときには一瞬でボキっといく

ーーかけた時間を投資と見ると、てつさん自身の経験から、情報発信ビジネスに繋がるまで、どれくらいの投資が必要でしたか?

てつ:僕は、ですが、最低でも3年は何もない時間がありました。それこそ空転している状態です。ニコニコ動画でやってみて、響きが悪いから文章媒体でやって、リサーチしてリサーチしてやっとかみ合い始めたのは、本格的にはじめてから2~3年経ってから。それくらいの時間は絶対かかる。あと、かみ合う前もかみ合った後も、世の中の動き、トレンド、テクノロジーといったものには、敏感でいたほうがいいと思います。

ーー3年というと、てつさんの失敗したあとの復活は、決してV字ではなかった?

てつ:徐々に徐々にです。人は急にはスイッチは入りません。でも切れるときは一瞬です。本当にボキっと折れますよ。そこから徐々に、そのためにはやっぱり「熱量」が必要です。

◆ビジネス本はジャケ買いの感覚で買いまくれ

ーー「本を読め」と書かれています。てつさんはもともと本はお好きなんですか?

てつ:小学生のころから好きでした。『ズッコケ三人組』とか、さくらももこさんの本とか。ミステリーとかSFも好きですし、今も好んで読むのはビジネス本より小説です。そこからアニメやエンタメも好きになりましたし、ネタの引き出しにも生きてるかな。

ーービジネス本も読みますか?

てつ:読みます。それこそCDのジャケ買いみたいに。タイトルで気になったら買うとか。いろんな有名な方が自分で一生懸命時間をかけて勉強、研究したことを、きれいにまとめて1000円ちょっとで教えてくれるんですから。そこで引っかかるものがあればラッキーだし、それこそ内容がひどいものだったとしても、表紙だけである程度売れるんだなという勉強にもなる。動画の発信にも、サムネイルとか看板の大事さを考えられますしね。

 それに、1冊に心酔するのはあまりよろしくないけど、手当たり次第読んでいると、同じようなことが出てきて、「これはやったほうがいいことなのかな」と思える。

◆自分にとって必要なものを数年かけて習慣づける

ーーYouTubeチャンネル『妖回胴中記』がとても人気ですが、てつさんのトーク力も支持を集める理由です。何か研究はしたのですか?

てつ:芸人さんのコントや漫才とか、島田紳助さんを結構リスペクトしてます。うまい人のパターンを見て分析して、自分のキャラクターとしてはここに持っていくのがいいなと考える。喋り方や間とか、笑いを入れるタイミングとか。YouTubeに関しては、文章を読んでいる層とはまた違って、理論がしっかりしているヒール(てつさんのジョーカーメイクキャラ)という設定が通じなかったりするので、若干コメディ路線に振っています。

 今までのファンもいるので、尖った感じを残してはいますが、基本は自虐ネタとか、みんながストレスなく見られるもの。ガチガチの主張ではなく、バラエティ番組にすることを意識しています。

ーーユーザーの反応は意識して取り入れますか?

てつ:意見を取り入れることは、ほぼないです。基本、見るのは数字だけ。YouTubeでもSNSでも、書き込む人は全体のほんの数パーセントです。それが目立つから、総意かのように見えるかもしれないけど、裏にはその何百倍もの何も言っていない視聴者がいる。全体の意識が現れるのはコメント欄ではなくて、数字です。あとコメントを参考にする場合は、こういうことをすると、こういう流れ方をするんだなという見方ですね。データのひとつとして扱う。その辺はドライに考えています。

ーー最後に、「福の神」を取り込んでいくために、これだけは大切というポイントを教えてください。

てつ:繰り返しになりますが、大事なのは、自分にとって必要なものと必要じゃないものを切り分けて、必要なものだけをやってみること。それを1日とかじゃなく、数年単位で習慣化する。とにかく一度自分を見つめることですね。「まあ、いっか」って言ってるところは、大抵よくないので(笑)。

【てつ】
パチンコ・パチスロ業界を盛り上げようという集団「1GAME(ワンゲーム)」の代表。YouTubeチャンネル『妖回胴中記』のチャンネル登録者数は約57万人を超える。オンラインサロン『遊び人ギルド』はDMM ONLINE SALON AWARD2020「オンラインサロン大賞」を受賞した。

<取材・文/望月ふみ 写真/渡辺秀之>


関連リンク

  • 5/22 8:52
  • 日刊SPA!

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます