加藤浩次、初めてのドラマで田村正和さんと共演「本当に優しくて、全部助けてもらった」

加藤浩次が田村正和さんと共演したのは、2000年10月~12月に放送されたドラマ『オヤジぃ。』(TBS系)だ。内科医を開業する絵に描いたような頑固親父(田村さん)と、その一家が繰り広げる賑やかな生活を描いている。加藤はその病院を訪れる製薬会社の営業マン役で、田村さんと2人のシーンが多かったそうだ。

同作品がドラマデビューとなった加藤だが、実は芝居をすることに自信がなく嫌だったという。だが田村さんが主演のドラマだと知った加藤は、テレビで見てきた“田村正和”という俳優に「すごい興味があった」ことから出演することを承諾した。そして現場に入って「極楽とんぼの加藤浩次と申します」と挨拶すると「フフッ、知ってる」と返され、「お芝居初めてなんです」と続けると「好きにやっていいよ、好きに」と田村さんは終始穏やかだったことを振り返った。

当時のTBSドラマはまず簡単なセットを組んで、出演者は私服のままリハーサルを行ってから本番を行う流れだったという。リハーサルとはいえ台詞は完全に頭に入っていなければならなかったが、加藤は台詞の前後が逆になったり言葉が足りなかったりと、本来なら相手役の田村さんから咎められても仕方がない状況だった。しかし田村さんは全部フォローしてくれ、加藤に自分の芝居を合わせてくれたのだ。そればかりか、慣れてきた加藤がリハーサルでアドリブの提案をしたところ、田村さんは「フフッ、君それ面白いね、それやろう」と受け入れてくれたそうだ。

そんな加藤が覚えていたのは、ドラマのスタジオに田村さん専用のチェアがあって、そばに必ずクーラーボックスが置いてあったことだ。その中にはたくさんの氷とペリエだけが入っており、田村さんはペリエを片手にモニターを見ながら本番の演技をチェックしていたという。ここでも田村さんは他の出演者の演技や監督の演出について意見を述べることはなく、監督からOKが出ると「フフッ」と微笑みながら椅子から立ち上がって楽屋に戻ったりしていたそうだ。

田村さんは「本当に優しかった。こうしろと指示されたり、ああだこうだと言われた記憶がなく、全部助けてもらった」と懐かしそうに語った加藤浩次。ドラマ撮影の最初の現場が田村さんの主演作だったことが、彼のその後の役者人生に繋がっていったようだ。

(TechinsightJapan編集部 みやび)

2021/5/19 16:26

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