宝くじ1億円当せんした40代の平社員。それでも会社を辞めないワケ
労働政策研究・研修機構の調査によれば、34%のサラリーマンは課長以上になれない。“出世&仕事”ができない男たちが生き残る術は何か。独自の処世術で抜け道を探し、生涯サラリーマンを貫く男たちの生き様に迫る! 今回は宝くじで1億円当せんも「仕事は辞めず、生活水準も変えていません」という男性を取材。40歳過ぎの平社員でも会社を辞めない理由とは?
◆宝くじ1億円当せんで逆に仕事欲がUP!?
自ら行動を起こしたわけではないが、幸運が重なって結果的に処世術に繫がったケースもある。電子部品メーカー社員の中村純太さん(仮名・48歳)は、4年前に妻が宝くじでなんと1億円の高額当せんを果たしたのだ。
「まず、住宅ローンの残債2000万円を前倒しで一括返済。海外旅行も何度か行きましたが、あとは晩酌用の発泡酒がヱビスビールになったり、食卓に出るお肉が国産牛のちょっといいものにランクアップする程度。残りのお金は妻の意向で老後資金用に資産運用に回しています」
現在のメインバンクの残高は1億円どころか3億円以上という。
「もともと、証券会社に勤めていた妻が当せん金を運用したら、資産が膨れ上がりました。もう正直一生安泰です」
◆散財することなく以前と変わらない生活
2人の子供には「カネをアテにして人生が狂っても困る」と当せんしたことは今も伝えていない。中村さん自身も特に散財することなく以前と変わらない生活を続けているが、精神的にはかなり余裕が生まれたという。
「当せん前から在籍している総務部は残業がほとんどなく、成果給もわずかなので年収は550万円ほど。同じ平社員でも営業部に比べると年収が100万円近く少ない。
以前は営業部への異動願を出そうと考えた時期もありましたが、その必要はなくなりました。給料は安いけど、この部署は仕事量も少ないのでこのままでも十分ですよ」
◆経済的な余裕が心のゆとりに
セミリタイア思考になったことで仕事へのモチベーションは当せん前よりも高くなったとか。
「経済的な余裕が心のゆとりに表れているのかも。以前なら嫌々こなしていた作業も意欲的に取り組めるようになっています。気持ちよく働けるに越したことはありませんから」
お金にはいい意味で人を変える力もあるようだ。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!5月18日発売号の特集「[仕事できない人]の生存戦略」より
―[[仕事できない人]の生存戦略]―