青汁王子・三崎優太は「青汁を売ってたまたま当たった一発屋」なのか

 実業家の三崎優太氏の代名詞といえば、もちろん「青汁」。青汁が大ヒットし、わずか3年で年商130億円の会社に成長させたことで、どこか「青汁を売ってたまたま当たった一発屋」という見られ方をすることがあるという。そういった一部の声に対し、三崎氏は「僕はそう思われていてもいい」と話す。

◆◆“青汁王子”ではなく“D2C王子”

「僕がやっているのはいわゆる 『D2C』と呼ばれるものです。これはDirect to Consumerの略で、自ら企画・生産した商品を、広告代理店や小売店を挟まずに消費者と直接取引する販売手法のこと。僕は青汁で、その走りをやったんです。これは青汁がすごかったのではなく、実はD2Cというビジネスモデルがすごかったのです。その意味では僕は“青汁王子”ではなく、“D2C王子”なんです(笑)。

 一般的な通販だと、一度お客さんには売って終わってしまいますよね。そこからメルマガを送ったり新しいコミュニケーションをしたりして、もう一度買ってもらう必要がある。

 ところが、D2Cはお客さんに定期で契約をして、毎月お送りするという『毎月定期便』、いわゆるサブスクリプションなんです。このビジネスモデルの可能性に誰よりも早く気付き、いち早く始めたから先行者利益を得ることができたんです。

 今はそういう会社は10社ほど持っていて、青汁王子と呼ばれていた頃以上にビジネスは好調です。でも、世の中の人はそのビジネスモデルに気づいていなくて、『たまたま青汁を売って儲かった人』と見られることもあります。でも、そう思われていてもかまわないと思っています。みんなが気付いていないから競合が増えませんから」(三崎氏)

 しかし三崎氏はその知識やノウハウを隠すことなく、D2Cに特化した完全無料のオンラインスクール「青汁学院大学」を設立、3月から受講生にD2Cノウハウを徹底的に伝授してきた。青汁学院大学には3012人の受験者から最終的に14人が入学し、「地方創生×D2C」をテーマに商品開発から販売までの一連の流れを体系的に教えてきて、4月、青汁学院大学の全講義を修了した。

 講義を受けた受講生からは「ブルーオーシャンではなく、レッドオーシャンで勝負。驚きの連発でした」、「授業の素晴らしさは想像を遥かに超えていました。目から鱗の情報ばかりで、本当は教えたくないと言いながらもすべてを教えて下さった恩を必ず何倍にもして返したいと思いました」といった満足度の高い内容となったようだ。

◆◆自分にとっては当たり前のことでも誰かの役に立つことがあると気づかされた

「今まで、そして今も自分がやっているD2Cを教えるというのは人生初めての経験で、正直どこまで伝わるのか課題にしていました。終わってみると、自分が思っている以上に皆さんが一生懸命調べ、ビジネスアイデアを考えてくれて、けっこう伝わっているんだなというのを実感しました。やってきてよかったな、意義のあるオンラインスクールになったなと思います。

 現役のD2Cプレイヤーである自分にとっては当たり前だと思っていたD2Cのノウハウが、意外と人の役に立つんだなという気付きにもなりました。僕にとってはすごく普通のことを話しただけなのですが、それが皆さんの価値になるというのは嬉しかったですね。また、人に教えたことで、自分も勉強になりました。ここから成功者が生まれてくることで僕が今回やったことの価値が出てくると思うので、応援していきたいですね」(三崎氏)

 三崎氏は現役のD2Cプレイヤーとして複数の会社のオーナーをしながら次世代経営者の育成もする実業家・経営者としての顔だけでなく、「SNiii」(すにぃ)というアイドルグループを作り、自身もメンバーのひとりとしてパフォーマンスするなど、多岐にわたる活動をしている。さらに仮想通貨投資では1日で2億円も儲け、大きな話題を振りまいている。「青汁がたまたま当たっただけの一発屋」ではないようだ。<取材・文/横山 薫(SPA!取材班)>

―[過去は変えられる]―

【三崎優太】

1989年生まれ、北海道出身。実業家、起業家。高校を二度退学後、パソコン1台で起業し、18歳で株式会社メディアハーツ(現:ファビウス株式会社)を設立。2017年に「すっきりフルーツ青汁」が累計1億3000万個の大ヒット商品となり、年商131億円を達成。「青汁王子」の異名で、メディアへの露出も多数。著書『過去は変えられる』では、なぜお金配りや若者支援をするのか、その活動の原点などを明かしている。2021年に、若年層を中心にした事業支援を行う自身の活動の一環として「青汁学院大学 D2C学部」を開校。

2021/5/21 8:53

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