競泳・池江璃花子の無念「とても苦しい」「何も変えることができません」痛切Twitter投稿の理由

 5月7日、競泳の東京五輪代表選手・池江璃花子(29)が、ツイッターに長文のメッセージを投稿し、大きな注目を集めている。

 今年7月23日に東京オリンピック開幕式を控える日本だが、緊急事態宣言が5月末まで延期されるなど、コロナ禍は収束する気配を見せない。共同通信が3月に行った世論調査によると、このまま五輪開催を望む、という回答はわずか24・5%。政府、自治体への五輪反対の声は高まるいっぽうだが、選手個人に対しても「オリンピックを辞退してほしい」「反対の姿勢を示してほしい」という意見が、SNSで飛び交うようになっている。

 この現状について、池江選手が自身のツイッターで発信したのである。

《いつも応援ありがとうございます。

 Instagramのダイレクトメッセージ、Twitterのリプライに「辞退してほしい」「反対に声をあげてほしい」などのコメントが寄せられている事を知りました。もちろん、私たちアスリートはオリンピックに出るため、ずっと頑張ってきました。ですが、》

《今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然の事だと思っています。私も、他の選手もきっとオリンピックがあってもなくても、決まったことは受け入れ、やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけだと思っています。1年延期されたオリンピックは》

《私のような選手であれば、ラッキーでもあり、逆に絶望してしまう選手もいます。持病を持ってる私も、開催され無くても今、目の前にある重症化リスクに日々不安な生活も送っています。私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません。ただ今やるべき事を全うし、応援していただいてる方達の》

■「(メッセージを)選手個人に当てるのはとても苦しいです。」

《期待に応えたい一心で日々の練習をしています。オリンピックについて、良いメッセージもあれば、正直、今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。》

《長くなってしまいましたが、わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います。》

 と、5回にわたって自身の思いをつづった。

「池江選手は10代から2020年東京オリンピックでの活躍が期待されてきた水泳界のホープでしたが、19年2月に白血病と診断され、その後闘病生活に入りました。しかし、本人の懸命な努力と五輪開催が1年ずれた結果、代表選考も兼ねた4月4日の大会で好成績を残し、東京五輪出場が決まっていました」(女性誌記者)

 当時、池江は東京オリンピックは諦め、自ら24年のパリ五輪を目指そうとしていた。それだけに、選考会で優勝した際は、涙が止まらなかった。

「自分が、勝てるのは、ずっと先のことだと思ってたんですけど、勝つための練習もしっかりやってきましたし、最後は『ただいま』って気持ちで入場してきたので、自分がすごく自信なくても、努力は必ず報われるんだなと思いました」

 と、当時取材陣に答えている。

■オリンピックに悪感情を抱く人が増えている

「池江の白血病の件は海外でも知られており、多くのメディアは池江が東京五輪に出場できるとはまったく想定していなかった。この“涙の五輪内定”は海外でも大ニュースとなり、英BCCやAP通信など複数メディアが池江選手を称賛していました。それだけに、池江選手には東京オリンピックで活躍してほしい、と思う人も多いと思うんですが……」(前出の女性誌記者)

 しかし、事態は悪化の一途をたどっている。当初、4月25日から5月11日までとされていた緊急事態宣言も、5月末まで延長となった。

「多くの休業・時短の要請が出ているうえに給付金や手当も少なく、世間では“政府は人命よりオリンピックを優先している”“国民をないがしろにするつもりか”と、多くの不満の声が上がっています。“観客らに対応する医師約200人を無給のボランティアで集める”“ワクチンの接種対象が選手や指導者だけで、ボランティアにいきわたるか不明”という運営も、批判の対象となっています」(前同)

■中止を求める署名が3日で24万超

 弁護士の宇都宮健児氏が『Change.org』というオンライン署名サイトで5日の正午から東京オリンピック・パラリンピックの中止を求める署名活動を行ったところ、8日午前0時時点で24万筆超の署名が集まっている。

「5月17、18日の広島県で行われる聖火リレーに合わせ、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が日本を訪問するはずでしたが、これも見送られる方向で再調整されとなりました。IOCとバッハ会長については、『ワシントン・ポスト』では“収益のほとんどを自分たちのものにし、費用は全て開催国に押し付けている”“地方行脚で食料を食い尽くす王族”“ぼったくり男爵”と、辛らつに非難していますね。

 ちなみに、聖火リレーについては福岡県は7日に服部誠太郎知事が中止を発表しました。都道府県内全域でランナーが走らないのは日本初の出来事ですが、この対処については好意的な声が多いですね」(前出の女性誌記者)

 周囲を取り巻く環境は厳しいが、選手本人に罪はない。心ないメッセージを送ることだけは、くれぐれも控えてほしいーー。

2021/5/8 15:30

この記事のみんなのコメント

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  • あきひろ

    5/11 16:54

    大衆は喚くだけで責任も何もとりません無責任な声は無視して自分の全力を尽くして下さい。

  • いち(

    5/11 16:24

    池江さん、そうゆうバカ共は放っておいて、競技に集中して下さい。

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