思い込みを修正したら、セミナーが満員に。成功者の思考回路に近づくトレーニング
数ある成功法則の中でも、近年最も盛んなものが脳科学的にも一定の根拠を持つと言われる「無意識(潜在意識)」を活用する方法だ。メンタルトレーナーの梯谷幸司氏によると、間違った思い込みの根元は無意識のさらに外側の「メタ無意識」に収録されているという。これは無意識のクセのようなもので、過去の記憶によってつくられる。
◆記憶の中の映像を変えることで思い込みのパターンを修正
たとえばメタ無意識が「問題回避型」「過去基準」である場合、過去の避けたいことが起点となっているため「人が離れていかないように、人を喜ばせなければ」という思考回路となる。すると脳は逆に「孤独になりたくないと言い続けたい」と理解し、さらに孤独に向かわせる。
これを変えるための方法が、映像で記憶をつくり替えるトレーニングである。前頭前野以外の脳の部位は、言葉を理解しないためだ。
◆集客がうまくいかなかった講師のセミナーは満席に
梯谷氏は、それが実際に効果をもたらした例を語る。
「集客がうまくいかない講師業の女性がおり、自分はいつも独りぼっちだと感じていると言う。そこで想像の中で部屋を明るくすると『立ち上がり、大人たちに話しかけている』というイメージができた。その2週間後、彼女のセミナーは満席になりました。今まで彼女は自分から周りに声をかけることをしていなかったそうです」
さっそく嫌な記憶を修正し、無意識にすり込ませよう。
そうすることで、成功者のメタ無意識と呼ばれる14パターン(文末)に近づくことができるはずだ。
◆イメージ修正トレーニング 1 嫌な心的風景を思い出す
文中例のセミナー講師の女性は、「独りぼっちで大人にヒソヒソ言われている」という過去の記憶が行動の邪魔になっていた
◆イメージ修正トレーニング 2 段階的に修正していく
●記憶内の環境を変化
まずは記憶の中の環境から手を加えていく。部屋を明るくすると、周りの大人たちがヒソヒソ話をやめていく
●周囲の情景が変わり始める
さらに部屋を明るくすると、彼らが自分に話しかけてくるイメージになる。周囲の自分への接し方に変化が出る
●イメージを組み替える
最も部屋を明るくし、独りぼっちの記憶を自分から周囲に話しかけているイメージに組み替えていく
◆成功者の「メタ意識」14パターン
<主体性のあり方>主体行動型
何かをしようと思ったら即行動する。分析力を伴うとなお良し
<動機の持ち方>目的志向型
よくないことを避けるのでなく「手に入れる」「実現する」という動機で行動
<喜びの持ち方>自分基準
他人からの承認を必要とせず、自分の確信やデータで判断
<思考の方向性>未来基準
行動の目的を「なぜ」ではなく「何のために」と考える
<物事の選択理由>オプション型
うまくいくための方法を自分自身が選び、考える
<価値観>人間を重視
結果ではなくその過程の充実感など人間的感覚に焦点
<焦点>目的基準
ゴールを明確に定め、達成した後のことに焦点が当たっている
<責任の所在>自分原因型
うまくいくこともいかないことも、全て自分次第と考える思考
<物事の捉え方>楽観基準
苦境を好機と捉え、状況を最良にするためのシナリオを考える
<判断時の心理>実体験型
過去の前例やデータではなく、自分の価値観や目的に沿って判断
◆「やらなければ」ではなく「やりたい」
<意思決定基準>欲求型
「やらなければ」ではなく、「やりたい」を起点に行動する
<取り組み方>結果行動型
条件が揃ったら行動するのではなく、必要条件を先に揃える姿勢
<自己認識の形>絶対的自我
欠点があっても「自分は存在しているだけで価値がある」と考える
<根本欲求>目的欲求
生存や安全確保ではなく自己実現のために行動する姿勢
(梯谷氏の提唱内容をもとに編集部が作成)
【メンタルトレーナー・梯谷幸司氏】
心理技術アドバイザー。約30年かけ独自の「梯谷メソッド」を確立。著書に『自分のままで突き抜ける無意識の法則』(大和書房)ほか
<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/ohhiro>
―[成功を引き寄せる(脳)トレーニング]―