【連載】沖口優奈×『矢口真里の火曜The NIGHT』番組プロデューサー&演出担当(後編)「いいアイドルがいたら教えてください(笑)」

マジカル・パンチラインのリーダー兼プロデューサーの沖口優奈と、ABEMA『矢口真里の火曜The NIGHT』番組担当プロデューサー、演出担当の対談後編は、プロデューサーとして心がけていることを皮切りに、『火曜The NIGHT』がスタートしてからの5年間におけるアイドル業界の変化や同番組の好きなところなどについて沖口が話を聞いていく。過去の番組を振り返りながら和やかに進行していった今回の対談であったが、最後は沖口の“ある発言”をきっかけに堀越、松田が次回の放送に大きな期待を寄せる予想外の結末に!?

撮影:越間有紀子
編集協力:竹内伸一

どうやって広いところに番組を出していくかを考えています(堀越)

沖口:
今、お仕事をされている中で、プロデューサーとして心がけていることは何ですか?

堀越:
先程話した内容と一部被りますが、ABEMAのプロデューサーとして番組をマス(大衆)に向かってアプローチするということですね。この番組でいえば、今はコロナの影響で、ゲストを2人しかスタジオに呼べないんです。MCの2人と合わせてスタジオ内には4人までというルールを番組として決めたんですね。出演者が多い方が多くの視聴者に観てもらえる可能性があるのですが、人数が制限された中でいかに多くの視聴者に番組に興味を持ってもらうか。現状はそこが課題です。今の状況で僕が番組側に提案できることは何なのか。例えば、視聴者にZoomで参加してもらうのはどうだろう……とか。絵恋ちゃんの放送回で実施しましたが、“絵恋ちゃんに何かやられた方、Zoomで出演してください”と募集したんですね。出演してくださった方が“こんなことをされたんですが、実は、ファンとしては嬉しいことなんです”といったことを直接お話ししてくださいました。そんな風に視聴者の方が“自分も出演したいな”と思ってくださったり、SNSで盛り上がってくれたりすると、スタジオの空間だけでなく、この番組がちょっと外に広がったということで、これは成功だったのかなと思うんです。だとすれば、課題に対していい提案ができたのかなと。実際にスタジオへ来られないメンバーに自宅からZoomで出演してもらったこともありました。そういう工夫をしたことで、本人たちも“私たちも出演するから観てね”といった形で告知をしてくれるでしょうし、より多くのファンに伝わると思うんです。ファンではない方でも、番組関連の投稿やハッシュタグがSNSのオススメトレンドになっていれば、興味を持ち番組を観てくれるかもしれない。そういうことにつながるといいなと思って、SNSやABEMA公式YouTubeチャンネルにも動画を公開しています。そんな風に、どうやって広いところに番組を出していくかを考えています。

沖口:
なかなか難しそうですね。

堀越:
出演してくださったみなさんが、とてもいいパフォーマンスをしてくれているので、それを多くの人に届けたい。そんな気持ちでやっています。

沖口:
SNSが発達しているからこその戦い方だと思いますけど、SNSもどんどん進化していくので、戦い方も変わっていきますよね。

堀越:
そうですね。地上波はテレビをつけて、チャンネルをザッピングして“あ、これ面白そう”っていう感じで視聴してくれる方が多いんですけど、ABEMAをはじめとするネットのテレビは、“○○ちゃんが×時×分の番組に出演するから観る”という視聴のされ方なんです。暇だからABEMAのアプリを立ち上げて、なんとなく番組を観るという方はあまりいません。いろいろな方法で番組の情報を発信して、それを察知してもらって、“この番組を観たい”と期待値を高めて観てもらうという世界なので、SNSを使った戦い方というのは特に重要かなと思いますね。

沖口:
TwitterとかTikTokとかでトレンドに入っていると、思わず“ポチッ”としてしまいます(笑)。やっぱりSNSの力ってすごいなって改めて思いますね。松田さんは、『火曜The NIGHT』を5年間続けてきて、たくさんのアイドルさんを見てきたと思うんですけど、5年前と今とで、アイドル業界が変わったと思うことはありますか?

松田:
変ったなというと、大手事務所のアイドルたちが割といなくなっていっているなとは思いますね。あとは、肌感になりますけど、奇抜なコンセプトを打ち出すアイドルが少なくなったかなと……そんな風に思っていたんですけど、いないわけでもないんですよね(笑)。どっちなんでしょうね、よくわからないですけど(笑)。

沖口:
私もコンセプトがないグループが多くなったような気がします。

松田:
コンセプトを設けない方が保険がかかっているというか、楽なんだろうなとは思います。

沖口:
どちらの方向にもいけますからね。

松田:
でも、番組を作る僕の立場からすると、つまらないですよね(苦笑)。

沖口:
何かひっかかりがあった方が、番組としては面白いですもんね。先日の……。

松田:
爆裂女子-BURST GIRL-?

沖口:
めちゃめちゃ濃かったですよね!

松田:
そうですよね。特にZoomで出てもらった子がすごくて、スタジオにいる2人の方が薄かった(笑)。

沖口:
ずっとZoomの待機画面を観ていたんですけど、ホントに面白くって! 放送には映っていないはずなのに、こっちにむかってベロを“べぇ~”って出したりしてて(笑)。

松田:
はははは(笑)。ホントに面白かったですね。Zoomで出てもらった2人には、最初は1回しかつながないつもりだったんです。でも、打ち合わせをしてみたら面白そうだったので、とりあえず2回はつなごうと思って。そうしたらMC陣が気に入って、“また呼ぶから!”みたいなことになって。

沖口:
それも生放送ならではですよね。

堀越:
テレビ業界全体に、(キャラクター設定をよしとしない)そういう風潮はあると思うんです。視聴者も目が肥えているので、やっぱり“これ、やらせでしょ?”ってすぐに見透かされてしまう。アイドルがキャラを作ってきても、“どうせ最初だけでしょ? すぐにメッキがはがれるよ”ってみんな思っている。どうせすぐにバレちゃうのであれば、素のままでいこうってことになりますよね。

松田:
でも、ウチの番組は両方対応できますから(笑)。

沖口:
どっちの方向にもついて行く(笑)。でも、設定をガチガチに固めているけど、しゃべったらすぐにはがれそうなアイドルがそこをつっつかれているのを観るのは楽しいです(笑)。

松田:
そうですよね(笑)。結局、こちらが面白がりたいのはそっちなんですよ。しかも、いろいろ出て来すぎちゃったんで……最初の頃は“毒霧を吹く”とか“人の上を歩く”なんてアイドルが来ると“すげえな!”って思いましたけど、今は“ああ、なるほど!”って。

沖口:
確かに! “あ~、はいはい、そういう感じね”って思っちゃうかも(笑)。

松田:
MCの2人は、そこもちゃんと拾ってくれるんですけど、やっぱり2人もそこじゃないところを探そうとしてくれる。ガチガチな設定やコンセプトはあってほしいんですけど、そこじゃないところを攻められているのもいいんじゃないかなと思います。

沖口:
自分の出番まではイチ視聴者として楽しんでいるんで、“あ、そこから広がっていくんだ”とか“そこがいじるポイントなんだ”って勉強になることがたくさんあります。

松田:
寿司ネタもそうですし。

沖口:
寿司ネタってなんで生まれたんでしたっけ?

堀越:
絵恋ちゃんですね。歌のコーナーにいく時に、彼女に“歌中にファンの方々にやってほしいこと、コメントしてほしいことはありますか?”って聞いたら“みなさんの好きな寿司ネタを報告してください”って(笑)。

沖口:
そうだ! 大盛り上がりでしたよね!

堀越:
斜め上からの発想で面白かったですよね。そこからもう5回くらい寿司ネタをやってます。

矢口さんと岡野さんってすごく優しいんですよ(松田)

沖口:
『火曜The NIGHT』のいいところ、好きなところはどこですか?

堀越:
アイドルが、アイドルらしく振る舞うのが普通のアイドル番組だと思うんですけど、そうではない部分も面白がろうとしている。そこが『火曜The NIGHT』のいいところだと思います。アイドルなんだから可愛いだけでいい……もしかしたら視聴者はそれだけで満足なのかもしれませんし、そうじゃない部分を明かすというのはブランディング的にNGというアイドルもいるかもしれませんけど、この番組で何か新しい部分を出してみようかなって思ってもらえたら。実際、それが成功して“占い師”という肩書を得た人もいるので(笑)。

沖口:
はははは(笑)。

堀越:
そんな風に新しい一面を出せる場所、背中を押してあげられるような番組になっているんじゃないかなと思います。でも、それができるのは、我々が事前に打ち合わせをしたり、アンケートに答えてもらったりしている部分もあるんですけど、1番大きいのは矢口さんの力だと思うんですよ。絶対的なアイドルだった彼女が、今はお母さんやお姉さん的な立場で、番組のMCとしてアイドルたちの背中を押してあげている。それによってアイドルのみなさんも安心してついてきてくれている。そこも番組のいいところだと思います。

松田:
いや、もう堀越さんが言った通りですよ。矢口さんと岡野さんってすごく優しいんですよ。

沖口:
ホントにそう思います!

松田:
“2人が優しくしてくれて、しゃべりやすかったです”って、出演したアイドルたちが必ず言うんですよ。ちゃんといじるんですけど、でも優しさがあるんですよね。それが番組全体の雰囲気になっていると思いますね。そこはすごくいいところだなと思います。以前、生ハムと焼うどんが出演した時に、彼女たちはその頃、表面的なことばかり扱われていて、ただ変な奴らだと思われていたというか、“はっちゃけていて面白い”というところで終わっていたんです。でも、ウチの番組は、いかんせん尺が長いので、好きなようにしゃべれますし、矢口さんたちがすごく優しくて、何を言っても受け入れてくれる。それで、生ハムと焼うどんのピュアな部分とか素直さが出たんじゃないかなと、あの時に思いましたね。そういう優しさは、この番組のよさだと思います。あとは、自由だなと(笑)。おきぐっちゃんのコーナータイトルだって、もともとは「教えて!大占生」だったのに、番組で“人情、人情”って言われたので、翌週から「教えて、人情占い師」になりましたし(笑)。そんな風に自由な対応ができるのも、いいんじゃないですかね。

沖口:
番組に出演するって、やっぱり最初は緊張するんですよ。でも、途中から力が抜けて楽しくおしゃべりできるんです。それってなんでだろうって考えたら、矢口さんと岡野さんが優しいからなんですよね。それに2人がめちゃくちゃ笑ってくれるんですよ。大きな声で笑ってくださるので安心するし、乗って話ができるんです。お2人の笑顔の力も大きいなって、最近気づきました。

松田:
誰もすべらせないって感じですよね(笑)。

沖口:
画面の向こう側はどんな反応かわからないですけど、とりあえずスタジオの中では2人が笑ってくださるので緊張が解けていくんですよね。

堀越:
番組の裏側の話をすると、矢口さんのリアクションしている顔を、どのタイミングでいかに早く抜くかっていう、カメラマンとカメラのスイッチングをする人間との間で戦いがあるんですよ(笑)。“”矢口さん、すごく笑ってるんだから、そこを早く抜けよ!”みたいな(笑)。

沖口:
へぇ~。

堀越:
やっぱり“元祖ワイプの女王”と呼ばれた矢口さんのリアクションを差し込んでいくことで、伝わることが多いんですよね。アイドルが面白いことを言ってそれに対して笑っていたり、可愛い仕草を見せて“もっと見せて!”って言っていたりするんですけど。そのアイドルと矢口さんのキャッチボールをいかに視聴者のみなさんにお伝えできるか。そこは番組内の静かな戦いとしてあったりするんです(笑)。

松田:
Twitterでも“優しくいじってくれて、ありがとうございます!”みたいな書き込みが多いんですよ。アイドルのみなさんは矢口さんを尊敬していますしね。

沖口:
放送の時もそうですけど、裏側でもお2人はすごく優しいんですよ。岡野さんなんて、楽屋挨拶に伺うと、“カメラが回っているのかな”っていうくらいの勢いで返してくれます(笑)。

松田:
岡野さんは人たらしですよね! 人間力がむちゃくちゃ高い。それはすごく感じます。

沖口:
1回共演したら、みんなきっと岡野さんのことを好きになると思います。もちろん矢口さんもそうで、“私もそういう人になれたらいいな”って共演してすごく思います。

中学2年生に“雰囲気産業だから”って話してみたいと思います(沖口)

沖口:
最後にお仕事とは関係ないこともお聞きします。お休みの日は何をしていますか?

堀越:
4歳と2歳の男の子がいるんです。ちょうど遊び盛りなので、休みの日は公園に行っています。バーベキューをしたり、走り回ったりしていますよ(笑)。あとは、僕自身、アウトドアが好きなので、車で山奥の方まで行って、釣りをしたり……都会の喧騒から離れて、自然を感じることで心の失われた部分を充電している……週末はそんなことをしています。

沖口:
お仕事を頑張れる要因がその時間に詰まっているんですね。

松田:
絵に描いたような幸せじゃないですか!

沖口:
ホントに! 素敵な休日。教科書で見たことあるような感じですね(笑)。

堀越:
ちょっとよすぎますかね。逆に腹立ちますよね(笑)。

沖口:
松田さんは?

松田:
僕も子どもの相手ですかね。子どもと公園に行きます。僕の場合は、毎回同じ公園に行って、毎回同じことをするんですけどね(笑)。

堀越:
子どもって面白いですよね。僕も毎回同じところに行くんですけど、毎回ファーストリアクションをくれるんですよ(笑)。

松田:
ウチはもう小学生なので通用しません(笑)。“また同じ公園なの?”って言われます。

沖口:
お2人ともお休みの日は、お父さんになるんですね。

松田:
そうですね。そういうこともやらないとね(苦笑)。

沖口:
休日はお父さんというお仕事をされていると。さっき最後って言いましたけど、アンコールの声が聞こえたので、もう1つだけ(笑)。この連載を読んでくださっている方は、『火曜The NIGHT』も観てくださっていると思うので、(やや噛みつつ、可愛らしい声で)“しちょうしゃ”の……。

松田:
なんでそこだけ可愛く言ったんですか(笑)。

沖口:
ちょっとアイドルを出しておこうかと思って(笑)。

堀越:
もったいないですね、文字では伝わらないので(笑)。

沖口:
えっと、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします!(笑)

堀越:
この番組だけでなく、ABEMA全体としてなんですけど、視聴者との距離をいかに近くできるかを考えているんです。他社を含む動画配信サービス全体の普及から、今はオンデマンドでのビデオの再生数がすごく上がっているんですね。しかし、ABEMAはテレビの側面も持ち合わせており、、リニアの放送やコメント機能にも(ビデオが再生されることだけでなく)こだわりを持っています。視聴者コメントは、番組への応援の声だと思いますし、叱咤でもあると思うので、みなさんのコメントを真摯に受け止めることは、我々が常に意識すべきことだと思います。みなさんの声を大事に、いい番組作りをしていきたいですね。ごめんなさい、すっごく優等生っぽい話になってしまって(笑)。

沖口:
はははは(爆笑)。松田さんもお願いします。

松田:
僕はもう、これからもよろしくお願いしますってことと、いいアイドルがいたら教えてくださいってことですね(笑)。

堀越:
あの、もう1つだけいいですか? 言いたいなと思っていたことがあったんですけど、言いそびれてしまって。

沖口:
あ、お願いします。

堀越:
テレビ朝日の早河洋会長がおっしゃっていた言葉を、弊社の藤田(藤田晋代表)が聞いて“いい言葉なので、社員全員に伝えたい”と言われていたもので。“テレビは雰囲気産業”という言葉なんです。“なんかイケてそうなコンテンツだな”とか、“イケてることをやってそうな番組だな”っていうような雰囲気を出すことが大事だとおっしゃられていて、“イケてそうな番組”だったら出演者も出たいでしょうし、視聴者も期待してくれると思うんです。逆に、そこがなかったら、誰も出たいと思わないし、観たいと思わない。数字に表れるものではなく、なんとなく“イケてそうだな”っていう雰囲気を出すことがテレビの世界なんだなと思って、僕自身もそれを心がけるようにしているんです。

沖口:
数字だけじゃなくて、番組全体の雰囲気をしっかり作っていくことが大事ということですか?

堀越:
そうなんです。ともすれば“見かけ倒し”ってことになってしまうんですけど、でも、それでもいいんじゃないかとも思っていますね。

沖口:
アイドルにも通じることかもしれないですね。“イケてそうなグループだな”という雰囲気を出すことが大事なのかもしれませんね。ウチのメンバーにも使わせていただいてもいいですか?(笑) 中学2年生に“雰囲気産業だから”って話してみたいと思います(笑)。

松田:
(手を挙げて)あの、僕も1ついいですか?

沖口:
何だか挙手制で発言するみたいな“流れ”になっちゃいましたね(笑)。どうぞ。

松田:
僕はいい言葉ではなくて、おきぐっちゃんに聞きたいんですけど、おきぐっちゃんは、どういう心構えで番組に出ていますか? “Zoom芸人”だとか言われちゃっていますけど、何か思うところはあります?

沖口:
え、そんなこと言われてるんですか!? 初めて聞きました(笑)。

松田:
そうなんですよ、僕らの間ではね(笑)。

沖口:
スタジオで出演するんだったら、“お願いしま~す”って入っていけばいいんですけど、画面がパッと切り替わって登場なのでとにかく笑顔で登場したいなと。満点の笑顔で登場して、最後も満点の笑顔で終わりたいっていうのは心がけています。

松田:
Twitterでそこを褒めているコメントがありましたよ。

沖口:
ホントですか! けっこう深夜に出るので、とにかく元気で明るいコーナーになればいいなって思っていますね。あとは、毎回、前の週にテーマが振られるので……今だとTシャツの“くだり”とか、その時々によっていろいろな“くだり”ができていくので、期待に応えられるようにしたいとは思っています。日曜日くらいになると“あと3日で放送だ”って備えています(笑)。

松田:
なるほど。次の放送が楽しみですねえ(ニヤリ)。

堀越:
日曜日から準備してくれているんですもんね。3日間の準備がいかなるものか、楽しみです(笑)。

沖口:
ひぇ~!!!

マジカル・パンチライン リリース情報

デジタルシングル「キラハピ」
発売日:5月26日(水)

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