HKT48森保まどか、最後の写真集は「気持ちも全て乗せた 私の塊のような作品」に

HKT48の1期生として長年グループを牽引してき森保まどか。かねてからのアナウンス通り、5月29日に10年間という長きに渡るアイドル人生に終止符を打つ。


その森保の卒業を記念した写真集、『HKT48森保まどかラストフォトブック スコア』(刊:KADOKAWA)が5月26日に発売される。合奏におけるパート総てを記した「総譜」をタイトルに冠した通り、福岡の街を舞台に、喜怒哀楽、天真爛漫さを全開にした“森保まどかという人間の全て”がこの1冊に納められている。


今回、この記念すべき作品の発売を記念し、森保本人にインタビューを実施。写真集にまつわるエピソードから、卒業を控えた今の想いについてうかがった。


<前編>

私が見せたかった姿、みなさんが見たかった姿、全てをおさめました

――約6年ぶりとなるフォトブック発売おめでとうござます! まず『スコア』をご覧になっての感想はいかがです?

 一言で100点満点!最高のものが出来上がりましたし、仮に私が“森保まどかファン”なら、この内容を見たら嬉しくなると思います……自画自賛は恥ずかしいのですが(笑)。最後の作品として私がやりたいことの全てを注ぎ込みたかったのはモチロン、ファンの方が望む“アイドル・森保まどか”最後の姿としてどんなものが相応しいんだろう?と考え、皆さまの想いに応えられる作品にするために編集担当の方に色々と相談や提案しました。そのお願いしたことの全てを叶えていただけたおかげで、朝・昼・夜、とっても濃い三日間でした。


――森保さんのやりたいこと、ファンの方への想いを、どのように形作ろうと提案されてのですか?

男性ファンの皆様へは「彼女感」を感じられたら楽しんでいただけるのかな?と思い、三日間に渡り私とデートしているような感覚になれるような画作りを意識しました。ロケーションは私がずっと通っていた唐人町のお店や、初めて行く中洲の屋台といった街中や、山、海と本当に色々な場所で撮影していて。海も三日間全て違う海……糸島、能古島、百道浜で撮影して、能古島に向かうカーフェリーの中でも撮影したりと、私の作品でありながら、福岡のガイドブック的な側面にもなればいいなという想いも込めています。ぜひこのフォトブックに載っている場所をファンの方にも訪れていただき、「ここか!」と楽しんでもらいたいんですね。

女性の皆さまにはファッショナブルな面を楽しんできたくて、ビスチェやボディスーツを着た、落ち着いた雰囲気の姿を撮っていただきました。そしてピアノとのショット。ファンの方から「ピアノを弾く姿が好き」と言っていただけること多く、私にとってもピアノは大切な存在なので、ドレッシーで清楚な感じで撮っていただきました。あとはHKT48劇場での普段の私も見てもらいたくて、自前のレッスン着を用意して自由に撮りました(笑)。私が見てもらいたかった姿、みなさんが見たかった姿の両方を織り交ぜ、見事にその双方がキレイに合わさったスゴくステキな作品になったと思います。

完全に“素”の表情は長年のファンほどビックリ!?

――これまでバシッ!とキメた写真が多いイメージでしたので、素に近い恰好や自然体の姿を撮られるのは相当珍しい体験だったのでは?

そうでしたね。今までは大人っぽい印象を持たれがちで。写真を撮っていただく時は常にキメキメの表情で、用意していただいた服も基本黒のワンピースみたいにシックなものが多かったんですよ。今作はそうしたみなさんの持っているイメージから飛んで、本当に普段通りの私を納めていただいています。


――街中でのカットは、恰好も含め“天真爛漫さ”が出ていますよね。

 街歩きのシーンや食べている姿は完全に“素”の私でしたね。舌を出して見たり、ウインクもしてみたりと、本当に今までやってこないポーズをやりました。他にもパンツスタイルのショットは限りなく私服に近いものでコーデにしていて、これまでの私のイメージから遠い恰好ばかり。普段のオチャメで砕けた部分を見てもらえるのは嬉しいですね。もしかしたら長年応援してくださったファンの方ほど、新鮮に感じられるかもしれません(笑)。


――一撮影で印象的なショットはどこでした?

撮られていて印象的だったのは、ドレスを着てピアノに寝そべるショットですね。ピアノを弾く以外で使う初の経験ができたのは面白いなあって(笑)。きっと読まれた方それぞれで、好きだと思うカットが違うと思います。たくさん「これが良かったよ!」と感想を伝えてもらえると嬉しいです(笑)。



写真だけでなく言葉でも私の全てを見せた

――合間に挟まれる森保さんによるエッセイも見所の一つですね。

編集担当の方に「自分の気持ちを書いてみたら?」と提案していただいたんですよ。まさか写真集を作るにあたり、初エッセイに挑戦するとは想定外。いざ書いた文が写真と共に並んでいると……「相乗効果」と言えばいいのでしょうか? 言葉によって写真が活きてきて、写真の私の気持ちを綴った文字も説得力が増したような気がします。


――「好き」「嫌い」や「趣味」、「夢」、「アイドル」など、10個にわたるパーソナルなテーマで書かれています。どういった理由で、このテーマ群を選んだのでしょう?

私、今までプライベートでもSNSでも、ファンの方やメンバーに自分の考えや想いを主張してこなかったんですね。“私の全てを見せる”と掲げた作品で、いつものような言葉を並べても説得力がないなと思って。この際、普段私が頭の中で思い浮かんだ言葉や、SNSに載せるには恥ずかしい本当の私の真ん中にあるものをこの機会に表に出してみようかなって(照笑)。

正直書きはじめていくと、段々ポエミーな内容になってきて。変換する言葉も普段使いしない難しい言葉を使ってみたり、「思い」をわざわざ「想い」に変えてみたりして。その結果、携帯の変換機能にやたら高尚な文字が並ぶようになりました(笑)。しかもエッセイを書いている最中に送っていた会員の方限定のメールにも自然にその癖が出て、「言葉が深くなったね。詩みたい」という感想をもらうようになりました(笑)。改めて言葉にすることで自分の全てを全て出し切れて、最後の最後に自分の塊のような記念的な本が残せるのは本当にありがたいですね。

メンバーとのエール交換で感じた「HKT48の個性の豊かさ」

――後半には長年共にしてきた1期生の方々、そしてChouのメンバーとのショットが納められています。

「何か1期生、Chouのメンバーでできたらいいな」と、このフォトブックのお話をいただく前から考えていたんです。それこそChouには「Chouで写真集を出す!」という大きな夢があったので、私の卒業が決まった時「この7人では、できなくなっちゃうね」とみんなと話していたんです。そうしたら「フォトブックで1期生とChouと一緒にどう?」とお話をいただけたんですよ。本当に嬉しかった。海をバックにした撮影だったのですごく気持ちが乗ったのはモチロン、撮影中も待っている間もみんなと過ごす瞬間を噛みしめていました。

――メンバーさんとは互いのエール交換も行いました。みなさんからのメッセージを読んだ時はどう思われました?

 一人ひとり、個性あふれているなあって(笑)。内容もモチロン、直筆なので味わいが全然違うし、「字、大きい!」という子もいれば、細かく書いてくれる子もいて。本当にHKT48って個性豊かな子ばかりだったんだなあって、改めて言葉と文字から実感しちゃいましたね。実はみんなはまだ、私からのメッセージは読んでいないんですよ。どんな反応をもらえるんだろう? 嬉しい反応だったらいいなあ(笑)。

<後編>


今でも忘れない「反抗期」のころの懺悔エピソード

――お父様がナイショで応募したところから始まった森保さんのアイドル人生。この10年という長きに渡る日々を振り返っていかがでした?

そうですね……この先の人生は長いですが、お婆ちゃんになって今までを振り返った時に、HKT48で過ごした時間が真っ先に思い浮かぶはず。それほど濃厚な日々でした。本当に自分にとっての青春とはHKT48だったなと、卒業が近づく度に実感しています。


――今、着々と卒業までの瞬間のカウントダウンが進んでいるわけですが、どういうお気持ちで日々を過ごしていますか?

フォトブックの撮影も、私にとっての最後のシングル『君とどこかへ行きたい』の準備も本当に近々まで行っていたので、発表からしばらくはそこまで強く別れを実感していなかったんです。ただ『君と~』のレコーディングが終わった後、加入時からお世話になってきたレコーディングスタッフさんにお別れの挨拶をしたり、『君と~』のMV撮影が終わった後には長年ご一緒した撮影クルーの方々から花束をいただいたりと、今まで当たり前のように会えていた人と会えなくなりはじめて、やっと「あ!私、本当に卒業するんだ!!」という気持ちになってきました(苦笑)。


――寂しさがジワリと滲んできている状態?

う~ん、寂しさよりは、“不思議さ”の方が強いかも。10年間続けていたことが卒業を境にポッカリ空くって今までの人生で経験してこなかったので、離れる想像ができなくて。それに、私は10年という長い時間で培ったものを一つずつ“終わらせていく”時間をいただき、悔いなく旅立てる準備が出来ている状態のため、むしろ今は嬉しさが勝っているぐらいなんですよ。寂しさはきっと全てが終わった瞬間にスッと訪れてくるんじゃないかな?



――やり残したことや、後悔はない状態ですか?

はい、大きいステージにも立たせていただき、ミュージックステーションをはじめ、大好きな歌番組にも出演できました。それに、森保まどか名義で写真集2冊、『私の中の私』というピアノの作品を1枚残せ、最後の最後にはソロ曲までいただけて。本当に「こうしておけばよかった」という後悔はゼロ。ずっと心に引っかかっていたことも、無事取る機会をいただけて本当に晴れやかな状態です。


――その心に引っかかっていたという話、詳しくおうかがいしてもいいですか?

一時ものすごい反抗期を迎えて、お仕事の時に長年お世話になっているタレントさんに失礼な態度を取っちゃったんですよ。その時は収録に必死だったためか頭が回らず謝らないまま終えてしまい、後々「ものすごく失礼だった……」と反省し、その場ですぐに謝れなかったことをずっと後悔していたんです。その日から3年ほど経って再び共演する機会があり、そこでやっと「あの時は申し訳ありませんでした」とちゃんと謝れたんです。その方は優しくて、スッと受け入れてくださったのが嬉しかった。きっと謝る機会がなかったら、一生後悔したまま人生を過ごしていたと思います。

――優等生という印象が強い森保さんに、反抗期まっしぐらの時代があったとは。

活動中は全然そうした姿を見せてきませんでしたからね。ただ、その頃は握手会などでファンの方にも冷たい態度を取ってしまい「そういうの良くないよ」と指摘されても「私の気持ち、わからないくせに!」と反発していて。本当にあの時の私にかかわってイヤな気持ちになった方、本当にゴメンなさい(苦笑)。

――アハハ!これでファンの方も「そうだったのか!」と納得しますよ。

そうした月日を全て笑って振り返られファンの方がいらっしゃったのが救いでした。きっと皆さんにとって手のかかる娘だったと思います(笑)。

私の“第三章”はワクワクとドキドキを楽しむ人生に

――『君と~』には、初のソロ曲『この道』が収録されますね。

『この道』、とてもステキな歌です。歌詞が今の私に突き刺さる言葉になっていて、歌っている間ずっと「そう、そうなんだよ!」と一言一句を噛めていました。私もこの歌詞のように、この先を真っ直ぐ生きていきたい。アイドルとしての最後の曲が、私の新しい始まりの背中を押してくれる歌になったのは嬉しいですし、身が引き締まります。


――卒業発表の際、「もっと色んな景色を見たい」とおっしゃっていました。この先に広がるどんな景色を見たいですか?

私にとって、この先は人生の第三章だと思っているんです。ピアノに熱心に打ち込んでいた幼少期が第一章、アイドル・森保まどかという濃い時間が第二章。そしてこれからの第三章は……自分の意思で全てを決定していくワクワクと、その分責任も増す不安やドキドキの両方楽しんでいける人生にしていきたいという想いがあります。夢はたくさんあるのですが、その先々で見つけた様々なことに挑戦したいので、コレ!と決めず自由に楽しみたいですね。


――その夢語りはこの先の楽しみとして、卒業してまずHKT48時代にできなかったことを堪能するとしたら何をしたいですか?

とにかく1、2日は寝まくって、半月はカロリーを気にせず好きなものを好きなだけ摂取する!これは決定事項なんです(笑)。あまり自分に「これは食べたらダメ!」と科してきたわけではないのですが、やはり頭の片隅に「これは食べるのを止めよう!」という言葉があったので、一度はリミットを外してみたくて。とにかく福岡をはじめ、日本全国のラーメンを食べたい。これが今一番叶えたい大きな夢でしょうか(笑)。


インタビュー・文:田口俊輔

撮影:田中智久

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