タレのプロに訊く! 一発で味が決まるタレを使った絶品すぎる「時短レシピ」

 度重なる緊急事態宣言やまん延防止で、すっかり自宅ゴハンが当たり前の日々に。庶民はそんなに某デリバリーをしょっちゅう使えないですよホント。そして、自炊って体に良さそうだけれど、味がビシッと決まらない。さらに、味が毎回単調になってくるのが悲しい。

 料理レシピの、大さじいくつとか、カップ何杯といった面倒臭い調味料の配合をすっ飛ばして、一発で味が決まって、しかもワンランク上の美味しい料理を作りたい! ということで向かったのは横浜・シーサイドライン幸浦駅から徒歩5分の場所にある『マルキュウ食堂』。幸浦の流通団地にある「横浜マーチャンダイジングセンター」ビルの1Fにあるお店です。

 なぜ倉庫エリアの食堂に行くのか? 実は『マルキュウ食堂』、液体調味料を製造・販売している『武居商店』という会社の直営店。自社製のたれを味のベースにした料理を提供しているのです。

『マルキュウ食堂』を経営する武居商店は明治5年創業、約150年の歴史を持つ会社。液体調味料(焼肉、うなぎ、ラーメンのたれなど)に、ドレッシング、ソース等の業務用商品を製造・販売。行列のできるラーメン店やショッピングモールのフードコート、居酒屋などで使われているそうです。横浜南部市場の「食の専門店街」に直売所があり、工場直売価格で業務用から一般向けまでオリジナル液体調味料を販売しています。

「元々ここがオープンしたのは2020年の8月。タレを使った食堂をやりたいと思って始めたんですよ。現在店内で並んでいるのは10種以上。全て試せるので、好きな味を見つけて欲しいですね」とニッコリ。

味見して好みの味ならボトル購入! いろんな味をチェックできる!

 そして、タレ問題としてあるあるなのが、自分の好みの味か否か。口コミで手にしたり、安かったから買ってみたものの、どうも好きな味じゃない……となると、冷蔵庫の奥に入れっぱなしの不良在庫になりがちです。

 でもこの食堂には、料理を受け取るカウンターに、たれやドレッシングがずらっと並んでいます。実際に味をチェックすることができちゃうので、買ってから後悔する、といったリスクを防げます。

 タレを混ぜるだけでプロの味。しかも買う前に味がチェックできる。それは実際に食べに行くしかないでしょうということで実際に店舗に伺いおすすめのタレと料理を3つ紹介してもらいました!

唯一無二! 食券ならぬ食”缶”機。最上段は液体調味料!

 そして、おそらくここでしか見られない? のが、食“券”機ではなく食“缶”機。実際には食“ボトル”機?

「食券機じゃないんですよ。いわゆる自動販売機。一番上の段ではボトル調味料を販売していて、2段目は、食堂で提供している料理が書かれたボトルになっています。食べたいものが決まったらボタンを押して、落ちてきたボトルを下からとって、カウンターに出してもらうんですよ」と武居社長。ちなみに一番下の3段目には普通にお茶やジュース、ビールが。

 つまり、液体調味料の自動販売機兼、食券機兼、ドリンクの自動販売機。1台で3役。確かに、ボトルに料理名を書いて取り出せるようにすれば、食券機を新たに導入しなくていいし、お客さんもお店側も手間は一緒。すごい合理性。なんだろう、SNSとかで話題になってそうな気もします。

「焼肉のたれ 赤」×「塩だれ」でレバニラ炒め!

 まずは店イチオシの料理、「レバニラ炒め定食」(800円)。「野菜はもやしに塩胡椒をさっとふるぐらい。赤と塩だれを半々ぐらい、ちょっとだけ塩だれの割合を多くするぐらいで味が一発で決まりますよ」。

 ちなみにレバーは、質のいいレバーを販売している、井土ヶ谷にある「木下商店」から仕入れているフレッシュなレバー。

「焼肉のたれ 赤」の原材料を見ると、国内製造の醤油、砂糖、発酵調味料、みそ、菜種油、りんごなどなど色々なものが入っています。もちろん塩だれにも様々な材料が。なので、この2つのタレ投入で当然複雑かつ深みのある旨さにあっという間に完成。手間がかかっているような味わいなのに手間かけてない。まさに時短料理!

「焼肉のたれ赤は、ゴマとごま油、ニンニクをきかせた、醤油ベースの王道・焼肉のたれですね。バランスがいいので、普通に肉にかけてもいいし、チャーハンの味付けにもいいですよ。焼肉の塩だれもニンニクをきかせた、漬け込むのにも便利なタレ。唐揚げの下味に使うのもいいし、キャベツやレタスにかければ即、焼肉屋さんのサラダになりますよ」。

 塩だれはキャベツを始め葉物野菜との相性が抜群だそう。ニンニク&ごま油は確かにオールマイティな気がします。

「焼肉の味噌だれ」×「塩だれ」で豚肉とキャベツの味噌炒め!

 2つ目の料理は焼肉の味噌だれを使った、「豚肉とキャベツの味噌炒め定食」(800円)。ちょっとだけ塩だれも入れ、炒めるだけで完成。塩だれって、醤油味とも味噌味とも相性がいいとは素晴らしい!

「味噌だれは韓国産の唐辛子をふんだんに使っています。このままキャベツにつけて食べてもいいし、ホルモン系の肉を漬け込んで、味噌漬けにして味わうのもいいですね。あと、意外と合うのがイカの刺身。合えると美味しいですよ」。

 唐辛子がふんだんに、と言っても辛さが全面にくるのではなく、味噌やごま油、玉ねぎ、生姜、砂糖なども入っているので、ほんのり甘さも感じます。

「ラーメンのタレ」×「塩だれ」でサンマーメン!

 そして3つめは横浜名物「サンマーメン」(700円)。野菜たっぷりでヘルシーなサンマーメンにも千切りキャベツと副菜が付きます。

「これも作り方は簡単。まず野菜を塩だれで炒めて、そこにラーメンのタレと水、さらに片栗粉を入れてとろみをつければスープと具が完成」。麺を前もって茹でておくか、別コンロで同時に茹でておけばあっという間に本格的なサンマーメン。できれば麺もセットで売ってもらいたいぐらいです。

「鶏ガラベースのスープのタレで、薄めるだけで美味しく食べられます。ちなみに食堂では、中華丼みたいな『サンマーハン』をお弁当で出しているんですよ」。

 スープにして麺で味わうもよし、トロミをもっと強めにして、ゴハンにかけて味わうもよしと、ラーメンのタレだけれでなく丼用にも使える万能たれです。好きな太さの麺を買って究極の味を追求するのも楽しそうだし、これで自家製チャーシューを作ったりするのも美味しそうです。

 この日はカウンター上に、ゴマドレ、シーザーサラダ用ドレッシング、塩レモンのドレッシング、カレードレッシングなどが置いてあります。さっぱり味わいたいなら「はま昆布ポン」、コブサラダ好きなら「メキシカンソース」。某街紹介番組で話題になった「無限やみつきソース」など。中には「焼きそばソース」や「牛鍋のタレ」もあります。

「暑くなってきたら『四川風万能醤~よだれ鶏のタレ~』で作る冷やし豆乳担々麺700円が登場予定。楽しみにしてください」とのこと。もちろんこのタレも販売しています(店内特別価格500円)。

 そして食堂まではちょっと遠い、という人には、ヤフーショッピングでネット購入が可能。また、タレの自動販売機は鳥浜町にある自社工場の脇や、シーサイドライン鳥浜駅、京急戸部駅を出てすぐの駐車場、レバーを仕入れている井土ヶ谷の木下商店脇などにあるそうです。

 でも、『マルキュウ食堂』か南部市場の直営店が、やはり味見ができて種類もあるのでオススメ。まずは食べにきて味をチェックして、気に入ったら小さいボトルで購入、美味しければ業務用サイズ、という流れが良さそうです。

『マルキュウ食堂』はランチタイムのみの営業、週末はお休みですが、毎月第4土曜日に開催される、横浜マーチャンダイジングセンターのアウトレットセールの開催日は週末もオープンしているので、平日昼に行けない、という人は、アウトレットセールのお買い物と一緒に食べに来ることをオススメします。

(取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

店名:マルキュウ食堂

住:神奈川県横浜市金沢区幸浦2-26-1 横浜マーチャンダイジングセンター 1F

TEL:045-774-5331

営:11:00~14:00(L.O.)

休:土曜、日曜、祝日(MDCアウトレットセール開催日は営業、10:30~13:00)

2021/5/20 10:51

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