「この男と結婚したらヤバイかも」女のなかで警鐘が鳴った、夫にすべきではない男の特徴
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「30歳の女が、彼氏からのプロポーズを断った理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:結婚したいはずの、30歳の女。なのに男からのプロポーズをすぐに断った意外な理由
「彩、結婚しよう。ちゃんと責任を取るから」
目の前に置かれた、小さなダイヤが付いた指輪。プロポーズの定番レストランで、大きなバラの花束と共に、彼氏の慶太が“どう?”と言いたげな顔でこちらを見ている。
慶太と交際して、約半年。
当初“結婚願望はない”と言っていたはずなのに、どうやら心変わりをしたようだ。
今日は、私の30歳の誕生日。慶太なりに考えたプロポーズだったのだろう。
だが私はどうしても、首を縦に振ることができなかった。
「ごめん。私、慶太と結婚するつもりはないの」
椅子からずり落ちそうなほど、驚いている慶太。そりゃそうだろう。彼のプランの中に、“私に断られる”なんていう展開はなかったはずだから。
「な、なんで…?」
ダイヤが小さかったから?それも大いにある。
だが私はそもそも、彼の性格のある部分が非常に嫌で、結婚する気がなかったのだ。
30歳の誕生日に夢のプロポーズ!のはずなのに…女が断った理由とは
A1:“30歳以上の女=結婚したい”って誰が決めた?
慶太と出会ったのは、友人の紹介だった。
「初めまして、慶太です」
― イケメンで、優しそうな人だなぁ。
最初はそう思った。しかし話していくうちに、引っかかる点が出てきた。
「彩ちゃんの、好きなタイプの男性はどういう人なの?」
「私は優しい人かなぁ。慶太さんは?」
「僕は彩ちゃんみたいに綺麗な人。…というのは冗談だけど、ちなみに彩ちゃんって今何歳?」
― え。いきなり年齢を聞くの?
どうして皆、聞きたがるのだろうか。初対面で年齢のことを聞いてくる男性は、あまり好きではない。
しかしそれだけでは終わらず、慶太の無神経な発言はさらに続く。
「私は29歳です」
「そっか。ここだけの話、30歳を過ぎると結婚もセットで考えないといけないから、年上の女性が苦手で」
― な、なんだこの男は…。
30歳を過ぎた女性が、全員結婚したいなんて誰が言ったのだろうか。偏見にもほどがあるし、失礼極まりない。
「そうなんだ。男性も、いろいろと考えているんですね」
適当に相槌を打ちながら、若干イライラしていた。
だが本人に悪意はなさそうだし、会話の流れだったのかもしれない。
「重い子が苦手でさ…。ある程度自由にさせてくれるような、束縛しない心の広い子がいいな」
「束縛は私も嫌いだなぁ。束縛って、意味ないですよね」
「そう思う!?彩ちゃんっていい子だね!!」
年齢や結婚に対する偏見以外は、いい人だった。積極的に話も盛り上げてくれるし、生理的に無理でもない。
だからもう少し慶太のことを知りたいと思い、デートに誘われたのでとりあえず食事へ行くことにした。
そして三度目のデートで、彼から告白されたのだ。
「彩、僕と付き合わない?大事にするから」
「本当に?」
「ただ…ごめん、僕結婚願望がなくて。いつか芽生えるかもしれないけれど、今すぐに結婚はできない。それでもいい?」
こちらとしては、まったく問題はない。なぜなら私もそこまでの結婚願望はなかったし、将来を見据えた真剣交際をするつもりもなかった。
― ただ告白の仕方まで、若干上から目線なんだよなぁ…。
そこはかなり気になったものの、今のところ彼氏もいないし、とりあえず私はYESと言った。それに、交際していくうちに変わるかもしれない。
だがやっぱり最初からあった違和感は、交際してからも拭えなかったのだ。
女が“この男とは結婚したくない”と思った一番の理由は?
A2:人をどこか見下しているから。
交際してから、2週間に一度くらいの頻度で会っていた私たち。
行きたいお店へ行って、彼の家へ泊まるのがデートコースになっていたけれど、慶太の家へ行くたびにげんなりしたことがある。
部屋が、毎回かなり散らかっているのだ。普段は週に一度ハウスキーパーの人に来てもらっているらしいが、気になるのでつい私も掃除をしてしまう。
そんな私を、慶太は眩しそうに見つめている。
「ありがとう。彩が来ると部屋が綺麗になるよ。本当にイイ女だね」
別に掃除をするのは構わないのだが、“掃除=イイ女”の意味が分からなかった。
でも、彼に悪気がないのは知っている。きっと何も考えていないのだろう。
だが慶太と話していると、古い価値観が見え隠れしてどうも気になるのだ。
「来週、どこか行きたい店とかない?せっかくだし、彩が行きたいところ予約しておくよ」
「ありがとう!考えておくね」
「普段ひとりだと行けないような店とかでいいからね。決まったら教えて」
― ひとりだと行けないお店…。
それはひとりだと行けないような雰囲気のお店、ということだろうか。それとも“女子には高くて”ひとりでは行けないお店なのだろうか。
「私、青山にある和食のお店で、行きたいところがあるの」
「OK。じゃあ予約しておくね」
そしてデート当日。私は好きなお店で、楽しく食事をしようと思っていた。
「今週も忙しかったなぁ〜。慶太は?」
「僕もかなり忙しかった。でも彩、働きすぎじゃない?大丈夫?そんながむしゃらにならなくても…」
「そうだよね。でもせっかくのチャンス、頑張りたいなぁと思っていて」
「まぁこれからは女性も稼ぐ時代だしね」
― いつの時代を生きているんですか?
慶太の言葉には、トゲがある。
それは、無意識のうちに心のどこかで女性を見下しているような、小さなトゲだ。
彼の基準はいつも“俺”で、自分の偏った考えが世の中すべてに当てはまると思っている。
例えば女性が一定の年齢を越すと全員結婚したいと考えているとか、女性はがむしゃらに働かなくていいとか…。
そんな彼と一緒にいると、本心では女性である私のことを下に見ているのが伝わってきてしまう。
プロポーズだってそうだ。
「彩、結婚しよう。ちゃんと責任を取るから」
― 責任って、何の責任?
自分でも可愛げがないことは分かっている。
だが私は私らしく自分の意思で生きていきたいし、彼のような古い価値観で生きている人と一緒になったら、大変な未来が想像できる。
きっと結婚したら、“女性なんだから、仕事はセーブして家のことをやってほしい”とか、子供ができたら“母親は家にいないといけない”と言ってくるに違いない。
「ごめん。私、慶太と結婚するつもりはないの」
女だから、男だから…と言うつもりはない。
ただすべてを、古い“俺モノサシ”でしか見ることのできない彼に、どんどん冷めてきた。
― そもそも今は仕事が楽しいし、結婚はまだしばらくいいや。
そう思いながら、私はレストランを後にした。
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体目的と本命の見分けかた