木村拓哉はビンタされ「僕は名誉」!逝去の大俳優・田村正和「2つの伝説名演技」

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 俳優の田村正和さんが4月3日、心不全のため東京都港区の病院で亡くなっていたと5月18日付の『共同通信』などが報じた。77歳だった。葬儀・告別式は親族で行われたという。

 田村さんは1943年8月1日東京都生まれ、京都府出身。“阪妻(ばんつま)”の愛称で知られる歌舞伎俳優の阪東妻三郎さんの三男として生を受けた。

 高校在学中の1961年に映画『永遠の人』で役者としてのキャリアをスタート。以後、1966年に成城大学を卒業するまで学業と俳優活動を並行して行い、その間、1965年のNHK大河ドラマ『太閤記』で豊臣秀次を演じるなどした。

 その後、1972年10月から1973年3月にかけて、『眠狂四郎』(フジテレビ系)で主人公の眠狂四郎を好演。同作で人気を不動のものにした田村さんは、1985年10月期に『子供が見てるでしょ!』、1993年10月期に『カミさんの悪口』(いずれもTBS系)、1997年4月期に『総理と呼ばないで』(フジテレビ系)とテレビドラマを中心に活躍し、2009年1月放送の特別ドラマ『そうか、もう君はいないのか』(TBS系)でモナコのモンテカルロ・テレビ祭でテレビフィルム部門最優秀男優賞を受賞した。

■古畑に唯一叩かれた男

 多くの視聴者を虜にしてきた田村さん。ファンだけでなく、同業の役者からの尊敬の眼差しも集めていた。

「今やジャニーズ事務所だけではなく、日本を代表する俳優になった木村拓哉(48)も、田村さんに魅了された1人です。田村さんとは1996年10月期のドラマ『協奏曲』(TBS系)で共演している木村ですが、田村さんの代表作である『古畑任三郎』(フジテレビ系)でも、刑事と犯人の立場で共演を果たしています」(女性誌記者)

『古畑任三郎』は1994年4月期の連ドラからスタートし、2006年1月まで新作が放送された三谷幸喜脚本のドラマ。主演の古畑役を田村さんが務め、中森明菜(55)や菅原文太さん(故人)をはじめ、2006年のスペシャルではイチロー(47)と、毎回、実に豪華な犯人役も注目を集めた。

 木村は、1996年1月に放送された第2シリーズ4話『赤か、青か』で爆弾魔の林功夫(はやし・いさお)を演じているほか、1999年1月のスペシャルではSMAPのメンバーとして本人役で出演している。

「1996年の木村の出演回は、伝説と言われる回になっています。“和製コロンボ”とも言われるように、つかみどころがなく、常に冷静で大人しい古畑ですが、1度だけ犯人をビンタしたことがある。それが、実は木村の犯人回なんです。古畑は、木村演じる林の冷酷さに怒り、顔を思いっきり引っぱたいていました」(前同)

■ビンタを「僕は名誉に思っている」

 古畑に唯一引っぱたかれた男となった木村は、2015年12月放送のラジオ番組『木村拓哉のWhat's UP SMAP!』(JFN系)で、当該シーンを振り返って「それを僕は名誉に思っている」と誇らしげに語っていた。

「木村は、“田村さん、最近お会いできてないですね。僕大好きなんです”とも話していました。木村はその言葉通り、田村さんを見習っている部分があるようで、2014年9月6日付の『スポニチアネックス』によると、木村には“セットに台本を持ち込まない”とのマイルールがあり、これは田村さんを手本に取り込んだものだと伝えています」(前出の女性誌記者)

 スーパースター木村をも虜にしてしまう田村さんの格好良さ、そして役者としての生き様。『古畑』でのビンタの感覚は今も、木村の頬に残っているのかもしれない――。

「田村さんの出演ドラマというと、『古畑』が真っ先に浮かぶ人も多いでしょう。ただ、『古畑』以外にも多くのドラマファンを魅了した田村さんの名作が2作ある。1つはやはり『ニューヨーク恋物語』(フジテレビ系)でしょう」(夕刊紙デスク)

『ニューヨーク恋物語』は、1988年10月期に放送された田村さん主演のドラマ。米・ニューヨークで暮らす8人の男女達の恋模様や人間関係を描いた作品で、田村さんのほかに岸本加世子(60)、真田広之(60)、柳葉敏郎(60)、桜田淳子(63)らが出演している。

■地に落ちても失われなかった“気品高さ”

 田村さんが演じた田島雅之は、日本人相手の小さなバーの経営者でありながら、ビジネスの裏世界でも仕事を行う人物。女性から非常にモテて、作中でも複数の女性との関係が触れられている。

「『ニューヨーク恋物語』での田村さんは、行動の一つ一つがとてもキザなのですが、圧倒的なダンディぶりで見ているものを魅了するんです。田村さんの熟れた男のかっこよさが、これでもかと言うほど堪能できる素晴らしい作品です。濃厚なフェロモンが画面を通して匂ってくるほどですよ。

 この作品の田村さんの凄さと言えば、なんと言っても8話以降の演技です。田島は裏稼業で騙されてしまい、岸本演じる茅野が1年ほどニューヨークを離れている間に、酒に依存し、仕事もせず、かつての恋人に金をたかるフラフラした生活を送ります。

 そのときの田島の姿はヒゲも剃らずに服もボロボロ。しかし、心の奥底に男としてのプライドが残っていて、汚らしい姿をしながらも時折、気高さを見せます。その一瞬は、転落した生活の中で光り輝くダイヤモンドのようで、どのシーンよりも美しかった。こんな演技は田村さんではないとできないですよ」(前出の夕刊紙デスク)

■品の良さと軽妙な演技のマッチング

 1980年代、田村さんはそれまでの二枚目路線から一転、1984年8月期のドラマ『うちの子にかぎって…』(TBS系)から三枚目の役も演じるようになった。

「田村さんの三枚目を演じた作品はいずれも名作ですが、中でも特筆すべきは1987年1月期の『パパはニュースキャスター』(TBS系)ではないでしょうか。この作品で田村さんは『ニュースチャンネル』というTBSで放送されている架空のニュース番組のキャスター、鏡竜太郎役を演じました」(前出の夕刊紙デスク)

 ニュースキャスターというお硬い職業でありながら、鏡は酔ってしまうとすぐに女性を口説いてしまうナンパな一面も持っている。この作品では、口説いた女性との間に生まれた3人の娘が鏡の家に転がり込んで、共同生活を送るストーリーが展開された。

「鏡が生意気な3人の“愛(めぐみ)”に振り回される姿は、『ニューヨーク恋物語』であったようなダンディさはなく、ちょっと情けなくて、どこにでもいる普通のお父さんのように見えてきて、大俳優であることを忘れるほど親しみやすいキャラクターを作り上げています。

 また、所ジョージ(66)演じる、押しの強い隣人の松本保との掛け合いも絶妙で、笑いを誘ってくれます。田村さん持ち前の品の良さと軽妙な演技とのマッチングが、非常に心地良い作品になっています」(前同)

『ニューヨーク恋物語』で共演した岸本は、田村さんの訃報に「突然の訃報に身体の震えが止まりません」とし、「もう1度“正和さーん”と抱きついて甘えたいです。寂しいです」と、コメントしている。

 二枚目も三枚目も完璧にこなして、テレビ史に残る数々を名作品を残した田村さん。心から哀悼の意を表します。

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  • 5/19 7:00
  • 日刊大衆

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この記事のみんなのコメント

1
  • まる☆

    5/20 12:39

    ストイックで、美意識のたかいひとだった。本当に品があったなあ。引き際も潔くて素敵だった

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