40代で発達障害グレーとわかった私。こだわりの強さが婚活に悪影響?
17年間の婚活を経て42歳で結婚した、元婚活ブロガーのRikakoです。結婚後に発達障害の検査を受けたところ、ADHD(注意欠如・多動症)グレーゾーンという結果が出ました。発達障害の代表的なものとして、ADHDのほかに、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(学習障害)があります。
私が長年婚活をしくじっていた原因は発達障害にあったのでしょうか。前回に引き続き、私の婚活の傾向と発達障害の関連性について掘り下げていきます。
◆20代で魅力的な男性に出会うと、30代からの婚活が大変!
私が20代の頃は、素敵な男性との出会いが多かったです。それなのに、なぜ20代で結婚できなかったのかというと、すべてを兼ね備えた100%理想通りの相手を求めていたからです。若い頃に男性からチヤホヤされてすっかり天狗になってしまい、自分にはもっと相応しい相手がいるはず! と理想ばかりが高くなっていきました。
しかし、認めたくないですが女性は若い頃ほどモテる傾向にあるため、年齢が上がるにつれ、どんどん理想の男性と出会えなくなっていきました。それでも、いつか理想の王子様が現れるはず! とのんびり構えていて、本気で焦るようになったのは36歳を過ぎた頃です。
私はアラフォー世代になって結婚を焦るようになり、結婚相談所、婚活アプリ、婚活パーティーなどあらゆる婚活を試してきました。その結果、いろんな人との出会いがありましたが、若い頃に出会った男性とはタイプが違うことに気づきました。
私が20代の頃に出会った男性は、二人で食事に行く際はいつもごちそうしてくれる人ばかりでした。積極的にデートのお誘いをしてくれて、お店を予約してくれる。それがスタンダードだと思っていました。
しかし、30代半ばになってから出会う男性は、割り勘派が多かったです。食事はきっちり割り勘、お見合い時の数百円のお茶代も割り勘にされる。これにはカルチャーショックを受けたというか、私は相手にとって優先度が低い女なのだと思ってしまいました。
◆アラフォーになったら男性からのアプローチが減ってきた
アラフォーになり、いいなと思える男性に全く出会えなくなり、私は焦りました。婚活関連の記事を読み漁ると、スマートにエスコートできる男性は若いうちに結婚するため、婚活市場には女性慣れしていない男性が多く生息していることがわかりました。
こんなことなら、20代の頃に出会った男性で手を打っておけばよかった! そう思っても、もう遅い……。
とにかく今の出会いを大切にして、もっと自分から積極的に動くようになろう!
しかし、自分好みの男性なら積極的にアプローチできたのですが、いまいちピンとこない男性を自分からお誘いする気力が湧かなかったです……。
婚活では、誰しも最初はピンとこないケースが多くて、地道に会い続けることでだんだん相手の良さがわかってくるようになるはず。そう思っても最初の段階でビビッと来ないと、受け身の姿勢になってしまう。そこで相手からマメに連絡がなかったり、デートのお誘いをしてもらえないと、私には興味がないのだろうと諦めモードでした。
過去に結婚相談所で出会い、仮交際が成立した人がとても連絡無精で、相手からの連絡を待ち続けていたら、半年経ってしまったことがあります。この時は一度私のほうから「今度ごはんに行きませんか?」と誘ってみたものの、具体的な日程の提案をしてもらえなかったので、そもそもご縁がなかったのだと思いますが……。
本当に脈なしなのか、相手が女性慣れせずアプローチ下手なのか。自分で見極めることが難しく、積極的にアプローチしてくれない男性は脈なしだと切り捨てていました。
◆若い頃に抱いた「理想の男性像」にこだわりすぎた!
アラフォーになると、20代の頃のようにモテなくなるのは当然です。
でも、周りを見ていると自分から積極的に男性へアプローチできる女性は、相手の心を動かして次々と結婚していきました。
以前、婚活中の男性が、どんな女性がタイプかと聞かれて「自分に気がある女性」と答えていた記事を読んだことがあります。やはり、男性は自分に好意を寄せてくれる女性を意識するみたいです。
私の場合、アラフォーになっても基本的に受け身姿勢のままで、積極的に男性にアプローチすることができなかった。これが婚活が長引いた大きな原因になったように思います。若い頃に出会った男性がスタンダードだったので、リードしてくれない男性は無意識のうちに恋愛対象外とみなしていたところもありました。あと、男性から告白するべきという思い込みもあって、今まで一度も自分から告白したことがありません。
年齢に応じた柔軟な発想ができず、理想の男性像にこだわり続けて受け身姿勢を貫いたことが、もしかするとADHDの特性と関連しているのかもしれません。
◆「思考のこだわりは、婚活に影響するかも」と医師
Rikakoさんのように、発達障がいや発達障がいグレーゾーンの人は婚活で苦労をすることも多いのでしょうか。本連載では、精神科専門医・児童精神科医で虹の森クリニック院長の坂野真理先生に毎回解説をお願いします(以下、坂野先生のコメント)。
「こだわり」はASD(自閉スペクトラム症)でよく見られる症状です。「こだわり」にも様々な種類がありますが、淡々と繰り返す単純作業が得意だったり、特定の分野を追求して卓越した才能を発揮するなど良い面もあります。
ただ、「思考のこだわり」は婚活にはもっとも影響するかもしれません。「結婚相手はこうあるべきだ」という考え方が強すぎると、相手がなかなか見つからないのはもちろんのこと、ちょうど合う方にたとえめぐり会えても、結婚生活の中では次第にずれが生じてくる可能性もあります。結婚や友人関係などの人間関係においては、人間はいつも100%理想通りにはいかないが、決して100%ダメではないことや、同じ人が時と環境によっては別の姿を見せることもあることを、あらかじめ想定して心づもりをしておくとよいかもしれません。
【坂野 真理(さかのまり)】
日本医科大学医学部卒。英国キングスカレッジロンドンの精神医学・心理学・神経科学研究所にて修士号取得。2018年より鳥取県倉吉市に虹の森クリニック開業。2020年より英国に虹の森センターロンドン設立。日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医、精神保健指定医、日本児童青年精神医学会認定児童精神科医、子どものこころ専門医、日本医師会認定産業医。
―婚活に17年かかった原因は発達障害!?―
<文/Rikako>
【Rikako】
25歳から42歳まで、婚活歴17年の元婚活ブロガー。結婚相談所から婚活アプリまで、ありとあらゆる婚活を経験した後、2020年に長年の男友達と結婚。